超短編小説「猫角家の人々」その48
さて、「朝鮮悪」組織は、コアな構成員やチンピラ・シャブ中構成員にジャーナリストKを包囲し、攻撃する役割を与える。Kの後援会組織に賛同者を偽装したチンピラ構成員を数十名送り込んだ。一方で、後援会組織には参画させないが、外部から、Kを誹謗中傷する役割を与えられた人物も複数いる。彼らは、Kと一面識もないのにKを理由なく批判する。だが、何度聞いてもKのどの部分をどう批判しているのかが不明だ。ただただ「Kは良くない」を繰り返しているだけなのだ。どこがどう良くないのか、さっぱりわからない。
本音は、ただただ彼らにとって「Kの存在が不都合」だということなのだ。Kは、ジャーナリストになる以前、自分が勤務していた民間企業で引き起こされた「連続保険金殺人事件」を追及してきた。具体的な5つのケースの保険金殺人事件を追いかけたのだ。傍系会社の作業所で、作業者が作業用エレベーターに挟まれて死んだ。同じ傍系会社の工場に勤務する独身者が誰かと飲酒後、突然死した。恐らく、VXガスなど使ったのであろう。VXガス?つまり、この会社には、上九一色村で摘発されて逃亡した「オヲム」が巣食っていたということだ。逃がしたのは、警視庁内部の裏社会組織であったが。会社と幹部は、Kを三人目の犠牲者にしようと企んだ。恐らくオヲムへの上納金を稼ぎ出すためだったであろう。だが、Kは彼らの企みを察知し難を逃れた。
次にKが務めた東京都心の商社では、3年間に3人がなくなった。Kを監視下に置いておきたいと考えた朝鮮悪裏社会は、商社Aの経営者KTに命じて、Kを雇用させたのだ。経営者は、Kが静かにしているのを見て慢心した。経営者KTは、創業者の娘と結婚した経緯から、大企業を中途退職して、この会社にやってきた。会社の社長は、名義上、義母が務めていた。この義母が邪魔だった。専務から社長に昇格したいKTは、裏社会の保険金殺人オファーを受け入れた。KT夫妻は結婚30年目の記念にヨーロッパ旅行に旅立った。その夜、義母は急病で死んだ。KT夫妻は、欧州に到着したところであった。完全なアリバイである。会社には、経営者保険の保険金が下り、億単位の金が入った。他にも、ダミー会社の社長に据えておいたので、経営者保険の総額は、企業の10年間の利益に匹敵する額となった。KTは、首尾よく、代表取締役に昇格した。KTは自分の老父も殺した。関連会社の社長として、90歳にならんとする老父は毎日出勤していた。老父を殺し、億単位の金を手にしたKTは、老父の会社の社長にもなりあがった。もう一人の犠牲者は、営業課長だった。会社の経理の不正を見つけて、KTを脅していた課長は、社内の不正グループの手で薬物で眠らされ、5日後、病院で死んだ。薬物を注射して、課長を殺したのは、不正グループの連中だった。2週間後、保険会社から入金の知らせを受け取ったKTと不正グループの面々は、社長室で喜びを爆発させた。年収の数倍の臨時収入が手に入ったのだ。
Kは、この一連の保険金疑惑を警視庁に告発した。警視庁の組織内組織は、Kを日曜日に呼び出した。警視庁内部のカルト組織は、裏社会の要請で、Kの口を封じようと企んだ
のだ。(続く)
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