ジャンル: 小説 3,031件

  1. ざわざわ 小説

    • 愚人
    • 13年前
    • 3,640文字

    ある湿っぽい夏休みの朝、三年C組の女生徒がコタツのコードを首に巻き付け自宅の二階から飛び降りた。二階の窓からぶら下がった女生徒は糞尿が垂れ流しだったと、勝手口に座り込んだ酒屋の親父が僕の母さんに…

  2. 「輝き」 小説

    • 沢 吹
    • 13年前
    • 264文字

    僕は夢を見た。命令をされる夢。   「おい、おまえ!」 乱暴な料理長。 「はいっ、何でしょう!」 素直な僕。 「この魚の鱗の数を数えたまえ。剥がしながら数えたまえ。」 立派な髭をなでな…

  3. あらし 小説

    • eichi kawakami
    • 13年前
    • 4,008文字

    一   京子はよく泣く。夜のあらしが怖いといっては泣き、遠くでサイレンの音が聴こえたといっては泣く。ようやく泣き止んだかと思うと、今度は、僕がみんなから嫌われてしまうといって泣く。明か…

  4. SS集 小説

    • 山本ハイジ
    • 13年前
    • 12,347文字

      愛の正確性。   仕事から疲れて帰ってくるといつも通り、妻のユミコが豊満な胸を左右に揺らしながら小走りで迎えてくれた。ユミコは縁がフリルで装飾された、白いエプロンを裸の上…

  5. 臭いんです。 小説

    • 愚人
    • 13年前
    • 15,836文字

    ここ数日間、何かとても臭い。 私自身が臭いのかと色々調べては見たが、足の裏、耳の裏、奥歯、ワキ、そして衣類に至るまで特に何も臭くない。 では私の部屋が臭いのだろうかと、ゴミ箱から畳、壁、天井、エ…

  6. プンクトゥム!(3) プンクトゥム! / 小説

    • 中村子子子
    • 13年前
    • 939文字

      くらやみの中に、声音の振動として床板に染みいってつたわる祖母の言葉には、めいかくな形があってそれはわたしの視覚に姿をあらわす。   「上海」 「A」 「B」 「C」 「D…

  7. 受精のような 小説

    • 沢 吹
    • 13年前
    • 96文字

    朝、布団の中。パチリと目を覚ますと私の体を金魚が周遊していた。目的地なんて決めてないでしょと、決めつけてみる。そうか、私は恰も卵のように。ヒラヒラと尾を振って優雅に泳ぐ金魚は精子なのでしょう。

  8. 青い花 小説

    • eichi kawakami
    • 13年前
    • 2,071文字

    「地下鉄で、ザジを見たの」 町子がそう言ったのは、十月も終わりかけた、やけに陽射しの強い日の午後のことだった。 「ザジって、フランスの?」 「うん」と町子がうなずくと、子供じみて短く切り揃えた前…

  9. プンクトゥム!(2) プンクトゥム! / 小説

    • 中村子子子
    • 13年前
    • 1,335文字

        祖母は、体から煙と言葉を吐きだし、若がえりつつある。 火葬場から煙は途絶えていた。祖母は、さきほど引き出されたばかりの台車を見ている。熱をふくんだ台には祖父の骨がなら…

  10. プンクトゥム!(1) プンクトゥム! / 小説

    • 中村子子子
    • 13年前
    • 1,225文字

          音無しくしていろ、と祈る。 魚の内蔵にさぐりを入れ、浮袋にあたりをつけてからそこに木切れを突き刺す。空気が漏れだす音を確認すると、わたしはその特別な処置…

  11. 雨の教室/落伍者の死 小説

    • 延島迦十
    • 13年前
    • 6,143文字

    蛍光灯が、蠅の羽音のように鳴った。 天井を振り仰ぎ、老いた教師は眉をひそめる。雨の湿度をはらんだ薄闇で、まるで心臓の脈動のように、明滅する白光。その光の下で震える、皺の弛んだ喉は、どこか病んだ鶏…

  12. 賽は投げられる 小説

    • I-ZUNA
    • 13年前
    • 2,010文字

    賭け事、といってもカジノだとか賭博場(とばくじょう)でやるようなものではない。友人同士で、ちょっとした遊びでやるあれだ。 彼女はそういうのが特に好きな性分だった。 何かがあれば「じゃあ、賭けよう…

  13. 焼き魚 小説

    • 久川茲郎
    • 14年前
    • 1,130文字

    焼き魚が食べたい。そう思った。

  14. 最後の経験者(7) 最後の経験者 / 小説

    • 竹之内温
    • 14年前
    • 8,241文字

    ばあさんによって、団地の秘密が明かされる。物語もいよいよ終盤に。

  15. 不安 小説

    • 悦也
    • 14年前
    • 3,771文字

    何処に向かっているのか、何故前に進むのかもわからないままただ橋の上を歩き続ける人々の群れ。それはいつしか一つの大きな流れとなり、徐々に速度を上げ、抗う個人の意思さえも呑み込んで行く……

  16. ブック・オフ 小説

    • 坂露シロタ
    • 14年前
    • 4,474文字

    学校を早退した僕はブックオフをうろつく。

  17. 赤い月 小説

    • 財津達也
    • 14年前
    • 754文字

    倦み疲れた「オレ」は「僕」が「私」に見送られる様を、やはり静かに見送るよりほかなかった。

  18. 恋路海岸 小説

    • 久川茲郎
    • 14年前
    • 11,039文字

    恋路は、のと鉄道能登線に実際にあった駅です。2005年平成15年に能登線がなくなり、駅もなくなりました。