もしもクレバー。青白く立ちすくんだ空、虚木を左道に見て
ショーウインドウにはたくさんの人が、入り込んでいるわ。
まずは星の子と押し付けて、破顔してこちらに向かわせる卵生よ、
それとも扉の向こう側から覗いている気分はどう?
月夜の雰囲気に一筋、君の赤毛でも内装に、十字の波がある
お姉ちゃんは昨日マネキンになってしまった
「……それでね、今日からはあたらしいお家にかえってわたし、ひとりになったの。大きな屋敷だって言うから、それで、ね。メイトのひとりがつまみ食いして、それを絵に書いたような豪邸の。お菓子でできた、わたしはほら小さな丘、涼やかな森が見えてきたでしょ、」
――それが目印なの?
(ねえ大きな瞳が溢れんばかりに早口で喋りかける少女の、あどけなさとは裏腹に熟れた唇から貧相な垂涎が零れてしまった、それで僕と君は生まれたんだ。けれどそんな炭素化した生産効率でしたでしょうか。)
いたるところ / はてしないねむり。カクレクマノミの - 見ず知らずの父に、
繰り返したところで別段わかっている、楽しいこと面白いこと、臭いものには蓋をするだけ
沈んだ指先の、捲られるがわの、イロハうたを、手取り足取り とりあげて
今日も臨終で、未来だってあけっぴろげに広がる、空虚なマタグラにハコニワと溺れる
<未来地図は重たいだけの荷物でも。『イマジナリーフレンド』忘れないで、>
ただの闘魚、きれいなベタでしょうって無理やり金魚鉢でスイスイしてる。それでいい気がしちゃうの、でちょっこっとだけ手をこまねいた。そしてね。これでもうすぐ飽きちゃう腥い手で掻き乱したらゆらゆらするから。もうこわれちゃう前にさ結局全部こぼれちゃったね、
水、
泣かないでね。
水の泡、
それでさ、茹だっちゃってみんな浮いちゃったの。ほら見えるでしょいまでもきっと、大きな欠伸をするお魚たちが無声にタマゴを抱いちゃうから、みんな共食いみたいな游びばっかり、産めよ増やせよ、って推奨する。
段数の少ないアロマオイルを垂らす 夜更かしのガラスペンの寿命を 数える
香らない 吐息の山を崩して 紬ぐ味は最終回を待ち侘びたヒールの踵を削ぐ
けちくさい四畳半は穢らしいほど恋し 殺風景でどうしようもないほど、天使
ストライプラッピングの街灯に群がる羽根には 降り止まぬ雨もないのに、な。
そんなきもちいいとこ揺蕩えるように三日月から満月まで火のない夜も目隠しして手探りで玩ぶ、みんなお道具箱の中身、いつだってみんなみんなハサミやノリで繋いでる、なおざりお人形さんでしょう。
氷砂糖の夏 満ち欠けを亡くしたクラゲ とろりと流れ続ける、ウタカタも
氷のマグマの うちがわのたましいの 死みたいなウタにしてしまえば
あの子のスカートの 開かない傘の下の、触れ合わない利き手のシワにみる
みずいろの震えるだけの瞼のような。濡れているよな、ウブなよな、なんでも
うつろいゆく虹彩 うらはらは燃えるよな、夜な夜な 夢に見るだけ
ナニからかたちに露わそうが筆洗の先向こうの漆喰のカーテンレールに、自分の心なんて見つからない。なんて現だと簡単に言えばみんなそういうこと。だから風の向くまま気の征くまで、こころゆくまで瞳に映り込むといい。一度ならず二度三度も鏡の前を行ったり来たりの自分じゃない誰かに重なる、御伽噺は途切れまた狂ったように、女神が微笑み向こう側へ誘い込まれる。すべて、許し愛し傍らに立ち。共に親しいと騙し会える。
お人形は、わたしと わがままと トモダチ だった。
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