おはめつ。ほろです。
太宰的じめじめ苦しめお天気が続いておりますが、みなさまのおはめつぶりはいかがでしょうか。

ここ安否情報では無責任にたわけきったことしか書いていないので、今回もきちんと無責任にたわけきったトピックをそこはかとなくかきつくります。

兼好法師なるうらべのじいちゃん本『徒然草』が、雨ざらしでカピカピになって転がっていたので不憫に思いじわじわ読む。
これ、おもろいですよ、おねーさん。
戦国武将なんかにはまってる場合じゃないですよ。
おおむかしのじゃぽんにこれだけファンキーに吹っ飛んだパンクじいちゃんがいたというのは奇妙に心強いです。
とにかくエロい。モテたい。エロいし、キレるし、あきらめる。
ちょいワルおやじみたいなインポテンツではなく、ほんとにワルイし美しいし、どうしようもない。
どうしようもなく、かっこいい。
虚脱系で閑かに諦観しているかと思えばいきなりぶちキレ。ダメだし連発。
けれど評価はきっちり。良いものは良い。悪いものは悪い。
このじいちゃんはハンパでない学識と、地に足のついた強靱な美意識・倫理性により極めて冷徹な取捨選択を行っています。

「ぶっちゃけ、やってらんねーなぁ」と「んでもまあ、一応、生きときまひょか」のあいだでぷるぷるしながら、結局どこの価値体系にも安住しないところはたまらんです。
こんなセクシーじいちゃんを破滅派の相談役にしたいとも思いました。

こういう吹っ飛んだセクシーじいちゃんがいる一方、最近のしょぼくれおっさんの語りを以下に。

宮崎駿
「少年と少女、愛と責任、海と生命、これ等初源に属するものをためらわずに描いて、神経症と不安の時代に立ち向かおうというものである」
映画『崖の上のポニョ』公式ホームページ記載

亀山郁夫
「彼が120年前に書いた世界は、価値観が崩壊し、混沌としていて、現代の状況にとても近い。とにかく面白くて、謎を含んだ作品です」
2007年7月4日掲載 朝日新聞 ひと欄

「この作品には運命とは何か、暴力とは何かという抽象的なことを、生々しく自分のこととして経験させる吸引力がある。運命を描くことで人間の存在の小ささを、また罪を描くことで人間の存在の大きさを表現している。人間の残酷さを直視して作品を書いたドストエフスキーの問題意識には現代性がある」
2007年8月22日掲載 産経新聞WEB

さてまあ、『崖の上のポニョ』は試写会で見て、新訳(?)『カラマーゾフの兄弟』は解題まで読んだ上で、これらの作品のしょぼくれ萎えっぷり感はどこからくるのだろうとゆらゆら考える。

作り手のへなへなな方々に共通するもの

  • 「みんな不安なんだよ」的タームで時代をひとくくりに断定する安楽取り込みスタンス。断定は送り手も受け取り手もラク。
  • 愚鈍という意味でのおっさん的ナイーブさ。
  • セクシーじいちゃんのしなやかさの対極にある硬直感。がんめーころーっぷり。
  • 「混沌としている」と言及する時点で、自らが規定した混沌の地点から自分が遊離している逆説に気づかない自己矛盾。
  • グローバリズム、テロル、幼児虐待、孤立、不安、現代性、みんな精神病み病み系など、ホットなキーワードをちょいちょいと振りかけておく手軽な口吻。
  • 自己または他者のテクストに対する慎重さの欠落、脆い倫理性、ヤワな美意識。

こんなとこですかい。

亀山さんについては誤訳問題は措くとしても、自分の「新発見」やキャラクターの性的異常性を煽りたてる解題のスキャンダラスな口振りはまこと興ざめです。
こういう上滑り口調は、セクシーじいちゃんならば「見ぐるし」一言で終わりでしょうか。

かっこわるいおっさんばかり紹介してもしょうがないので、たまにはイイ男を紹介しましょう。
啄木。けっこうぶちキレまくったは100年くらい前。清々しく、まっとうなセリフ吐いてます。(原文では引用部全文に「○○○○○」というルビ付でさらにキレっぷりが加速)

「時代の弱点を共有してゐるといふ事は、如何なる場合の如何なる意味に於ても、且つ如何なる人に取つても決して名誉ではない」
1910年2月13日~15日掲載 東京毎日新聞記事

最近のおっさんには、うらべのセクシーじいちゃんやキレモード啄木のような色気がないですね。
男の色気とは、その人の倫理性に由来するのではと思いました。

めつ。

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