トウキョウ・シャンディ・ランデヴはすごい

曾根崎十三

エセー

1,600文字

マジでトウキョウ・シャンディ・ランデヴはすごいよな、ということを語りました。

私は花譜の新参ファンだ。2022年10月の「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」で「こいつぁ、とんでもない奴だ!」となった口だ。中毒者なので未だに定期的に聞かないと気が済まない。そして何回聞いても「これはとんでもない歌だ」と胸を高鳴らせてくれる。「うる星やつら」のEDで初めて聞いた時から、何回聞いても私の中の「天才だ!」「これはすごい!」が止まらない。もう発表されて一年半経つというのに未だに何回聞いても、新鮮さも斬新さも共に色あせない。

私は特別音楽に詳しいわけではなく、音楽については幼少期から筋金入りの下手の横好きである。なので、これはただただ一般人の素人が「すげー」と言っているだけの話なのだが、「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」を聞いて花譜は天才だと思った。もちろん作者のツミキさんもキャッチーな歌を作っておられ、今も「ビビデバ」などで腕を奮っておられるセンスと才能があふれて止まらない方だ。ナウでヤングな(死語)曲調でありながらも、ラムちゃんらしい恋する乙女の歌詞になっているのも良い。歌手の魅力を最大限引き出しているのも曲の力でもある。

でも、聞いた瞬間「なんだこの歌手! 誰が歌ってるんだ!」と歌声の虜になった。そもそももう「電波テンポアップして絶賛感電中! ワッ!」の入りで心を鷲掴みにされるわけです。もう前奏と出だしで十分ひきつけられてるところに「ワッ!」というか「アッ!」というかその間みたいなやつのパンチをくらい、「なんだこれは!」となるわけです。ヤバい。ただでさえヤバいところにヤバいのがぶちこまれてきてもうマジでヤバい。リズムがキャッチーだしもう、なんだろう、この歌い方は。楽器なのかな。楽器が人になったということなのでは?と思った。で、その後、ちょっと切ないレトロな歌い方で安心感を与えられつつ、また徐々にスタッカート気味の歯切れ良いリズムでぴょんぴょん音が跳ねていく。抑えきれぬ高揚感。もうサビに向かっていく流れも来るべくして来るサビもすべてが予定調和。一音一音にクセになる味がある。サビで「ワー!!」って絶対ペンライト振ってしまう。心のペンライトを。

TV版だと「Yes!」でトドメをさされて終わるわけだが、フルサイズだと二番のラップでまた横っ面を殴られる。「ああもう懲り懲りよ」までのダウナーな空気を引き受けつつ跳ねたり跳んだり。意味わからん。あと、あれでしょ。ラップの途中に「うんうん」って相槌入ってるでしょ。よく聞いてみて。どういうことやねん。どういうこっちゃ。まぁこれはツミキさんの編曲センスかもしれないんですけど、一音一音に色がついてるんですよ。人間業と思えない。なんだこの子は。一体何者なんだ。そうです。花譜です。そして二番のサビ前の「あなた一口両舌食い違ってもう」の「もうーーーーーーあ゛」の「あ゛」が最高のもう「なんだこれは!!」なのだ。よく聞いてほしい。絶対「あ゛」って言ってるので。ラムちゃんらしき乙女が「あなた」にやきもきして「あ゛ー」ってなってるやつですこれは。それをサビの直前でぶちこんでくる。そして「なんだこれは!」なのに「そういう歌ですが何か?」という顔をしている。新しすぎて受け入れがたいのに、そういうものだと受け入れさせる強さがある。ない価値なら作れば良いのだ。新しい価値を創造している。破壊と創造の歌。いや、破壊などと言ったら失礼だ。破壊はしていない。温故知新。古きを温め、新しきを知る。それが「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」なのだ。

「これ歌ってください」ってデモ音源渡されてこの歌い方をする人がどこにいるんですか? ここにいるんです。天才か。天才なのか。とんでもない逸材に出会ってしまった。

何回聞いても、一年半聞いても、そう思う。

https://www.youtube.com/watch?v=NFMmSOWPj_k&t=7s

2024年5月14日公開

© 2024 曾根崎十三

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