医者と妖怪。

松野焔楽

小説

6,342文字

主人公の白金勇希は精神科と外科を掛け持ちしている23歳の医師。自分の患者であり、親友の2人を殺人鬼に殺され、今日は2人が死んで3年後の命日。墓参りを終えた帰り、神社の境内で勇希は三尾の狐ルタとカラス天狗ラゴと出会う。ルタとラゴは死んだ親友2人に何処か似ていた。そんな妖怪との出会いから1ヶ月の間に、勇希に起こった奇跡の物語。
(現在未完成です。)

俺の家ではラゴが一人で留守番をしている。リビングでゴロゴロしながら団子を食べて有意義な時間を過ごしていた。いつまで経っても外出した2人は戻って来ない。そんな帰りが遅い2人を心配し始めていた。
「ルタ、主…いつまで遊んでいるのか……迎えに行こう。」
ラゴは窓を開け、大きな翼を広げると街に向かって飛んで行った。
「主は我が物。ルタに引き渡したのが間違いだった。」
どれだけ探しても2人は見つからない。ラゴは仲間のカラスに協力をしてもらい、捜索を続けた。
その頃、ルタは俺を暗い森の奥に連れ込んだ。この森は迷いの森といわれる場所。道が複雑に入り組んでいて、入ったら最後、二度と外には出られない。ルタは軽い足取りで木から木へ飛び移り、しばらくして俺を木の上で下ろした。
「ルタ、どういうつもりだ?此処は迷いの森だぞ。迷ったら出られないんだぞ。」
「分かってやす。旦那を手放したくないから、俺は此処に連れて来たんでさあ。」
ルタはそう言って俺の服を脱がし始めた。上着、黒いカッターシャツ、下着も脱がされた。
「ルタ…!何をする!?」
「旦那、俺はこんなにも旦那を好きで居るのにどうして旦那は俺だけを見ないんですかい?」
ルタは俺のズボンのベルトに手を伸ばす。いつもは金色のルタの瞳が、興奮しているのか赤色になっていた。
「それに…ラゴには泣いてる旦那の顔を見せたのに……俺じゃ駄目なんですかい?」
「待て!ルタ、それ以上は駄目だ!」
俺は必死で止めようとした。しかしルタは俺のズボンのベルトを緩め、ズボンを剥ぎ取った。そして俺のパンツ越しに、俺のモノに触れてきた。
「駄目って言っても、人間の身体は正直なんですぜ。旦那、知ってやした?」
「ルタ…止めろって。」
そう言って止めさせようとする俺だった。でも、だんだん理性が壊れていくのは薄々感じていた。しばらくすると俺は自らルタを求めるように。あぁ、このままルタと一緒に此処で暮らすのもいいか。
「旦那、俺がこうやって触るだけじゃ満足出来ないんじゃないですかい?」
「満足出来ない事くらい分かってるだろ。早く、早くしてくれよ。」
俺の言葉に答えるように、ルタの温かい手が俺のモノを弄る。その時、空から黒い羽根が落ちてきた。

2019年1月28日公開

© 2019 松野焔楽

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