バカじゃないの?

応募作品

椎名 ふう

小説

2,516文字

 風俗の世界で働く女の心理とかそうゆう何気ない日々にあるお話。笑ってくれればうれしいです。

一度身体を許したのは誤算であったといまさら後悔をしている。

どうしてあのとき、いやですと丁重にお断りをしなっかったのだろうと今でも不思議だ。

きっとおじさんがどんなセックスをするのかどんな隠技をもっているのかとゆうくだらない興味のほうが勝ったのだろう。

なにせあたしは表面上はDTPオベレーター —文字を動かす仕事—

だけれど裏の顔はヘルス嬢だし不倫もしているし彼氏とアナ●セックスばっかりしているし性感ホストを呼んで足の先から指の先まで舐めさすし、乳首に練乳を垂らし飼い猫に舐めてもらいデンマでオナニーをしているとんでもない変態な性欲の塊みたいな女なのだ。
会社の営業のおじさんとのそれは無残だったし地獄絵図だった。

なにこれ? 拷問? お金頂戴よとそんなことが脳裏をよぎった。

63歳の裸体は見事に崩れているし髪の毛がさびしいから皮脂に浮かぶ油が顕著にみえ吐き気がした。
「ほんとうにゆうこさんのこと好きになってしまって」
3度目にホテルで行為を済ませた —未遂—  あと告白めいたことをいわれ絶望的な気持ちになった。

いやいやあたし彼氏いるし結婚も視野にいれてのお付き合いですだとか、好きっていったいどうゆうことですか、ただやりたいだけじゃないんですかと語尾を大袈裟にあげてたたみかけたけれどおじさんはただタバコの本数が増えるばかりでなにもいいかえしてはこなかった。
「バッカじゃないの!」
喉の底まででていたけれど飲み込んだ。

いい歳して。独身で。なんなら風俗を呼べばいいともいってやった。なにせあたしはヘルス嬢だし。

しかしおじさんのこたえはおどろくものだった。え? 嘘でしょ? あたしは天を仰いだ。
「好きな女以外抱けないしお金を払うなんてしたら萎えるよ」

萎える。そうだった。おじさんとセックスをしても今まで射精をしたことがないのだ。

射精だけがセックスではないという胡散臭いホストのようなセリフにさらに鳥肌がたつ。老い。おじさんはあきらかに自分の老いを受け入れていない様子だった。独身だという自由さがそのような思考にさせるのかもしれない。事実結婚に対してメリットを感じない。ヘルスに来るお客さんの大半は既婚者で嫁さんとはしたくないあるいは家族だから出来ないよという意味不明なことを言い訳にしエロいことをしに来る。

おじさんくらいの年齢の人だって来るけれどおじさんという生き物は一貫して(頑固)であり(下手)であり(勃ち(質)も悪い)いいとこなし。だからお金でなんとかやり過ごすことが出来ているのかもしれない。終わった瞬間、よし、●●円ゲットした。と自分で自分を納得させないとやってられないのだ。
それでおじさんのこともあってあたしはもうたまらなく嫌になり話したいことがあるとおじさんを呼び出し話しをすることに決めた。
「あたし、風俗でバイトしているんです」
ホテルに誘われたのを断った翌日の夕方だった。

喫茶店はこの時間は閑散といていて申し訳ない程度にかかっている有線と空調の音と従業員のひそひそ話だけが耳にとどく。
「ふうぞく?」
はい。あたしはさっき頼んだアイスティーをストローで啜る。コップのまわりがあたしの心を見透かすよう汗だくになっている。
ふうぞく……。おじさんはいったいなにがいいたいのだろうな。この女はとてもいうような目であたしをみつめる。
「だから、ヘルス嬢です。咥えてお金を貰う仕事ですよ……」
シーンとなった。あ、今幽霊が通ったねそんなこと昔小学生の頃いった子がいたなぁと思い出す。
「で?」
おじさんは結構おちつきはらった様子で、で? と切り出してきた。

で? で? そうか。で、あたしはどうしてこんな話をしたのだろう。

「で、お金を払ってくれたら今までみたいにお付き合いします」
あきらかにおじさんが顔をしかめるのがわかった。タバコをひっきりなしに吸い出す。
「……、お、おかね? ヘルス? なんだかよくわかならいな」
あはは。おじさんはどんよりとした顔をして頼りなく笑う。
「わからないのはあたしもです。お金で割り切って今まできました。あたしの頭脳は壊れていますし身体なんか台風のあとの川のようにとてつもなく汚いですし身体で稼ぐなんで当たり前で生きてきましたから」
やつきばやに一気にいったので口内がサハラ砂漠だった。
「そうか」
おじさんはそれだけつぶやきアイスコーヒーを啜った。おじさんのコップはアルミ製で汗はかいてない余裕な感じがする。
見下されているようで涙が出そうだった。こんな風にしか生きられない自分を呪った。
ヘルス嬢や不倫それにあきたらず彼氏との変態な行為。
裏の顔がありすぎて最早しゅうしゅうがつかない。たまに1日に3人とセックスをするときある。罪悪感など微塵もない。
ただひたすら目の前に差し出されたものを咥えこんで中にいれたりだしたりする。それだけの話だ。
「じゃあ、」
窓の外をぼんやり眺めていた。無心だった。あるいは意識がとんでいた。

じゃあ、の声が一気に現実に引き戻す。あたしはじゃあの次の言葉を待った。
「じゃあ、お金を払えばいいんだろ?」
はい? いやいやもういい加減にしてくれ。そのために話したんだけどなという思いもあったけれど
「そう」
お金が欲しいのか強欲なのかどうでもよくてそうだねとこたえていいのそれでといいながら微笑んだ。
「うん、いいよ」
バッカじゃないの?! なんなら地獄にいけ。ああ、地獄にいくのはあたしか。
じゃあさ、明日予約いいかな。仕事終わってからね。軽く飯くってから。あっ、飯はホテルで食べるうんそうしようか。

「そうしよっか」
頭の中で明日のスケジュールを立ててみる。おじさんとホテルに行き泊まりして先におじさんを返してからホストを呼んでもいいかもしれない。なんなら贅沢して2人呼んじゃおうか。
重大な告白をしても食い下がることのないおじさんを憐憫に思いしかしそれに対して同意をした自分を卑下しけれどホスト達の丹念な愛撫を妄想しながら下半身を淫らに濡らす自分が情けなくてけれど正直で女でそれでいて最後は死にたくなる。
「いっぱい舐めてね」
おじさんは脂ぎった頭皮を手で撫でつけズズズーと音を盛大にあげて最後のアイスコーヒーを飲み干した。滑稽だ。滑稽すぎて笑うしかなかった。

2019年9月8日公開

© 2019 椎名 ふう

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