メニュー

あぼかど

ベジタブル・リズム(第7話)

荻原 凛斗

森のバターとも称されるあぼかど。
読んだあとはあなたの心にも宿ります。

259文字

7.あぼかど 緑のまどろみ

 

ごつごつとした 黒い鎧を纏い

あなたは 静かに時を待っている

深い森の 湿った吐息を

その硬い殻の中に 閉じ込めて

 

手のひらで そっと包めば

伝わってくるのは 熟成の合図

わずかな弾力は 中にある

黄金色の果肉が 目覚めたしるし

 

ナイフが なめらかに一周し

二つに 別れたその瞬間

現れるのは 完璧なまでの

萌黄色の グラデーション

 

真ん中に どっしりと居座る

まるい 命の塊

それは 太古の記憶を抱いた

大地の 大きな瞳のよう

口に運べば ひんやりと

バターのように 心まで溶かしていく

濃厚な 森の恵み

静かな 命の抱擁

© 2026 荻原 凛斗 ( 2026年1月24日公開

作品集『ベジタブル・リズム』第7話 (全13話)

読み終えたらレビューしてください

みんなの評価

0.0点(0件の評価)

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

  0
  0
  0
  0
  0
ログインするとレビュー感想をつけられるようになります。 ログインする

著者

「あぼかど」をリストに追加

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 あなたのアンソロジーとして共有したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

"あぼかど"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る