貿易品目第三章之一条: 定義この章の目的に依拠するべし:
広告の用に供する映像及び録音物とは、
記録された視聴覚媒体装置(フィルム、テープ、あるいはディスク)または音声媒体装置(テープ、ディスク)であり、
物やサービス財の広告あるいは宣伝の用に供する場合において、
当該協定締結国の領域における営業活動の主体、あるいは在住民によるあらゆる企業、会社組織、個人により作成され、提供される物品を指すものである。
但し、一般大衆に対して公益の用に供するための媒体はこれに含まれない。 |
農産物品とは、WTO協定を構成する一部分であるところの農業協定第二条の中で定義された物品を指すものである。 |
少量かつ安価な商品見本とはディスプレイの用に供され、
一米ドルまたはこれに相当する当該協定締結国の通貨一単位あたりの価値を超えない程度の価額の商業サンプルであり、
かつ単独の状態であるか、あるいは輸送のためにセットで保管された状態にあり、
「サンプルである」旨の表示がされ、
かつ裁断、くりぬき、又はディスプレイ等商業サンプルの用に供する目的以外の利用につとめて適さないように処理が施されたコンディションを指すものである。 |
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領事裁定取引とは、当該協定締結国の物品を他の協定締結国に相対して輸出する場合、
領事インボイスまたは商用インボイスの用に供する領事ビザ、原産地証明書、積荷目録、
ロジスティクス業者の申告書あるいは相対国の輸入に際して必要となるその他の税関書類を取得するために、
当該物品を自国領域内に所在の相対国領事に対し、予め提出すべき要件を指定するものである。 |
無税とは、関税の免除を指すものである。
輸出補助金とは、WTO協定を構成する一部分であるところの農業協定第一条(e.)の中で定義された内容を意味する。当該定義に修正が加えられた場合は、修正後の内容を準用するものとする。 |
スポーツ目的で承認された物品とは、当該物品を輸入する当該協定締結国の領域内におけるスポーツ競技、試技、訓練の用に供するスポーツ用具または装備を指すものである。 |
展示または実演を目的とする物品とは、実演の用に供する機器、装置、模型であって、それがつとめて他の用途には適さず、かつHS関税分類の90.23類に分類される物品を指すものである。 |
印刷された広告材料とは、HS関税分類49類に分類され、物品やサービス財の販売促進、広告、宣伝の用に供される冊子、パンフレット、リーフレット、貿易目録、貿易団体が発行する年報、観光宣伝資料あるいはポスター等を含む物品やサービスの宣伝が本来の目的として無償で提供される資材を指すものである。 |
第三章之二条: 対象範囲
本章全条は、他に別段の定めがある場合を除いて、当該協定締結国間で取引されるすべての物品の貿易に対して適用される! |
第三章之三条: 内国民待遇の原則
各々の協定締結国は、1994年のガット・ウルグアイラウンド第三条の規定に従ひ、当該協定締結国の物品の取り扱いについては相対国の国民や企業に対しても等しく自国民と同様の権利待遇を保障し、これが提供されなければならない。然るに、1994年のガット・ウルグアイラウンド第三条の規定は、これを準用し、この協定に組み込まれて一体不可分の性質を有するものである。 |
第三章之四条: 関税の撤廃
一、他に別段の定めがある場合を除いて、協定締結国は、原産物品に関してはすべて既遂の関税の引上げを行ってはならない。また、いかなる態様の関税も適用してはならない。 |
二、他に別段の定めがある場合を除いて、次に、附属書之一の中で定められた協定締結国の別段の条件表に従う場合を除き、この協定が発効した時点で、各々の協定締結国はその他の協定締結国の原産物品に関するすべての関税を撤廃する事とス。 |
三、協定締結国は、その他の協定締結国の求めに応じ、自国の条件表に定められた関税撤廃のタイム・スケジュールの遵守および前倒しのタイム・テーブルを検討するために協議しなければならない。物品関税撤廃の前倒しに関する複数の協定締結国間の合意については、第17.2条(事務局の機能)に従ひながら当該協定締結国の間で相互に承認された時点において、
当該条件表の通りに定められるべき当該物品の関税率や別段の分類に優先する。 |
第三章之五条: 修理又は調整後に再輸入される物品
一、当該協定締結国は、かかる物品の原産地にかかわらずして、修理または調整を目的として自国の領域からその他の協定締結国の領域に向けて一時的に輸出された後、自国の領域に逆輸入される物品に対し、自国の領域からその他の協定締結国の領域において関税を課さない。この場合、当該修理または調整が自国、あるいは相対国の領域において行われるか否かは問われない。 |
二、協定締結国は、かかる物品の原産地に依らずして、修理または調整を目的としてその他の協定締結国の領域から一時的に自国領域に持ち込まれる物品に関税を課してはならない。 |
三、本条の目的において、修理または調整として相当と認ム行為として以下の操作や手続は含まれない。a. 当該物品の本来的な性質や機能を毀損せしめんとス、または、新規性の付与、あるいは商業的に異なる物産品を新たに創造する行為b. 製造過程の物品を最終成果物に変換せしめんと欲する行為 |
第三章之六条: 少量かつ安価な商品見本および印刷された広告用資料の無税持込み
酒類および煙草製品を除いて、協定締結国は、その他の協定締結国の領域から輸入される少量かつ安価な商品見本および印刷された広告用資料について、
かかる原産地を問わずして尚、無税での持込みを認めなければならない。但し、以下の要件が付与され得る。a. かかる商品サンプルは、当該協定締結国の領域、その他の協定締結国の領域、あるいは協定域外非締結国の領域から提供される物品やサービスの販促・営業だけを目的に輸入される物品であるという事b. 印刷された広告用資料とは、各々一個体の資材を梱包したパケットを単位として輸入されるものであり、かかる資材やパケットが過大な委託物品の一部として非公然と外形を偽装したりして輸入されない事 |
第三章之七条: 物品の一時的持込許可
一、酒類および煙草製品を除いて、協定締結国は以下に挙げたる物品の一時的な持込許可を無税で与えなければならない。a. 新聞社やテレビ局の機材、ソフトウェアおよび放映用・映画撮影用機材等を含む専門機材として認められるものであって、かかる商業活動、貿易または職務の遂行に必要と認められるものb. 展示または実演を目的とする物品
c. 商品サンプルおよび広告用映像、録音メディア
d. レース等の興行を含む、スポーツ目的として承認された物品。かかる物品の原産地がどこであるかを問わない |
二、協定締結国は、利害関係者の要請に応じて、かかる税関当局が正当と認める事由がある場合において、一時的持込許可の期限を当初の定めより延長する事が出来る。但し、当該物品の本来的な性質、個別具体的な事例における状況を其々勘案した上で期間の延長に合理性があり、かつ当初において認可された持ち込みの期間を上回らないことを条件とする。 |
三、本条第一項に定める物品の一時的持込許可が無税で与えられる事に関し、協定締結国は当該物品に関しては以下の点を除いて如何なる条件も課す事をしてはならない。a. 商業活動、貿易、職務の遂行またはスポーツ活動の用に供するため、当該物品が、その他の協定締結国の国民または在住民である特定の個人が自ら管理、またはその管理下でのみ利用される事b. 当該地域内において、販売、賃貸、廃棄または譲渡を行わないこと
c. 本来であれば当該物品の持込みまたは次なる輸出入の際に負担するべき課税額を上回らない範囲で、返還され得る保証金を支払う事
d. 輸入の際、および輸出の際に当該物品の特定について確認ができる事
e. 本項(a.)に定める者が出国する際、または一時的持込許可の目的に照らして協定締結国が別途定める期限迄に輸出される事
f. 企図された目的に照らし、必要かつ合理的な量を上回らない事
g. 協定締結国の国内法に照らして持込みが可能である事 |
四、前項に基づいて協定締結国が課した要件が満たされなかった場合、当該協定締結国は、通常の場合において当該物品に対して課されるべき関税およびその他の租税公課に加え、もっぱら自らの国内法に基づき、その他の賦課または罰金を課す事が出来る。 |
五、各々の協定締結国は、税関当局を通じ、本条の下で許可された物品の速やかな持込みを行う為の手続を適用しなければならない。物品が一時的な入国を目的としているその他の協定締結国の国民または在住民により持ち込まれた場合、協定締結国は可能な限り、この手続に依って、当該物品が相対国の国民または在住民の入国と同時に持ち込まれるようにする事。 |
六、各々の協定締結国は、本条に基づいて一時的に持ち込まれた物品について、税関当局が承認した出国地からの輸出を認めなければならない。 |
七、第十二章(サービス財の貿易)に関し、a. 協定締結国は、その他の協定締結国の領域から入国した国際運送用の車両やコンテナについて、経済合理性が認められる経路の出国について、速やかな出立の日程を認可しなければならないb. 協定締結国は、国際運送用の車両やコンテナについて、入国時と出国時の税関の場所が違うという理由だけによって保証金を要求してはならない。あるいは罰金や課徴金を課す事が出来ない
c. 協定締結国は、車両やコンテナが特定の税関を通じて出国する事について、入国に際して課された保証金等の負担金の返還条件にする事が出来ない
d. 協定締結国は、コンテナを積載してその他の協定締結国から入国した車両やキャリアーについて、相対国の管理下に当該コンテナを積み戻す際の車両やキャリアーが従前と同一である事を要求出来ない |
第三章之八条: 非関税措置
一、協定締結国は、この協定のその他の規定に別途定める場合を除いて、WTO協定下における権利および義務に誠実に従い、その他の協定締結国から輸入される物品に対し、またはその他の協定締結国の領域に向けて輸出する物品に対し、非関税措置を適用、または従前の非関税障壁の維持を企図してはならない。 |
二、前項の規定は、附属書3.Aに定める措置に適用しない。 |
第三章之九条: 通関手数料および通関手続き
一、協定締結国は、物品の輸出入に関して適用されるべき手数料、課徴金、手続および適用要件が、1994年のガット・ウルグアイラウンドにおいて定められた権利義務規定に照らしてより整合性を保持しなければならないものと合意した。 |
二、協定締結国は、その他の協定締結国からの物品の輸入に関し、手数料や課徴金も含め、領事裁定取引を課さないものとする。 |
三、各々の協定締結国は、インターネットの遠隔性またはこれと同等なコンピューターによる通信網に依りて、輸出入に関連して適用される現行の手数料および課徴金のリストを利害関係者が容易に入手可能な状態にしておく事。 |
第三章之十条: 輸出課徴金
協定締結国は、その他の協定締結国に対するすべての物品の輸出に関し、課徴金、税金、その他の賦課金を適用せず、または維持しない事。但し、専ら自国内消費を指向する物品目に対して課徴金、租税公課が適用、または維持されている場合を除く※ |
※1994年のガット・ウルグアイラウンド第八条(輸出および輸入に関する手数料、手続)の規定に整合的に適用されている物品の輸出に際しての手数料、課徴金、手続および要件については、この条の規定は適用しないという事。
第三章之十一条: 農業輸出補助金
一、協定締結国は、農産品につき国際的枠組みの中ですべての態様の輸出補助金を撤廃するという目的を共有し、合意を達成するため努力し、協力し、いかなる態様の補助金であっても予防し、防止する。※ |
二、この協定のその他の規定にかかわらず、協定締結国はこの協定の発効日の時点において、その他の協定締結国に向けた輸出農産物につきすべての態様の補助金を撤廃する事に合意し、如何なる態様の輸出補助金であっても、何れかの時期における再びの導入を防止する事に合意した。※ |
第三章之十二条: 安定価格維持制度
一、チリ国は、法律18.525号第十二条その後の法改正および後継制度に基づいて設定された安定価格帯制度を、当該国内法律が対象とする物産品※について維持する。 |
※安定価格帯制度の対象となっている産品は、HS 1001.9000, 1101.0000, 1701.1100, 1701.1200, 1701.9100, 1701.9910, 1701.9920, 1701.9990(※小麦および小麦粉、甘しゃ糖およびてん菜糖等)に限定される。
二、前項の物産品に関して、チリ国はその他の協定締結国に対し、協定非締結国その他の第三国に対して与えられる特恵関税待遇を下回らない程度の最恵国待遇を与えなければならない。この場合において第三国とは、1994年のガット・ウルグアイラウンド第二十四条(関税同盟および自由貿易地域)に基づく合意または将来の合意となり得る対象国が含まれる。 |
第三章之十三条: 農業特別セーフガード措置
一、チリ国は、附属書3.Bに挙げられている少数の特定センシティブ農産品目につき、特別セーフガード措置を適用できるものとする。 |
二、チリ国は、特別セーフガード措置の適用にあたり、協定締結国間で当該物品に関する貿易を自由化してその拡大を推進するという約束を守り、この協定の下で行われた自らの約束に整合性を有する形で信義則を実現するよう努力しなければならない。 |
三、チリ国は、附属書1に規定されるチリの条件表に定められた猶予期間に連続した期間において、関税の撤廃に向けて進行する特定の期間に限り、当該物品に関する特別セーフガード措置を適用できる。チリ国は、この協定に基づいて当該物品が無税の措置を達成した後、特別セーフガード措置を適用できないから! |
四、第三章之四条の規定にかかわらず、チリ国は以下に定める追加的関税措置の方法に依り、附属書3.Bに規定される物品に対し、特別セーフガード措置を導入することができる。但し、斯様なる租税公課と第三章之四条に依って適用される輸出入に関する租税公課その他の賦課金の合計額が、以下のいずれか低い方を上回ってはならない。a. MFN実行税率b. 基準税率 |
五、チリ国は、対象物品の直近半年間の輸入量が、附属書3.Bに定められている物品について半年毎に設定される数量ベースの発動基準を上回った場合、特別セーフガード措置を適用できる。 |
六、前項に基づいて、チリ国が適用する特別セーフガード措置は、当該半年間の終了時点迄としてそれ以上は維持できない。 |
七、輸送中にある物品が、事後的にチリ国として懸念が生じる場合、かつ本条に基づき追加関税が適用される前に取引契約が成立したものについては、追加関税の適用が免除される。但し、当該の物品が次の半年間における第五項の発動基準適用の為、次の半年間における当該物品の輸入量として算入される事を条件とス。 |
八、チリ国は、同一の物産品に対して、特別セーフガード措置の適用と同時に、1994年のガット・ウルグアイラウンド第十九条(セーフ・ガード)およびセーフ・ガード協定に基づいた措置を適用または維持してはならない。 |
九、チリ国は、特別セーフガード措置を発動する場合にはすべて透明な方法で適用しなければならない。チリ国は、その他の協定締結国が容易にアクセスできる様な方法を用いて、最新かつ正確な輸入量の公表につとめなくてはならない。特別セーフガード措置の適用に当たっては、可能な限り十分に時間に余裕のある段階で、あるいは、少なくとも10営業日前までには相関するデータも含め、その他の協定締結国に対して書面で通知し、周知につとめなければならない。仮に、予め設定されている措置発動にかかる基準を超過、または超過する事が確実な状況下においてチリ国が特別セーフガード措置を適用しない事を決定した場合、チリ国はその他の協定締結国に対して直ちにその決定を通知しなければならない。 |
十、協定締結国の求めに応じて、チリ国は直ちに協議に応じ、情報の交換に協力し、適切な求めと認められる場合には、特別セーフガード措置の適用条件を是々非々で議論する事。 |
十一、物品の貿易に関する委員会が、本条規定の実施と運用の状況について検分し、検証を行うものとする。 |
十二、本条の目的において、特別セーフガード措置とは本条第四項に記載される特別セーフガードを指すものである。基準税率とは、附属書1に定められた輸出入に関する協定締結国の条件表で提示されている輸入物品の関税税率を指すものである。 |
第三章之十四条: 物品の貿易に関する委員会
一、当該協定締結国は物品の貿易に関する委員会を設立し、各々の協定締結国または委員会事務局の求めに応じ、本章および第四章(かかる原産地規則)に関連して生じた如何なる問題についても適宜検討する事ができる。 |
二、本委員会に付与される機能に以下を含む。a. 前項で明記した章に記載された権利義務の実施、達成の状況を検分し、検証する事次に、
b. 当該協定締結国間の物品の貿易に関するあらゆる障壁への対処を含む市場アクセス権を推進、不断の「改善」を促進する事により、この協定の下において自由で公正な関税撤廃を加速せしめんと欲し、個別具体的な措置を特定して勧告を行ふ。 |
"tぽk!tぽk! – 環太平洋戦略的経済連携協定(P4協定)第三章 – フィクション小説"へのコメント 0件