登場人物がいずれも後ろ暗いことがありそうで、ひょっとすると全員犯人だったとか、殺された人も実は犯行に関わっていたとかそんな顛末ではないかと想像した。足りない知恵を振り絞った結果が以下の記述である。ご笑読ください。
櫻木家ライン
殺害したのは桧川。的場が計画した。もともとの的場の狙いは櫻木一家と高塚桂子。櫻木病院に強い恨みがあり、復讐のために医師免許まで取得して近づいた。高塚桂子も何らかの関係があり同罪と断じていた。桧川とネットで知り合い自殺願望の話を聞くうちに、殺人計画を共有するようになった。もともと櫻木一人の殺害の予定が、急遽桂子の殺害も実施されたのは、小坂の息子の海斗が朋香に知らせたからだ。バーベキューの夜、この二人は桂子の計らいで友達になっている。後に述べるように朋香もまた殺害計画の協力者であったので、海斗にそれとなく高塚家の様子を知らせてくれるように言い含めてあり、朋香の知らせで高塚会長や小坂夫妻が不在であることを知った。
殺害の経緯:的場は櫻木洋一のグラスに睡眠薬を入れ、席を外している間に桧川に殺害させた。櫻木の死体が発見された後、辺りを見てくるふりをして高塚家に赴いて桂子を殺害した。その際、様子を見に来ていた鷲尾の脇腹を桧川が間違えて刺してしまったため、証拠隠滅のため胸を刺して殺害させた上、予定通り脇腹の急所を外した場所を刺させた。
栗原家ライン
犯人は桧川。的場から別荘地での殺害計画を聞き、周辺の所有者を調べたところで、栗原夫妻の「罪状」を発見し夫妻も殺害することを決めた。
栗原夫は公認会計士の立場を利用して犯罪ギリギリの手法で荒稼ぎをしていた。山之内静枝に近づいて深い関係になり財産管理も引き受けていたと思われる。妻の由美子はそれを知っていたが金のためだと割り切っていた。
協力者は娘の朋香。監視カメラがSDカード内蔵型というのは住んでいる者しか分からない。監視カメラの情報提供をしたかもしくは自分でカードを抜いたのかもしれない。
中学生にしてはいつも態度が冷静で、推理小説マニアでもある非常に賢い娘だ。挨拶に来た高塚会長の声をわざわざドアを開けて聞いたりもして最初から挙動が怪しい。両親の悪評、猫のルビーが殺された、父と山之内静枝との関係など父母が信じられなくなっていたところで、インターネットで的場や桧川と知り合い、殺人計画に手を貸す気になったのではないか。両親が殺されるとまでは考えたかどうか。「不正に蓄財した隠し財産を暴き出す」くらいの話だと言われたと思う。朋香自身も信じたふりをして協力したが、心のどこかで両親が殺されることを感づいていた。殺害後も警察に事情を話さなかったのはこのためである。
高塚桂子が言った(正確には小坂の妻七海が言った)罵った「女狐、女豹」とは誰のことだろうか。
「女狐」が山之内静枝であることは七海の発言で明らかになっている。
「女豹」は櫻木千鶴のことか栗原由美子のことか?
それにしても被害者は全員、一言も発せずに死んでいるなあ。サバイバルナイフと言えども胸を刺したくらいでそんなに簡単に人は死ぬものだろうか、と疑問に思った。それを言っちゃおしまいなのかもしれないが。
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