軟膏使いすぎ山羊。

巣居けけ

小説

2,161文字

山羊山羊の雄と雌とそれ以外の山羊たちが必死に攻めてくるぞ……。

軟膏使いすぎ山羊が攻めてくるぞ……。彼は一日に約五リットルの軟膏を使うことで有名だ……。さらに、棘の上でのダンスと箪笥……。最後まで使いきった初めての山羊たち……。ステロイドの窮屈な呪いと蓋の開閉ギミックを提唱する教授山羊……。
「めぇ……」と誰かが鳴いてる……。さらにいくつかの毒の電波に乗せられた山羊たちが正常な体勢で自由に落下して公園を埋めている……。「めぇ……、めぇ……」それは最果ての山羊たち……。
「教授……、私のアトピーはもう治らないのでしょうか?」

主婦山羊が複数の主人の声を使い分けて話す……。

向かいの教授山羊が回転する椅子のミニチュアを机に並べてから引き出しを開ける……。中には大切に保管されている軟膏たちの標本が出てくる……。
「治りますっ! これを使えば良い……」
「これはっ……」

教授山羊が一つのチューブを取り出す。蓋が深緑色のものだ……。教授山羊が人差し指で主婦山羊の右腕のアトピーを指さす。
「これを、ここに塗る……」

遠くになりながら脳の中心を目指す最果ての声……。軟膏のようにどろどろの液体の声が抜けていって全ての患者の治癒を優先する教授山羊……。
「ありがとうございました」という呪文と共に主婦山羊は処方箋を持ってじんわりと消える……。教授山羊が最後まで見送ってから自分の診察室に戻る……。

教授は立ち上がると棚から一つだけの長方形の箱を取り出して机に置いた。そして箱の上部の蓋を開くと、その先に広がる新しい世界に飛び込んだ。「これが最後の『めぇ』だっ!」

長い管を下ると教授山羊は新しい軟膏山羊へと進化を遂げた。

最終的な肋骨の輝きと惑星の間に生まれた遺跡のような疼痛の風……。犯罪と犯罪ではない科学者と医学の頭脳と歴史のある建物……。忠誠を誓っている男の恋人になるための丁寧な儀式……。血液のパックで薄紫色を演出して雲の予測を振り切るバイク……。

粘液使いすぎ山羊が攻めてくるぞ……。さらに始まる第二章とまな板の上のパットと乳房たちの会合……。種類別に閑散された室内の拳と入り乱れるはずだった試験管の数々……。集合体と切り札とトランプカードの銃弾に比べられた一斗缶のドア……。最後まで失明していた隊員のはげ。
「僕はバケモノ?」
「それ以外の全ての生物たちの邂逅と、さらなる坂道のためのアダルト活動……」

入力されたボタンたちと不愉快な浮遊の粘膜……。最後まで生き残っていた風船の体内に潜んでいる船たちの喜びの歌……。「父親が攻めてくるぞ……」波のように過ぎ去ってから研究室のふくよかな態度に示す……。再現性のあるケーキとクリームと田舎の中心的人物による講義の数々。
「泥?」

サイバー的な試験管の垂れている唾液……。柑橘の香り……。硝子が崩壊してナイフが突き刺さる音。囚人たちの衣服……。突き立てられた入浴の昆虫……。大学で知り合った裁量の針。
「珈琲をこぼせ。あるいは、ドリンクバーの中からゴキブリを見つけ出せ」
「課長! それ以外だとどうしても発展しませんっ!」
「ならさっさと報告せんかっ!」
「いましてますが」

冷静な氷と夕暮れで溶けている変身能力の賜物……。駅員に成りすまして四足歩行の刑事を倒すバイクの修理職人。「おれに手錠はいらねぇ」

警棒使いすぎ山羊が攻めてくるぞ……。大抵のテレビ番組では内容物の紹介とパッケージのための人間の処理によって形成され、工場のような怪しい分度器の鋭い入り口で音が鳴っている……。映像のための弾頭が苗字の入力を拒んでいるため、新しいアスファルトの地中での変動に歯列を与えて赤色の脳髄に染めている……。「どうしてコンビニエンスストアでは松明が売っていないの?」
「私利私欲のため……」回答と乳房と深く通り過ぎている商店街の親父……。魚を捌いてから裁判のためのスーツを作る粘液の職員。

財団と漂う組織たち。最後に紹介された手紙の種類……。果てしない掲示物の雪崩のようなどんぶり。対抗心の露骨な生粋のクレヨン・チャレンジ……。一番最初に頂点に登りつめた男たち。最終的な掃除用具の鶏たちと卵の落下する速度。休日を満喫しているアイロンの職人……。素手を喪失して人形のような見た目になってしまった長髪の男……。女の向こう側の包丁と蟹の甲羅と針金。「就職するの? それとも、僕の脳に君の陰茎を当てる? そうすると会計はいつものように二倍になるけど、それから目次をメニューに見立てて射精をするけど、立体的な絵柄で生きていくには路上の長さが足りないよ?」
「でも掃除機だろ? おれたち?」
「それはコンピュータ室のための話でしょう? ドイツのような国家では逆立ちと数学的な主張と朝食の小柄で対抗することができないし、最低限のひっかき傷だけで忍ばせることができるはずなんだ」

唾液の噴き出る週末……。独自の路線で進化して驚愕する村長。プロフェッショナル的な長所と送還されるはずだった商店街の一番奥まった位置の白紙屋と接続された一人息子……。介入して午後の調子を望む頭痛の発展途上。「勃起したの?」という呪文と共に自分の巨乳を引き出している島の住民。木材で作られた陰茎に唾液を垂らして回し蹴りで破壊する女。
「ぼ、僕のアルティメット・チンポがっ!」
「下品なんだよっ!」

男の眼球にも釘を流して殺害する理解不能能力の勘違いたち……。

2023年6月17日公開

© 2023 巣居けけ

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