名探偵として覚醒するのだろうか

名探偵破滅派『名探偵のいけにえ: 人民教会殺人事件』応募作品

諏訪真

エセー

725文字

2023年2月名探偵破滅派
『名探偵のいけにえ: 人民教会殺人事件』

4章の最後でりり子が披露した推理と、その直前に大塒に説明した真犯人が事なるが、これは恐らく真犯人を炙り出すブラフではないかと思う。前日譚で集団自殺を起こしているが、ここでは真犯人を含めて自殺しているのかどうかはまだ分からない。ジョーデンのいう「あいつに嵌められた」のあいつが真犯人ぽいが。
そもそも、調査団の3人がことごとく他殺に見せかけた事故死であるという推理は、発端の108号が関わる探偵の死について、大塒の推理をなぞっているのだろう。冒頭の事件を繰り返す構図であるとすると、恐らく実行犯はWかQのどちらかで、真犯人はりり子の言うとおり校長ということになりそうだが、恐らくそれも読者のミスリードを誘うものではないかと思う。
デントの死については分からない。少なくとも、デントが死ぬまではデントが調査団の一員であることを知りうる教団の人物はいなかったはず。(仮に知っている人物がいたとして、内務長官が知らなかったということは派閥があるということか)
ジョディの死については薬のすり替えによる時間差の殺人、イについては、恐らくWかQの体格を利用して通風口から侵入しての殺害、が思いつくところの全てだ。体を二つにバラしたのは通風口を通すため、というのはパッと思いつくレベルだが。

真犯人が最初に殺害対象としていたのは、果たして調査団の面々だけだったのか。もしそうなら、4章の最後でりり子を殺害した時点でほぼ達成し、あとは大塒をどうするかだけになる。しかしそれだと冒頭で描かれている集団自殺はどういうことなのか。下院議員の一団を抹殺した後も飛行機が飛び立つのを阻止できなかったので集団自殺を決意したとすると、この集団自殺と調査団の殺人事件は別件であることになる。

2023年2月20日公開

© 2023 諏訪真

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