本来、作中の登場人物になりきって事件を解決するのが醍醐味であろうが、指定の「四日目」までを読んだトコロ、特にトリックが難解な故、探偵小説の読者目線として推理をする。
一、犯人。
W=レイ・モートン。
コレは比較的、簡単である。
先ずもって前日譚の事件で「大塒と、りり子のユーモラス・コンビの紹介!」の体をとっても、108号がトビー症候群だった! と提示されれば間違いなく、ソレが作品に大きく関わると判る。普通に「四日目」まで拝読した今、現在。主要な所謂ガキは、WとQしかいなかった。Qは大塒達と行動を共にしていてアリバイが有るし、余り洗脳されていない良い子(ビルの件も、素直過ぎてインチキに加担した心算は無かったのじゃなかろうか?)の様に描かれている故、外す。
一人しか居なくなる、Wだろう。
ハナシが前後する。
途中までWは犯人の使いっパシリにされているのだろう……とも考えていたが、りり子が脈略も無しに「犯人は校長先生」と述べた部分、更に一連の犯人だ、とも指摘している箇所で、W=レイ・モートンだと思った。
何故なら本作に置いて真の主人公扱いの、りり子が(その時点では殺害される展開になるとは無論、想像外であったが)キャラクターの描写的にも誤った推理をする訳ないからだ。だとしたら犯人が二人=レイ・モートン=Wと推測せざるを得ない。フランクリン・バーディンや、その他多数の登場人物が治ってないモノを治っていると神秘、奇蹟を信じ込み、他の信者もソレを受け入れている集団環境、なる箇所が多々あった。
所謂、ジョーデンタウンには集団催眠が(四日目以降ではLSDとか出て来るかも識れぬ)当然至極なのだろうし。それが、大塒や、りり子達には滞在日数的にラリパッパになっていなかった為、コレも長々と描かれているがガキ嫌いな人物が多数なのにWだけが偉そうにしていても皆さん、何も云わないしカントリーロックにもガキなのに出演しているし、他にも……、オカシイな~、そうだコイツ等、Wをラリパッパでガキだと思っていない! だとすれば……でW=校長、単独犯と判断したのだろう。その後、周囲の前で適当な推理を披露したのは「お前等、ラリパッパだよ……」と信者達を追い込まない為の、彼女の優しさだったのだろう。無論、ジム・ジョーデンの事は、口で当たり障りなく養護していても円内新道以下のペテン師だとしか思っていないだろうが。
もう一つ。
僕が読者目線で推理をする中、W=校長の単独犯だと確信した最大の要素は、いわくつきの信者が多く、登場人物一覧を見て整理しようとしたら「レイ・モートンやQは記載されているのに、ちょくちょく出て来るWの名は無かった」である。無論、レイ・モートン=Wな故「同一人物は別けて記載しない」 難解に創られた作品だと感じていたが、そこはフェアなのだろうと思ったからだ。
二、動機
動機は漠然としか判らない。
円内新道が前日譚で扱われているように、W=レイ・モートンが調査団からラリパッパ・タウンとバレそうになる事を恐れたか、真逆に何らかの理由(例えば金銭的なトラヴル)でラリパッパだよタウンを潰そうとしたか、だと思う。
なお、ジム・ジョーデンは多分、眼が見えなくなり自身が豪語していた奇蹟(怪我も病気もない)が覆されポンコツ&精神病になっていたと推測。故にまっ関わってないと予測。レオ・ライランド調査団は結句、刺身のツマだろう(無論、彼等の為に最後をパッパ・タウンは崩壊するが)。
三・トリック
これは全く判らない。
デントの事件はこれも同じ密室の前日譚の流れで、トイレットで刺されて、部屋に逃げ込んだがなんらかの理由で自ら鍵を閉めた。護身用のナイフを奪われ刺されたまま逃げれる、と云うのは矛盾があるが元FBIだし生きたいと願う人間は、そのくらい気力出すだろう。鍵を閉めたなんらかは伏線みたいに出ていていた虫関連か。
ランディの事件は気になるのはガスコンロの件。ピルケースの紛失、調理場荒らしは敢えての偽造なのだろうか? 然し、その箇所を何度も読み返している内に左手、左手が幾度も描かれているし、他のメンツの中に右手が不具の方も居る、で右手で呑むランディだけが毒、いっちゃっただろうか。余談ながら僕自身、左利きなので良く探偵小説を読む時は利き手から疑う。クッキーが無くなっていたのはWが不在の隙に小窓から入り、ややこしくする為、パクったか。
イの事件。
躰がガキのWなら他にバレないようイの部屋に行くのは容易い。閉所恐怖症の彼を助けるフリして外に誘う。崖にブットバシたのは急に来なくなったヤブイヌを使ったか。死体の回収方法は識らぬ。
りり子の事件。
コレは四日目まで読んで推測! では情報が少ない為、判らぬ。ただWと大塒が会っただけでは。
いずれにしろ続きを読みホッとしたい。
約束の枚数だ、では。
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