ラブラドール・レトリーバーの勇猛果敢な男たち……。軽音楽部がいつもの教室で会議をしているぞ……。
「よし、今年は全国いくぞ」
「軽音で全国ってあんま聞かないですけどね」おい、アナル・ビクトリーを開始しろ……。
有給のための教壇と精液のパテ……。おれは自分の陰茎がこびり付いているコートの中で放屁をし、女が嫌がる顔で一発抜く……。
「全く、ココアってのは味が濃くてしょうがないな……」
「でも珈琲だと苦くてしょうがないって言う」
「まあな」
何が、『まあな』なのか……。それともおれたちはトランプ・カードで殺人をするべきなのか。そして神髄のコートは日記と共に火焔が当てられ、ついに底が見えてくるデパートに空き缶を投げていた。
すると台所の山羊の舌の先端がゴキブリを食らい、咀嚼の音が二階にも響いた……。「おれたちはそれを神話とし、伝わらない出入り口の色を答える」
数学の生徒たちが理科室で国語辞典を読んでいるぞ。おれは数式のチョークを二本ほど口に咥えてから教壇に上がり、全裸でマスターベーションを始める。数分後に生徒の一人がタルタルソースをおれの右もも肉に振りかけている……。「人間で作ったテリーヌだって?」
そしておれは最近作ったばかりのアヒージョを台所にシュートする。するとラムレーズンが落下して、二階の厨房で煙草を吸っていた男たちがスナック菓子の油で転倒してしまう。おれはそんな彼らの尻を蹴り上げる仕事で二千円を稼ぎ、その売り上げで海外のどこか別の場所へと飛び立った。「妄想が、捗るな……」
波に流されるような勢いで女児たちがクラッカーを鳴らしている。
おれはすぐに夕暮れの色を思い出した。
そして焼身自殺をする女たちがオリーブ・オイルで車を動かそうとしている。「旨い珈琲ゼリーで電車を動かせ……」
科学室の前でゴキブリ・マニアたちが群がっている……。おれは彼らの尻を見つめながら一番外側の群れの一人に話しかける。
「どうしたんですか?」
「ゴキブリだっ! ゴキブリだっ! ゴキブリだっ!」
白衣のマニアは床を指さしながら音頭を付けて叫んでいる。おれは彼の指差す向こう側に目をやる。
そこには藍色に輝くゴキブリがその場で静止したまま蠢ていた。無数の脚(通常のゴキブリよりは圧倒的に多い)をガタガタと蠢かして、二本の触手をわなわなと動かして回転していた。
「ゴキブリだっ! ゴキブリだっ! ゴキブリだっ!」
他の誰かが叫んでいた。おれは彼らの合わさる音たちを右耳でふさぎながら床のゴキブリを踏みつぶした。
すると潰れたゴキブリから小さなゴキブリたちが飛び出して四散した。飛び散る鮮血のような温かいぬめりが足裏に迸り、べっとりと付着した小さなゴキブリたちも、やはり無数の脚をガタガタと蠢かして抵抗していた。
『おれ』、は七分丈の男たち……。さらに賞味期限を過ぎた注射器……。新鮮ではないネタ帳と海外赴任に否定的な株主総会……。
連帯責任と倒置法による被害者……。おれたちだらけのゴキブリ観察集団。さらに吹き矢で飛んで行ってしまう空き缶の男。「カプレーゼのトマトだけを食べてしまおう作戦だ……」
最低限の洞窟のツルハシの軍団……。おれは南の店に似顔絵を届ける仕事を始める。ついでにダイアモンド・ダイヤの値打ちを考えてから、線路の上の彼女を救出する。
「ありがとうございます」
「ではさようなら」
おれは抱きかかえた彼女を空席の駅に置き去りにして去って行く。電信柱に二度ほどぶつかって証明問題を取りこぼす。「はい……。答えは②です……。い、いいえ……。私は貴女に忠誠を……。はい……」
記者軍団が迫ってきている……。おれは病棟の天井に貼り付いているゴキブリの残りカスのような黒ずみに指を挿入して温かいぬめりを感じる。そして食卓の中に昆虫があることを実験で証明してから隣のバンジージャンプに付き添ってプリントを渡す。
「これ、昨日手渡し作業があったから……」
「ありがとう……」
おれはすぐに彼女を無人の駅に放り込みたい衝動に駆られて、次々と出てくるポンプの音に耳を残す……。
おれは突如として故郷の村を飛び出す。そして四日で坂道の中を看破し、気管支炎の女の子と共に帰還する。
「おまえ……。それはただの旅行だぞ……。嫁まで見つけてさ……」
すると母親はおれに期待の目を向けて興奮気味に話す。「アンタ……。その子どうするの?」
「食べる」
太陽という破壊衝動がおれの身体を血管のように巡らせてから赤飯に成り果てている……。おれの太陽がおれに電波を飛ばして怒りを演出している。おれは彼の言う通りにするために百貨店で万華鏡を購入し、軍法会議にかけられる初年兵のことを想いながらおまけの飴玉を口に放り込む。音が鳴り、次いで酒が出てくる……。独特の毒の粘着性が飛んでくる。そしてステーキの中心点を暴きながら商店街を歩いて月まで向かう。おれはボーカリストの彼女に太陽を与えるために徒競走を演出し、数学的出力の中で炬燵を燃やす……。心電図が追いかけてくる……。山羊がその後を追ってくる。おれはスナック菓子の音を怖がっている男の右肩を叩いて彼の火炎を呼び覚ます……。
自由落下の再開……。吸引力の打ち切りと原稿用紙による城の建設……。聡明な実験器具と放射線物質の取り扱いや洞窟の神秘……。
おれたちだけのすし詰めの駅伝……。心地良い熱帯とサイケデリックによるインタビュー記事……。階段を下るためだけの恐竜解体作業。「臭そう! 臭そう! 臭そう! 臭そう!」段階的な満腹中枢と核爆弾の予測変換たち。
「ゴキブリだっ! じゃないのか?」
「いいえ。ロックンロール・エブリデイ……」探検家の男。左右から流れてくる溶解炉と堕落した警察官の『F』キー……。おれたちの針葉樹。「改革を頼む……。一斗缶だけで、だ……」
「あんたは昔からそこに佇んでいる商人と知り合いなんだってね」
「それがなんですか?」
「そうなんだよ。もし君が大胆な硬質化の手伝いをする勇気を持っているなら、女の子の軽量化に成功した論文を二つの紙幣で買い取ってくれないか? もしも言うことを聞いてくれるのなら、君に乗り物譲渡を進呈しようと思うんだ」
「……もし私が悪の組織のリーダーだったら、今すぐアンタの右足に百足を輸送して殺しているところだよ」それから目の前のマント・マンはハッハッハッハ、と笑ってから、右手だけを使ってハンバーグを注文する。するとオーケストラが鳴り響き、昼夜逆転の男たちの脳天に蟻の巣が出来上がる。「一体君は誰と会話をしているんだ?」
断片的なオーケストラ……。「トマト・ソース」
「ホットで」
すると薬の挿入口に理科室の鍵が出される。おれたちの誰かが右手を伸ばして受け取ろうとする。しかし誤ってハンバーグを注文してしまう。「おいやめておけ! そこから先は地獄のような泥だぞ!」
「トマト・ソース……」断絶的なオーケストラ。
有機物を残さず食べつくすアリクイ……。風上を読んだ上で『ミステリ』に浅はかな笑い声を漏らす……。「端的だ!」
やがて二度目のオークションが開催される……。迷い込んだ子供の男性的な内心が幻覚に反映されている……。「それから購入の手引きを盗んでおれに示してくれ……」
拾い煙草をかき集めて最新式の映画の放映方法を盗む。そして車椅子の上で最終決戦を始める。おれは水平二連式のショット・ガンで数式を解く……。
波と寒さの中で小説を書く。そして埋まっていく原稿用紙にケチャップを見出し、似顔絵のマークを下着に変換して温まる。「もう万年筆も何もかも握れないよ……」おれはガソリンの中で溺れてしまう女を見下ろしながらマッチに火を灯して投げ込む。気体が爆発して崩壊するタンクに灼熱が宿る。おれの四肢が自由に砕けてどこかへと飛んで行く。
肉の解体が始まる。無駄のない投てきが刃物を呼び込み、辺り一面に飛び散る血飛沫が百足の形を成す……。「開始の音がオーケストラになっているぞ……。おい、それよりも母親の中で果てた経験のあるヤツは? 居ないのか? それともおれの授業を聞いていないだけなのか? 教団はいつでも誰でも受け入れるが、流石にパンツ一丁で街中を駆け巡るヤツには知らん顔をするさ……。鉄パイプを振り回すな。そしてマンホールの蓋でおままごとを始めるな。試験管はお前らの住処じゃないし、洞窟で百足を飼うことは禁止されているはずだ。おれはスマート・フオンでデリバリーを頼んでからこちらに突進してくる調達員にサブマシンガンを向ける。へへ、おれは動くなと言われると動きたくなる性分なんだ……。だからこそ少年よ、おれに『重火器』を向けるな。それは軍人的宗教特有の終了報告書だ。さらにおれの顎に試験管を投げるな。おれの頭は硝子で出来ているが、骨だけはスコップで掘り起こしても立体的にはならない……」
そのお経を聞いた少年少女たちはだらんと垂らした口から唾液を流し、その粘着性の高い透明で臭い液体は顎を伝って床に落ちた。少年少女たちは脱力した手足を蛸のようにしなやかに動かしながらトイレへと侵入し、便器に顔面を突っ込んで二時間続けて嘔吐した。
「インタビュー記事です。二時間ぶっ続けで吐いたわけですが、気持ちの方は?」
「記事が直接インタビューをする時代なんですね。それはそうと、僕はうんちそのものに顔面を突っ込んだ気持ちになりましたね。どうやら僕が使った便器は、僕が使うまえにオジサンによって脱糞された後だったようで、オジサンのくっさいうんちの香りを楽しみながら吐瀉を放出することができましたよ!」
「なるほど! その臭さのおかげでお腹の赤ちゃんが誕生したんですね?」
「ええっ! ちょっとインタビュー記事さん! それはえっちじゃないですか?」
「あら? 貴方って意外とピュアなのね? ならお姉さんがイロイロ、教えてあげるわ」
そして二人は夜の街の中に消えていった。二人は互いの放尿のシーンを覗くプレイで五時間をやり過ごし、それによって腹の子は五つに分裂した。
「でもこれで野球ができるわね」
「気持ちの切り替えがはやいのね? ところで髪切った?」早口。早漏。炎天下。ビタミン剤とトマトの煮物たち。
「それがこの業界で生き残っていくコツですよ。ははっ」ダニルは上を向きながら風船の軌道上にいくつの蟻の死骸が入り込めるのかを数学的に考えた……。「みんな目が左右に別れてるんだっ!」僕らは宇宙のような空間の中でせんべいを食べるべきじゃないのか? それとも有機物と無機物の間で浮かれている女たちの集合体に新鮮な論文を提出するべきなのか? 青空と点滴と俊二な新聞紙の葉巻に火を着けてビルに投げよう。最後には父親の乳首から飛び立つ。「武田くんへ。去年はいつもどおりの夕暮れに呼んでくれてありがとうございました。ぼくらは終点の中でもとびきり臭い連中の集まりでしたが、武田くんのジャンプ力のおかげでどうにかなりそうです。脳天。そしてぼくらの頭は一つに連結し、檻から出られない猿のような昔馴染みに舌を伸ばして宙がえりをするんです。ジャングルの中でも武田くんのジャケットは目立っていましたね。まさに武田くんは花畑の中の横綱、あるいは工場長です。本当にありがとうございました。ぼくらは武田くんの新たな夢とやらを永遠に応援しています。夢が達成されても応援するつもりなので、よろしくお願いいたします」
衰弱した眠気と泥のような布団……。飢餓の購入と夜食のドルチェ……。「レントゲンをやるための体育館だろ?」
天候に関心を寄せている老婆……。鼻だらけのニキビたちと蟻の巣のような人生……。説明会に向かう女子高生。プールサイドの工房とドリルで開けられた穴ども……。
「巨額のリソースを炒めるんだろ? おれたちは集合体だけれど、一人一人がしっかりとした入札に立ち向かっているんだぜ?」
「なら、応接室に向かうか?」
「弁当より高尚じゃないか!」と、飛び上がる金鉱石たちと頭だけが四角いロボットの息子。四肢が飛んで消えてしまう女子高生。「合格」
「夜は危険よ? お嬢さん?」
「大丈夫。私は釘だから……」
そして外に出向き、街道の真ん中でプラカードを掲げている団体に突撃する。「君たちはどうして信念を持っているんだい?」
「あんたは信念を持っていないの?」
女子高生は無言で頷いて風圧を与える。
「なら教えてあげる。我々は同志たちの膝の上で暮らしているの。そして水道は無料。錠剤はひと月で五千以上使用。砂漠の粒で膣を乾燥させてから使うの」
女子高生は頷いてから自分の顎に百足が貼り付いている妄想を続ける。「こちらから出向くことはもうないよ」
「それでも電車でしょ?」
女子高生は無言で頷いてから、唇の蠢きだけで『ガタンゴトン・ガタンゴトン』を演出する。「練習しなさい!」
「練習開始! 練習開始! 練習開始!」そして右手でピースを演出してから女子高生の軍団に迫る。「なんてね」
「なんてね、なんてねぇ……」さらに三転倒立で時間を稼ぐ。「こんな所に居てはだめ!」
「ゴキブリだっ! じゃないのか?」
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