短編から長編まで、多彩なジャンルのフィクションが揃っています。破滅派らしい物語をお楽しみください。
七号の企画会議で、編集長は膝を打った後、こう付け加えた。「周さん、書き手が見つからんかったらどないすんねん」。私は答えた。見つからんかったら、見つからんかったこと自体を記事にすればよろしい。
前に進むのは容易ではない。 いつでも過去が足をひっぱるのである。 それを受け入れられればどれだけ前に進めるか。 (対象年齢15歳以下)
六月の報告書提出後、私は班長への月次説明で、鶴橋市場の「非公式指標」について言及した。班長は興味を示した。ワシントンは常に、統制の効かない領域を数値化する新しい方法を求めている。私は換算表を、闇…
僕は彼女を見ていた。大好きなのでずっと見ていた。
手入れの朝のことを、私は箪笥の一番奥の抽斗にしまうように、内の言葉でだけ覚えている。
10歳のころ、コロコロコミックの発売日になると近所のスーパーに開店凸して買っていました。当時読んでいたコロコロの作品を思い出し、児童文学としてふさわしい不条理文学を書こうと試みました。対象年齢:…
巳代蔵翁の店先で四人が居合わせたあの晩、辻で鳴った「ばさ」という音を、私は今も耳の奥から追い出せずにいる。あれは紙の音であった。それも、一枚の紙が独りでに捲れる時の音ではなく、何かに読まれて頁を…
あんた、生駒へ詣ったことあるか。ないやろ。今の人は皆ない。せやから話しといたるのや、儂の商いは荒物やが、齢とった者の本業は覚えとることや、思うてな。
セイレーンと略奪者、そして自由をめぐる神話。
「青空の続きを ②」の続きです!!!
「青空の続きを ①」の続きです! https://hametuha.com/novel/117431/
白状すれば、私は活字で嘘を売って食っている男である。『裸線』という誌名からして嘘だ。裸のような真実を電線のように送り届ける、と創刊の辞にはご大層に書いたが、実際に送り届けているのは温泉場の醜聞と…
絶望が人間を救う社会で、希望はどの様に働くか。
私の日本語は、母がカリフォルニアの台所で使っていた日本語である。それは一九二〇年に広島を出発したまま、更新されることのなかった言語であった。私がそれを話すとき、鶴橋の人々は一様に奇妙な表情をする…
海のことを、私は生まれた島の言葉でパダンと呼ぶ。大阪に来て十二年、口ではもう海と言う。うみ、と言うたびに、言葉の底でパダンが一度沈んで、それから浮く。言葉は乾物と同じで、乾かして運んでも、水に戻…
復員して三月のあいだ、私は文字を書かなかった。書けなかったのではない。南方で最後に書いた文字が戦死公報の下書きであったから、指がそれを覚えているうちは何も書きたくなかったのである。
パパが色々やらかしたせいで、戦うことが嫌いな君なのに、戦わなくちゃならなくなる。相手は猿の魂。どうすりゃいい? 対象年齢:15歳以下
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