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断片

吉田佳昭

私がこれを記したのは何時だろうか?ふと疑問に思い、あれこれと考えていたが、畢竟としてそれはどうでもいいことに気付いた。この文章が存在しているという事実の強さ故に、その詳細は塵のようなものへと成り下がったからである。

タグ: #散文詩 #自由詩

402文字

お前は俺を殺す。しかしお前は誰に殺される?

 

白昼夢を見た。私は目の前の親を血まみれのコープスへと変じさせ、自分も醜い蠅となり果てた。窓は目の細かい網戸で、私は逃げることが出来ない。

 

神を信じようと信じまいと、または神の存在性について考えあぐねていようと、お前の精神世界は頼れる存在を待ちわびている。それは私のに対しても同じこと。

 

メモ帳。久々に開けてみれば、蜘蛛の圧死体が罫線の引かれた紙面上に粘りついていた。そしてその死体の下には、”indelible”の文字が。

 

一番厭な悪夢とは、忌み嫌っている人間・存在を愛しており、そしてそれが夢であることに気づかぬような夢である。

 

依存されることを私は望み、いざされるとそれを嫌う。忌避しながら、今度は自分が依存する人間になることを密かに望む。

 

人はそれを嫌い謗るとき、その対象にある種の願望を持つ。

© 2021 吉田佳昭 ( 2021年5月28日公開

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