煙草

山谷感人

エセー

1,220文字

 最近、フラフラが凄い為、断煙をす。

 そもそも、文芸と煙草は切っても切れない関係である。
 芥川の悪魔と煙草みたいな短篇を幼少期に読んだ時「へえ、煙草って必須アイテムなんだ」と憧憬したし(芥川はアルコホルを呑まないが重度のニコチン依存症だったらしい)全く好きでは無いが必須だろうとして三島由紀夫を読んだ。金閣寺のラスト、主人公が煙草を一服して終わる。
 私は現在、酔いながら適当にスマホで駄文を羅列しているだけであるが、創作する方の、諸々と伏線やら展開なぞを考えながら紫煙を燻らすは至福の時であろう。だが私は最早、煙草を呑んだら倒れちゃう! になった。哀しいハナシである。
 電子煙草。
 私の元ワイフも芥川的にアルコホルは一切、呑まないが煙草は鼻からも吸うの? レヴェルのスモーカーであった。だが然し、猫を飼うとしてから電子煙草に替えた。私も必然、彼女から借りパクして狼煙を揚げていた故、電子に。
 電子でも猫は臭いで嫌がる、と云う人もいるだろうが、それは違う。我が家の猫は最早、電子の煙を吐く方面に猛ダッシュして遊んでいた。確かにモノホンの煙草なら「じゃれて火に猫パンチ」とかあり危ないが全て猫は信頼関係なのだと思う。偶にネットニュースで「家の猫が今、こんなに可愛い姿をしてます!」とか観るが身贔屓なしで「ウチの猫が四六時中していたヤツじゃねえか」としか思わない。そもそも文章以外で猫を自身の宣伝に使うなよ、しかない。
 猫、愛が過ぎハナシがそれた。
 煙草は素敵だ。だが最早、年老いた私にはヘヴィである。
 愛する猫との暮らしから追い出されました〜後、私は電子煙草を吸っていたが、ちょっと仲良くしたルンペンに本体を盗まれ紙に仕方なく戻していた。
 本年度の夏。結句、来年も再来年も記録的! になるだろうが応えた。四回、転けて倒れ、流石に即他界しても後悔はなし! をアピールする私も「転けて消えるは逆にロックじゃない」と感じ、ルンペンなのに外出はタクシーを駆使するなる荒業にでた。
 私の部屋は車道から五分くらい離れた箇所に現在あり、その道程もフラフラな為に「アルコホルは止めたら手が震えるだろうし無理だから煙草か」にした。スーパーに行きアルコホルを購入中、ふと口から出たのは「六十番」である。煙草の番号だ。然し店員さん曰く「六十番、売り切れです」になり「さようですか」で終了すれば良かったのに私は「じゃあ何でも良いから煙草」と台詞を発した。ハイライトが入っていた。
 私は基本、タール五ミリのモクしか吸わなかったので、ハイライトを吸ったらフラフラどころじゃなく倒れた。これまた「煙草を吸って他界」はダルいのでご遠慮させて頂きたい。その時から煙草は吸って無いが矢張り渇望欲は凄まじい。手は震えないが。
 断煙。
 最近、或るタレントが「断煙する。私が吸っているトコロを見たら百万円あげる」と発言したらしい。全く私もミートゥなのであるが無論、私に、その財力は無いし、そもそも、この駄文も「煙草を吸いたいな」からの逃避の為に羅列している。

 

2024年9月25日公開

© 2024 山谷感人

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