常日頃から「カンフーの先生」、格好良く言えば「武術家」として行動をする事が多く、また、現在進行系でそう認知され続けている自分ですが、現実にはそんな肩書きなど全くの無意味である事よなあと、自分で選んだ道とはいえ、こうやって古典の現代語訳風に溜め息をつき、天井を見つめる事がよくあります。

昨年はどうにも具合のよくない就職活動に嫌気が差し、急遽武術で飯を食おうと思い立ち、それら一切のものを放棄、カルチャー教室に片っ端から売り込みに行ったり、地元のイベントにカンフー表演で参加したり、民間フリースクールでカンフーを指導したり、クラブイベントでHIPHOPとカンフーのコラボをやったりと、「大人が真剣に遊ぶとそれが仕事になる」という言葉を頑に信じて、一般的に言う所の「金にならない事」に対してひたむきに行動していた、そんな享楽に明け暮れた一年でした。

それでも動けば風はわずかでも起こるもので、年が明けて早々、何の因果かNHKの生放送に出演する事になってしまいました。この話を受け真っ先に思い出したのが、幼少の頃に出演した瓦屋のCMです。雨漏りする天井を白痴の如く見つめる以外の行動を全て制限され、その空間時間共に大変苦痛であった事を、今でも簡単に思い出す事が出来ます。

結局、今もその時も天井を見つめる事しかやってない訳なんですが、しかし、今回はカンフー教室の宣伝とその内容の紹介なので、ただ天井を見つめるだけという訳にはいきません。カンフーを短時間で効果的に理解される方法を模索し、考えを煮詰める毎日です。無論、天井も見つめてます。

伊須方