消雲堂の投稿一覧 101件

  1. 「刺絡(SHIRAKU)」 妖怪妖 / 小説

    • 消雲堂
    • 10年前
    • 3,061文字

      「刺絡(SHIRAKU)」   1. 桟敷蓉子(さじきようこ)はK市にある高邑(たかむら)医院で刺絡治療を受けていた。刺絡とは皮膚と皮下の静脈を僅かに切って瀉血させる東洋…

  2. 日の塵 正直編 日の塵 / 小説

    • 消雲堂
    • 10年前
    • 1,261文字

     僕は、20代の頃に当時勤めていた雑誌者の編集長から、サラ金で簡単に金を借りられることを教えられました。その編集長は「飲む打つ買う」の三拍子が揃った無頼の人で、会社の金を誤魔化しては女や賭け事に…

  3. 綾瀬新撰組「水戸橋の化け物退治②」 歴史奇譚 / 小説

    • 消雲堂
    • 10年前
    • 915文字

    2. 翌日の朝のこと、次郎吉はいつものように銭座に出かけた。昨夜、口の大きな武士たちと出会った伊藤谷橋に差し掛かると、橋の上に2人の男が立っていた。昨夜、口の大きな男と一緒にいた男たちのようだ。…

  4. 綾瀬新撰組「水戸橋の化け物退治①」 歴史奇譚 / 小説

    • 消雲堂
    • 10年前
    • 1,447文字

    小菅の銭座で働いている次郎吉は、銭座から自宅がある五兵衛新田への帰り道、綾瀬川にかかる伊藤谷橋のたもとに大きな口をひん曲げて橋の欄干に両手をついてぼんやりと綾瀬川を眺めている男を見た。総髪を綺麗…

  5. 「原子力怪獣対宇宙怪獣」 小説

    • 消雲堂
    • 10年前
    • 3,005文字

    東北の海岸沿いの小都市、福富県岩尾市。季節は春の平日、郊外の山や公園だけでなく街中にも桜が咲き乱れている。渋滞する街の道路、桜が咲き乱れる公園で雑談しながら楽しそうに過ごす老人たちや子供を連れた…

  6. 袋小路 妖怪妖 / 小説

    • 消雲堂
    • 10年前
    • 645文字

    「田辺さん、袋小路の奥の袋小路に入ったことがありますか?」 「え?袋小路って路地の突き当たり…行き止まりのことでしょ?」 「そうです」 「行き止まりだから、その奥には入れないでしょ?」 「袋小路…

  7. 10年間に富士の裾野76町3反部(約75万㎡)を開墾した大侠客 清水の次郎長 歴史奇譚 / 小説

    • 消雲堂
    • 10年前
    • 2,728文字

      1. 天田愚庵(天田五郎)、安政元年に磐城平城下(今の福島県いわき市)に生まれました。父親は「坂下門の変」で水戸藩士たちに襲撃された安藤信正の家臣です。慶応4年(明治元年)鳥羽伏見…

  8. 大地に組みした男たち-10年間に富士の裾野76町3反歩(約75万㎡)を開墾した大侠客—清水の次郎長 歴史奇譚 / 小説

    • 消雲堂
    • 10年前
    • 1,211文字

    1.   江戸時代の後期、各地で多くの博徒侠客の集団が発生しました。特に治安が脆弱だった関八州(相模、武蔵、安房、上総、下総、常陸、上野、下野)、甲州、駿河、などには博徒の大親分が生ま…

  9. 平和荘綺談 青春放浪 / 小説

    • 消雲堂
    • 10年前
    • 2,484文字

    1.「りんごの歌」   昭和50年11月 群馬県伊勢崎市の銭湯「広瀬川温泉」 ガラガラガラ・・・バタァンッ!と銭湯の引き戸が乱暴に閉められる。 「あぁかぁいぃ・・・りぃんごぅにぃ、くち…

  10. 阿武隈川 第一章「弁天山」 青春放浪 / 小説

    • 消雲堂
    • 10年前
    • 8,599文字

      僕は福島県の平(いわき市)に生まれた。   父親は猪苗代湖の畔に位置する翁島集落の農家の出身で、定かではないが江戸時代には会津藩の足軽だったという。調べてみると足軽とは一…

  11. B級探偵 異能清春の冒険「安楽亭で安楽な夢を見ろ」 / 小説

    • 消雲堂
    • 10年前
    • 1,458文字

      今日も今日とて安楽亭だ。焼肉だけど廉価版(僕は高価だと思うけどね)のランチだべ。ちなみに安楽亭のランチはどういうわけだか午後5時までやってるのよ。だからさ「安楽亭なんてダセェべよ」…

  12. 自分史入門 小説

    • 消雲堂
    • 10年前
    • 880文字

      写真は、受講生さんが日記帳から起こしたメモ…なんですが、できれば、これを多少文章化して欲しかった…。ごちゃごちゃ(ある意味芸術的w)していますが、ざっと見ただけで、自分史にまとめる…

  13. 「水男」 妖怪妖 / 小説

    • 消雲堂
    • 10年前
    • 698文字

    「水男」 電車は闇の中を疾走する。 武雄は満員電車に乗っている。 武雄はまた終電に乗っている。 車内は我儘な人間たちで満ちている。 武雄は出入り口ドア近くに立っている。 電車の出入り口は外界への…

  14. 「針男」 妖怪妖 / 小説

    • 消雲堂
    • 10年前
    • 502文字

    武夫は街灯の少ない暗い道を歩いている。 遅くなってしまった。もう午前0時を過ぎている。 終電には間に合ったが、終電は、自宅ひと駅手前の駅が終着駅なので歩いている。 明日はいつもより早く出社しなけ…

  15. 哀愁の池袋に雨がふるのだった…って椎名誠か? 青春放浪 / 小説

    • 消雲堂
    • 10年前
    • 5,479文字

    1   「ふふんふんふんふん…と」岩橋は何が楽しいのか競馬新聞を鞄に入れたり自席のお片づけをしている。いい子である。   「ああやだなあ・・・早く帰りたいよ」僕が…

  16. B級探偵 異能清春の冒険「遥かなる牛すじフライ麺」 / 小説

    • 消雲堂
    • 10年前
    • 10,834文字

    鎌ヶ谷大仏駅前の「嵐」という中華料理屋の前にランチメニューが出ていて、”牛すじフライ麺”という料理名に目が止まった。なんじゃこりゃ? 牛すじ肉をフライにしてラーメンか何かの上に乗せてある? なん…

  17. 「上落合ワンルームマンションの来客」 妖怪妖 / 小説

    • 消雲堂
    • 10年前
    • 3,077文字

    1.   僕は神奈川県の大和市の実家から独立することになりました。このとき僕は24歳でした・・・が、どうも22歳から24歳のころってフリーライターさんの依頼で写真撮影したりスポーツ紙の…

  18. 町田に行きたくなる話 青春放浪 / 小説

    • 消雲堂
    • 10年前
    • 755文字

    町田に行きたくなった。明日は林間の実家に帰って母親の病院に付き合わなきゃならないからちょうどいいかな?   福島の郡山で立ち上げた父親の会社がたった3年で倒産したのは僕が20歳のとき。…