●鬼界は誰か
月浦一真である。が、エアコンが壊れた家に住んでいる本物の月浦一真ではない。
本物の一真は妹の紫音と一つ家に住んでいるはずなのになぜかメールでやり取りをしている。髪は短いはずなのに、唯が会った一真は長髪である。唯は紫音と一真に同時に会ったことはない。
以上より唯が会った一真は別人で、鬼界その人である。F市大学院生殺人事件の犯人が逮捕される直前に、大学生とその教え子の中学生を襲っている。その大学生が鬼界であり、中学生は紫音である。
本物の紫音は鬼界にマインドコントロールされており、本物の一真も紫音を通して半ば思考支配されている。半ばと言うのは、一真自身は鬼界を憎んでおり、その所業を止めようとしていると思い込んでいるから。兄妹である二人がメールで会話しているのは、二人のコミュニケーションや行動を鬼界に逐一伝えるため。鬼界は本物の一真とバッティングしないように行動する必要があった。
陽子や御所ヶ谷、そして実行犯となる猟の詳細な情報を入手できたのはクォーカ社内に手引きをする者がいたからだ。タチバナという助手の女はクォーカの社員の相生であり、鬼界の思想に深く共鳴していて、鳥飼仁のような優秀なエンジニアの技術を、情報漏洩に利用していた。
鬼界の正体は六本松拓郎(696)ではないかと推測する。根拠はない。他に思い当たる人物がいないのだ。
●鬼界が唯へ近づいた理由
洗脳して将来のクォーカ社を支配するため。
●結末
たくらみと犯罪が唯に暴かれ、鬼界は自らが作成した殺人機械によって自決する。
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