さて、朝鮮悪の資金調達手段である保険金殺人の実態に少しふれておこう。朝鮮悪組織が吊り上げた小涌谷某なるシャブ中女の親族保険金殺人の手口は興味深い。
1999年から2000年にかけて茨城で発生した3件の殺人事件を上申書殺人事件と呼ぶ。このうち、最後に発生した「日立市ウオッカ殺人事件」の手口を、ほぼ再現したのだ。この事件では、無理やり酒を飲ませて病死に見せかけた遺体を日立市内の山中の林道に運んで遺棄したのだ。警察が「事件性なし」と処理したので、家族は生保2社から約1億円の生命保険金を手にした。だが、大部分の保険金は、家族から脅し取られ、殺人に関わった犯人たちによって山分けされた。
「山中で死体で発見される」という手口が、小涌谷某のケースでは模倣された。小涌谷某の老父は、自家用車で林道に入り込み、山中で林道から轍を少し外し、ドアを開けたままの状態で斜面に転落して死んでいた。外から見れば、そう見えた。勿論、他の場所で薬物で殺害され、山中に運ばれたのである。警察は、日立市ウォッカ殺人事件同様、事件性がないとして処理した。法定相続人として、億単位の保険金を手にした小涌谷某の母親は、半分を「組織」に上納し、残りの大半を可愛い娘に手渡した。可愛い娘は、大喜びで大好きな高級バッグを買いあさり、毎日のようにエステや美容室に通った。50歳に達していた娘は、親を殺して得た金で着飾った。「30代に見えるかしら?」良心の呵責はなかったのか?
心配ない。正常な精神は、シャブによって改変され、「何も感じない」強靭な、というか、鈍感で歪なものに作り替えられていたのだ。精神科に通院するような弱さを持っていた小涌谷某は、シャブで大きく変わった。朝鮮悪組織から「ジャーナリストKを抹殺する作戦の先頭に立ってくれ。」と鼓舞され、その気になった。自分が必要とされている世界に久々に出会ったのだ。もう、時給の安い派遣の仕事で呻吟することもない。高級住宅街に借りているマンションを出なくて済む!
だが、順調に進むかのように思えたKに対する謀略は、最後の最後に大どんでん返しの結末を見た。小涌谷は、久々にKを追い詰め抹殺できると朝鮮悪組織の幹部が思うほど、善戦したのだ。少なくとも傍からはそう見えた。だが、Kは、突如、態度を豹変して小涌谷らを排除したのだ。詳しくは、のちに語ろう。
ほかにも、会社経営の老父を殺して保険金を手にした無職の中年男、10年別居をしていた妻を殺して保険金を手にした医療関係者など、朝鮮悪組織の中には、保険金殺人で儲けた面々がシャブでトリップしながら生息しているのだ。
保険金殺人には、準備期間が必要である。保険を掛けてすぐに家族を殺すというわけにはいかない。保険加入後、2-3年経って、死亡時保険金の60%まで支払われるといった契約が一般的なのだ。1年以内に死ぬと保険金ゼロと約定されている場合が多いのだ。だから、2年、3年経たないと、金にならない犯罪なのだ。投資期間が必要なビジネスなのだ。当然、仕込んで時期が来るのを待たねばならない。
Kは、朝鮮悪組織の保険金殺人ビジネスを暴いた。結果、「仕込み段階」にあった保険金殺人計画がいくつも宙に浮いてしまった。朝鮮悪組織の資金調達に大きな障害が発生し、シャブ中メンバーも大金を掴むめどを失い、四苦八苦している。ますます、シャブの使用量が増えるのだが、シャブを買う金がないのだ。
そうなると、シャブ中の皆さんは、上部組織にアピールして、Kに対する攻撃作戦で活躍しているところを見せなければならない。わざわざ攻撃の模様を撮影してネット公開するなど、組織幹部へのアピールが日々の仕事となる、「これだけ成果が出ているのだから、裏金を、シャブをくれ」というわけだ。工作員同士で、お互いの成果を誉めそやし、幹部の顔色をうかがう。幹部も工作員も、こんなことでKの口を封じられるなどと思っていない。15年間、ありとあらゆる工作を仕掛けても落ちなかった難攻不落の堅固な城なのだ。シャブ中風情が束になって掛かっても追い返されるだけだ。工作員連中の日々の仕事は、自分の成果を過大自己評価して、幹部にアピールすることとなったのだ。シャブと裏金欲しさに。惨めである。(続く)
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