高橋文樹の投稿一覧 213件

  1. かたす仕事

    • 高橋文樹
    • 8年前
    • 402文字

    ぼくは煙草をやめたことになっている おそらく妻にはばれているのだろうけれど 妻の前では吸わない ときおりパイプだけを吸うことになっている 玄関の脇には灰皿が置いてあって そこにはもう吸い殻が追加…

  2. 壊れてしまった人と桜

    • 高橋文樹
    • 8年前
    • 781文字

    冬が終わり 温かい風が吹くような夜 ぼくは同級生の女の子に尋ねた 「こういう春の夜ってわくわくするよねえ」 「そう? 私はそわそわして嫌だけど」 彼女はきまり悪そうに答えた   春にな…

  3. 若い人工知能へ宛てた手紙 メタメタな時代の曖昧な私の文学 / エセー

    • 高橋文樹
    • 8年前
    • 5,449文字

    つい先日、DeepMind社のAlpha碁というプログラムが碁界最強と目されるイ・セドル九段に三連勝し、話題をさらった。もっとも複雑だと目されてた競技において人工知能が圧倒的といっていいだろう勝…

  4. ラッシュ・ブラッド 小説

    • 高橋文樹
    • 8年前
    • 3,046文字

    西暦2116年、あらゆる就職希望者はその来歴に関しての詳細なレポートを提出しなければならない。「100年後の未来の人がいまの私を語る」をテーマにした第三回SS合評応募原稿。

  5. 眠たくなるほど長い詩

    • 高橋文樹
    • 8年前
    • 585文字

    フランスは辞書の国だ そこには芸術の定義が載っている 少なくとも文学は芸術ではない 音楽も 映画も 絵も 建築も 踊りも 彫刻も みんな芸術なのに 文学は芸術ではない 詩だけがただひとつの例外だ…

  6. てぶくろのきらいなひと いい曲だけど名前は知らない /

    • 高橋文樹
    • 8年前
    • 448文字

    世の中には手袋を嫌う人がいて、ぼくはとても不思議だ。

  7. 若者のすべて 小説

    • 高橋文樹
    • 8年前
    • 11,311文字

    画期的な医療ビジネスの立役者能見武彦は、120歳になったある日、50年来音信不通だった息子に会いに行く。気鋭の経済学者ハジメ・ウィットモアによる、成熟が遠いのた社会についてのフィールドワーク。

  8. 入子の十五年 小説

    • 高橋文樹
    • 8年前
    • 6,428文字

    いつも変なことばかり言っている姉の光とインコに関する十五年の物語。言葉なんて、そんなものさ。破滅派十号に掲載された傑作掌編。

  9. 縄文小説参考文献『ライアの祈り』レビュー 縄文小説集 / 評論

    • 高橋文樹
    • 8年前
    • 2,486文字

    本稿は破滅派主催の縄文小説ワークショップの参考文献レビューである。森沢明夫著『ライアの祈り』を取り上げる。

  10. 縄文小説参考文献『二千七百の夏と冬』レビュー 縄文小説集 / 評論

    • 高橋文樹
    • 8年前
    • 3,473文字

    本稿は破滅派主催の縄文小説ワークショップの参考文献レビューである。萩原浩著『二千七百の夏と冬』を取り上げる。

  11. 紙上大兄皇子の死(ちっさめろん解説に代えて) ちっさめろん / エセー

    • 高橋文樹
    • 8年前
    • 1,828文字

    紙上大兄皇子の死 高橋文樹 『ちっさめろん』は破滅派同人紙上大兄皇子かみのうえのおおえのおうじの遺作である。長らく破滅派の中心的な執筆陣に名を連ねていた彼は二〇一五年、霊的な存在としてなんとか命…

  12. 加曽利貝塚訪問記 縄文小説集 / ルポ

    • 高橋文樹
    • 8年前
    • 2,992文字

    日本最大級の貝塚である加曽利貝塚を訪問した。火おこし体験の他、縄文の生活を知るに足る情報が満載の場所なので、縄文小説を書きたいと思う紳士淑女はぜひ足を運んでみることをお勧めしたい。

  13. 板付遺跡訪問記 縄文小説集 / ルポ

    • 高橋文樹
    • 8年前
    • 1,048文字

    縄文小説ワークショップの一環として、第一回文学フリマ福岡に参加する傍ら、板付遺跡を訪問してきた。

  14. 縄文小説参考文献『原人ダアア』レビュー 縄文小説集 / 評論

    • 高橋文樹
    • 8年前
    • 2,510文字

    本稿は破滅派主催の縄文小説ワークショップの参考文献レビューである。エドモン・アロークール著『原人ダアア』を取り上げる。

  15. 村上春樹について語るとき、僕が語ること メタメタな時代の曖昧な私の文学 / エセー

    • 高橋文樹
    • 9年前
    • 8,037文字

    およそ文学に携わる者において、村上春樹についていうべきことはなにもないという人はいないだろう。「村上? 龍だろ。春樹? 角川だろ」とか、そういうことは言ってるんじゃない。本稿では、現時点の日本人…

  16. 第二回縄文小説ワークショップ議事録 縄文小説集 / ルポ

    • 高橋文樹
    • 9年前
    • 1,197文字

    2015年9月30日に第二回縄文小説ワークショップが開催された。二人しか来なかった。

  17. 兄の誇らしげな切っ先 小説

    • 高橋文樹
    • 9年前
    • 4,065文字

    第二回縄文小説ワークショップ参加作品。優秀な狩人の兄と、その弟の物語。結局兄は兄であり、弟は弟である。

  18. フェイタル・コネクション(5) フェイタル・コネクション / 小説

    • 高橋文樹
    • 9年前
    • 5,542文字

    花藤の働く会社の社長との飲み会で泥酔したタカハシは、目ざめると見知らぬホテルのスイートルームに寝ていた。記憶も定かでないまま、ホテルの部屋を眺めると床に座り込んだカントがワインを舐めている。どう…