「おい、この拾い蝉、名前とかどうする」
「じゃあダニルにして」
「わかった」
太陽と炎天下の関係性……。宇宙服の個性検索技術によるラベリング理論と秋刀魚の捌き方講座開催……。おれたちはやはり一つの個体を集団であると誤認して進む。さらに点滴の数を一つだけ間違えている看護婦の後方に迫り、いつものカクテルを投げて昏倒させてから犯す……。
アフリカニシキヘビの鮮血で彩られているパレット……。「蛇ってどうやって動いてるんだ?」
「真ん中は通らないよ」
「なんで?」
「神様が通る道だから」
「それ神社のやつ」
百足の雑煮が迫ってきているぞ……。蛙の焼肉が迫ってきているぞ……。「ニシキヘビのモニュメント? ああ、もちろんっ!」
そして急速に縮こまってから無数の脚を吐き出してカサカサと蠢きながら砂の中に潜っていくカメレオン……。おれは軍隊蟻の観察を始める。
「今日もいいツラだな。蟻吉。……蟻田! お前はいつでも大食いだな。それに毎秒放屁をしてる。おおっ! 蟻ノ輔! ついに蟻子と婚姻届けを提出したのか! やったな、ははっ!」
「ねえ、それってもしかして一匹一匹に名前つけてるの?」
「もちろん」
そして助手研究員はおれの蟻の巣の上で地団駄を踏む……。
「ああああああっ! みんな踏まれて死んでしまった!」
「現実を見ろバカモン!」
助手研究員の吐息で湿ったビンタがおれの頬を直撃し、肌と肌が弾ける音と共に疼痛が走る。
"虫メンバー。"へのコメント 0件