超短編小説「猫角家の人々」その40
まずは、小手調べだ。偽の交通事故で儲けようとする「ワル」の手伝いは、そこそこ金になる仕事だ。「後遺症の認定を得意としている。」などと、弁護士事務所のサイトに書いてあったりする。弁護士が、後遺症のランクを上げてくれて、期待以上に慰謝料や休業補償をとってくれるということか?そうでもないと、わざわざ弁護士に頼む意味はないが。
そもそも、弁護士は、交通事故にどうやって介入してくるのか?普通なら、自動車保険の加入者、被害者と損保会社との直接の折衝の筈だ。弁護士の入り込む隙間はどこにあるのか?どうやら、昨今は「弁護士特約」というヤツが自動車保険の任意保険に付帯してつけられている例が多くなっているようだ。弁護士が、事故の後始末に介入し、保険会社との交渉に任ずる。弁護士費用は、その特約がカバーするので、契約者は支払わないで済む。なるほど、ここで弁護士は保険から弁護士費用を受け取るのか。だが、その弁護士費用くらいで、悪徳弁護士が満足するはずがない。
交通事故における弁護士の役割は、被害者の代理人となって、加害者や保険会社との折衝に当たることだ。そして、加害者の保険会社が提示する示談案に対して、文句をつけて譲歩を引き出すことだ。必要に応じて、訴訟も行う。訴訟費用も保険から出るであろうから、被害者にも弁護士にも損はない。
さて、ワルの手口は様々だが、一般的な手口の一つを分析してみよう。交通事故をひとつでっち上げる。実は被害はない。「朝鮮悪」のネットワークを駆使して、被害者も加害者も修理工場も弁護士も儲かる詐欺を仕組む。損をするのは、損保会社、そのおかげで、高い自動車保険料を負担させられている一般の契約者だ。
「朝鮮悪ネットワーク」から、加害者役と被害者役を選抜する。中華麺社長の修理工場が代理店をやっている自動車保険に加入している加害者だ。大型の外車の事故が起きたことにする。事故を現実に起こす必要は必ずしもない。所轄の警察署のS禍信者の警察官に頼み、偽の事故証明書を秘密に発行してもらう。事故があったことにして修理工場で、ダミーの事故写真などを中華麺社長が用意する。ここからは、四つの葉弁護士法人の出番だ。保険会社と交渉し、車は大破したことにして高額の修理代を支払わせる。部品が取り寄せになるので、一か月、修理に掛かることにして代車のレンタカー費用を損保に請求する。ベンツのレンタカーを一か月借りると賃料は100万円を超える。レンタカーは、中華麺社長の持ち物だ。中華麺社長は、廃車同然のぼろぼろのベンツを貸し出して儲かるのだから、笑いが止まらない。被害者は、弁護士事務所と癒着した整形外科で偽の診断書を貰い、頸椎ねん挫で6か月の療養を必要とすることにしてもらう。首は….痛くもなんともないのだが。休業補償をたっぷりともらう被害者。「後遺症の認定を得意としている」とは、このことだったのだ。実際に後遺症などはなくてもよかったのだ。
損保は、弁護士が介入した事故のケースで、訴訟を起こされるのを嫌う。「未払い事故」と見做されて、会社の評判が下がるのを嫌がり、弁護士の過大な要求に妥協してしまうのだ。
弁護士も修理屋も加害者も被害者も警察官も医者も、予め決めておいた分配比率で報酬を分け合う。もっとも、中華麺社長の会社がらみばかりで事故を起こすと目をつけられる。だから、あまり、頻繁に使える手ではない。
ネット上の口コミサイトで、「あそこの弁護士に頼むと、後遺症認定や修理代水増しで便宜を図ってくれる。」とそっと噂を流す。ITの得意な朝鮮悪サークルの仲間が、代行してくれる。自動車保険で一儲けしたいチンピラが連絡をしてくる。大体が、茶髪というよりも金髪で、無職。ひがな、パチスロ屋に入り浸っているようなカスがやってくる。パチスロ馬鹿息子は一日中スロット台に座っていて運動をしないので、太っているのが多い筈だ。だが、不思議とガリガリに痩せているのばかりやってくる。四つの葉弁護士法人にやってくるカスは、パチスロマニアのみならず、シャブ中まで兼任しているのだ。筋金入りのカスばかりなのだ。だから、痩せている。親が馬鹿息子が事故を起こすのを心配して、自動車保険を掛けてくれている。この保険を悪用する。偽装事故で、加害者役を演じさせ、被害者が手に入れた保険金から、この馬鹿息子にも分け前を回してやる。
口コミで、似たようなカスが「俺も俺も」とやってくる。保険会社がだぶらないように注意深く選別し、やばくなさそうな案件のみ引き受ける。札付きのレッテルを貼られないためだ。(続く)
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