この世で最愛で最低な君へ

この世で最愛で最低な君へ(第25話)

実琴

小説

1,094文字

人を愛する事が出来ない事に惰性していた私が初めて人を愛した人は優しくて最低な人でした。堕ちていく…愛に憎悪に

「ふー食った!」

と彼は私が作った料理はを全部食べてくれた。

「美味しかった、ありがとう」

「いえいえ、これからここに来れるし、色んなの作るね」

「楽しみにしてる。あっ」

と彼が言うと私の目の前に鍵を置いた。

「これ、俺ん家の鍵。休み合わなくても平日来てくれたら嬉しいなと思って」

鍵…初めて渡された。

「それって平日に来てご飯作れって事?」

と私が笑いながら言うと

「それもあるけど、会える時は会いたいんだ。ダメかな?」

「ううん、全然大丈夫。どうせ家でネトゲしかしてないし…ネトゲ出来ない!」

と私が言うと

「パソコン買おうか?」

「えっ!いやいや、いいよ。安いもんじゃないんだし」

「でも平日だと暇でしょ?今度パソコン買いに行こう。ネットも契約しないとだな」

と彼が言ってくれた。それがとても嬉しかった。

「あっ、風呂どうする?」

「え、入るよ」

「俺シャワーなんだけど、さくらは?」

「私は湯船はだけど…」

「じゃユニットバスだけど、お風呂にお湯入れようか!」

「いや、いいよ。シャワー派なんでしょ?」

「うん、でも一緒に入りたい」

「え」

一緒に入る?世の恋人同士は一緒にお風呂に入るものなのか?

「じゃ、風呂洗ってくるー」

と彼はお風呂場に行ってしまった。

私はこの日だけなのかと思っていた。

付き合いだして数日、彼とはまだキスしかしてない。だから泊まりということはSEXをするのだろうとはわかっていたけど、お風呂に一緒に入る事が習慣になるとは、この時は思ってもいなかった。

 

そしてお風呂が沸き入るこ事に

「先入ってて、すぐ入るから」

と私は言った。

一緒に入るなんて恥ずかしいじゃないか。

でも、こういう事もするのが恋人同士なのだと言い聞かせ私はお風呂に入る決意をした。

「入るよー」

「オッケー」

と言われ恥ずかしがりながらもお風呂に入った。

2人だとこんなにお風呂の電気明るかったけ?凄い恥ずかしい

「入りなよ」

と彼に言われたので

「うん」

と言って湯船はに入ろうとした時、彼が立ち上がった。

「やばい」

「え、何が?」

「勃ってきちゃった」

その言葉に彼の股間に視線を向けると、確かに勃っていた。

男の人はそういうもんなんだろうか。

「今日してもいいよね」

と彼は湯船に入り直し、私を後ろから抱きしめた。

モノが当たってる事は気になったけど私は

「うん」

と答えた。前の子せいか親のせいかSEXはあまり好きじゃなかった。でも恋人同士という事はこれは避けられない事で、私も覚悟して彼の家に泊まりに来たのだ。

好きな人とのSEXはどういうものなのかも気にはなっていた。

彼とは手を繋いだりくっついたりキスしたり、それが全て嫌ではなかった。

寧ろ幸せを感じていたからだ。

2022年3月16日公開

作品集『この世で最愛で最低な君へ』第25話 (全28話)

© 2022 実琴

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