Kiss。大ファンである。そもそも少しでもミュージックに携わった方、のみに非ず、ロック好きでKissが嫌いな人は居ないと断言が出来る。一千万、賭けても良い。ただ、キャッシュの持ち合わせが無い為、断念しておく。
キッズ、特にヤンチャで早くからロックに馴染むボーイは、とかく目立つ事を好むだろう。そこにメイクしてポンチ画のキャラ? なる彼等が「君等にも簡単に弾けてガールズにモテるかもよ」と提示して来たら無論、狂喜する。コード進行が簡単と云うか、取り敢えず印象的なリフをマスターすればイケる。なお余談だが現在、話題のOasis。有名曲しか識らなかった故、ユーチューブで一通り聴いてみたが、スリーコードとイーマイナーの曲が多い。ワザとで有ろう。ワーキングクラス・ヒーローらしいから「皆んなも弾けるよ!」的な。狙いは違えどKissと同じ感覚な訳である。
私がキッズとして、リアルタイムで聴いていた1980年代半ば頃は、素顔に戻り所謂、ファンタシー、幻想さを失い漢臭さ路線か? で活動していたが、後に逸話として理由が判明した。メンバーチェンジ。
バンドの核なるジーンとポールは一切、アルコールやドラッグをやらないらしいが、人気があるのは何でもござれ! のエースとピーターだったらしい。特にジーンはミックジャガーに及ばないとしても自身も認めているボディートーク依存症なので、気に食わない訳だ。グルーピーよ……何故彼奴等に。要は違う依存症レヴェルの対立である。ポールも、元々カントリーロックを幼少時代から学んでいたらしく、創作能力が白眉であるが、ふと思ったのだろう……。何で俺が作った曲を歌いラリパッパのドラマーがキャアキャアされてんの? アルバムで一曲くらいしか作らず、それしか歌わないチンチクリンのギターがヒーロー扱いされてんの? と。まあそのスタンスも戦略としてだろうが、ビッグバンドになれば軋轢が生じるのは判る。例えばライヴの後、ホテルのロビーでジーンやポールが打ち合わせをしていたら、馬鹿二人がガールズとビアを浴びながら「イェイ。仕事かい?」と語りスゥイートルームに行こうとしたら素面の彼等は殺意さえ憶えたであろう。
次にアルコールをツアー中に呑んだらクビ! みたいな制約書を出したらしい馬鹿二人だが、そんなの守れる訳がない。逆に「手が震えてドラム叩けません」「ギターソロ、パーティー的に弾ける気分じゃないっす」に陥って筈だ。憶測だが。まあクビにしてバンドとしては迷走に至る。
だが、そんな中、私が十六歳だったかに出したアルバム『Revenge』は素晴らしいハードロックだと認識している。
アルコールを呑みながら羅列している為、いつ何時を調べる事はしないが1998年だっただろう。そんなKissがオリジナルメンバーで再結成して、しかもメイクして東京ドームに来る! となり無論、私は観に行った。往時のガール「ロックって、ミスターチルドレン? あ、グレイとかか!」と述べるのを連れて行った。
オープニングから花火。その後、吊るされて宙を舞うわ、ギターから光線を出すわ、血塗りを吐くわ(私はアルコール抜きで、このパフォーマンスをするジーンを畏怖している)お決まりの破壊行為をするわ(バンドの手出し)でガールも大興奮であった。これぞロックショー。私は水筒に隠していたアルコールが途中で切れ難儀したのを追憶する。
私的にはハイライトは無論、ピーターが哀愁を込めて歌う自作ではないバラードだが「アルバムよりヴィヴラートがきいているな……」でコイツ、呑んでいると察知したトコロである。
追記・当然、そうしたオリジナルメンバー再結成は長く続かなかった訳だが、二年前、だっけ? その後、メンバーに参加してフェアウェルツアーを終えたラインナップには敬意しかないだろう。良く考えれば、その面子で二十年以上、活動し、もも色クローバー(セックスジャパンの五倍はロックだと思う)とジョイントしたりでオリジナルな馬鹿二人より滞在歴は長いんじゃねえか? 多分、アルコール厳禁だろうから、素面であのパフォーマンスは驚異でしかない……。
以上。
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