すこしひらいたトランプはふせて、モノクロで、白檀の香りをほど得たのに。
顔かたちない、うでばかりがのびて、ふかいところを掴んで離さない。
なにも出てこないのに、むやみにくるしいとこ吐きだしたい。
葦(笑)人魚は川の流れに逆らえない。枯れた草を結んで束ねた、十五夜も過ぎ去ったあとの、ちいさなこのママゴト、
どうせもうすぐ狼少年の腹の中よ
大きな解錠で瞼のうえの太陽が騒がしいうえに、私ではないなにかが、倒れている。
いばらの塔の全景は砂時計の、破れたときだけ月陽が巡ってくる。机上ではしずかに線が引かれ、何の記憶もないくせにおもいだすがままに、欠けたり割ったりしながら、幾通りも軌跡を追っていく。
空白の場合になにか、が足りないから
黒い段を奥に曲げては陰る、大の字になって天井を眺めている、膝を抱えるのも味気ないから、スニーカーを忘れたから裸足で、ほそいみちから、ひかりがさしてひとつの椅子を置いてみた。
影がいう。
そのうち焼き付いて動けなくなるから
さみしいから花を贈る。
窓を少し開けておくと風が種を置いていった
すこし太陽に近くて、すこし地上より遠い。空も飛べない。けど、わたしたちは、どこからかきて、どこかへゆく。意味もわからずに砂の上にあやってやっぱり冷やかさに足らないほどの、ひそやかな熱にうだがされて。
なにごともなかった、このざわめきすらうさんくさい。あんたもわたしも。しらんふりしてりゃ、なんもおこらないから。だまっていて、そのままで、じかんだけがきえていくことを、ゆるしてあげる。
節のある椅子のこと
やさしくないから
祀ってしまうよ
からっぽのあたまでふらふらといくすがたを、ちょっととまっていてください。
かぜがつよいのです。おされたり、まがったりしていますか、
あなたは地に足はついているから結して黙してしまいます。
"やさしくないからゆるしてあげる"へのコメント 0件