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金木犀VS私

曾根崎十三

ほぼエッセーです。ここ数年書いた中で一番勢いしかない文章。イグBFC間に合わなかったんでファンアートです。アイキャッチ画像がサーバーエラーで付けられないぜ!(付けられました。※後日追記)

エセー

2,118文字

外を歩くと金木犀の香りがする。家の近所でも、実家の近所でも、職場の近所でも。犬も歩けば棒に当たる。人も歩けば金木犀を香る。あの甘い独特な香りが鼻にまとわりつく。雨が降った後は特に匂う。花粉が舞うからだろうか。あの香りにはリラクゼーション効果もあり、ハンドクリームや化粧品等にも採用されているらしい。そもそも金木犀はなぜあんな香りを放つのか。調べてみると、虫除けらしい。我々人間は虫除けスプレーを食らって喜んでいるのか。変質者ぽい。虫に食われないよう強い香りを放っているのだ。クマ避けスプレーみたいなものか。あるいはスカンクの分泌液。

近頃腹の調子が悪い。近頃、というと語弊がある。ずっとだ。五・六年くらいはずっと腹の調子が悪い。すぐにお腹がゴロゴロと鳴るし、急に下痢になったり、かと思えば何日も便秘になることもある。くっせぇ屁も出る。健康に気を遣って野菜を多めに摂って暴飲暴食を控えるようにしても効果はない。むしろ痔になった。ヂ。―蠕動の運動について―。やかましいわ。食生活を改善した成果といえば、ちょっと痩せたくらいだ。それはそれで良いのだが。ストレスだろうか。しかし適度なストレスというのは人生において必要不可欠である。外部からの刺激がなければたるんだままダルダルで生きることになる。寒すぎて膝をつっこみすぎたトレーナーくらいダルダルになる。頑張る理由も見つけられなくなる。世界にずっと独りぼっちだったら小説も書かないし、仕事も頑張らない。怠けないように頬をぶつ意味でもストレスは必要だ。定期的に殴った方が良い。もちろん他人には強要しません。と思ってるんですが、さっきXを見ていると自己評価が低い人間は他人に厳しくしがちというポストが多くの共感を集めていた。自分ごときができるのに、なぜあなたはできないのか?という発想故の批判。私もその数多の一つである。同じ失敗をして自分はこのように改善しましたが? はて? なぜ同じあるいはそれ以上ではない? 発想力の無さに関しては右に出る者がいない私ごときでそれが思いつくのに? って思っちゃうよね~~。言わんけど。なんで今? なんでそんなトンチンカンなことを……? みたいなことが起こると「は?」みたいな反応をしてしまうので良くない。他人に強要してるじゃないか! にこやかでいなければ。スマイル!! アイドルはスマイルが大事です。これはガチで思ってるのに、あまり共感が得られない信念なんですが、良い上司ってアイドルだと思ってるんですよね。どんな客も後輩も一旦笑顔で受け入れて自分がどんな状況でも他人に希望を与えることに腐心できる器のデカさ。体調に左右しないパフォーマンス。自分に厳しくストイックに向上心が維持できるアツさ。ほら、アイドルじゃないですか。よくアイドルはうんこしないって言いましたけど、上司もうんこもしないし風邪も引かないですからね。自分の利益より皆を笑顔にするために献身できる心意気がないとダメ。そういうものです。現場の状況もなるべくリアルタイムで理解しておくことが大事。アイドルも上司も波に乗り遅れるのは良くない。状況把握が適切な判断をするための材料になる。いつでも対応できるために、マジでうんこに行かない。誰よりもトイレに行ってない。ほんまに。これだけは自信ある。毎日皆のこと見て「え、トイレめっちゃ行くなぁ」って思ってます。でも違うんですよね。私が行かなさすぎるだけなんですよね。おかしいのは私。はいはいわかったわかった! 「もうだめだ風邪引いた」と思った時も気合で乗り切る。あれ、だから痔になるのでは? でもアイドルも痔になったとか言わないし、そう考えると良い上司も痔になったとか言わないものなのでは? ヤバい! 言ってしまった! まぁでも物書きは痔になっても良いと思う。そのへんの判断は甘く持ってます。

肛門が破壊され、お腹の調子が悪くなって、くせぇ屁が出るということは、毒なのでは。毒。ポイズンってことね。毒を発して生きている。スカンクと同じ。警告しても近づいてくる敵に対して追い払うためのアレ。つまり私は一人になりたいということなのだろうか? 謎。そうでもない。いろんな人と飯に行きたいよ。関係性を作っておいて円滑に生きていくためにも職場の全員とサシで行きたいし、Xで絡んだことのある全員とも行きたい。お? 打算的? いや、純粋に仲良くなりたいのもある。仲良くなった方が人生楽しいじゃないですか。警戒臭出してる場合じゃねぇ! 笹食ってる場合じゃねぇ! いや、むしろこの場合笹食った方が良いのか! 良い匂いになりそう!!

そういうわけで金木犀食べます。金木犀って食べられるんですよ。知ってましたか? 金木犀よ。虫は避けられても人間は避けられなかったようだな。人間の力を甘く見ないでもらいたい。とりあえず市役所の前に生えてる金木犀ぶちぶちちぎって片っ端から食べようかなと思います。あんなに良い匂いなのに金木犀って食べたら苦いんですよ。フレーバーティ―もなんか騙された感じしますよね。あんなに甘い匂いするのに全然甘くないんで。金木犀か私かだったら私の方が強いんで勝ちです。食べるんで。金木犀のこと。Winnner!!

© 2025 曾根崎十三 ( 2025年11月4日公開

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