立て、波風よ、海が扇の浜を。
わたしがひとみの、軌跡から、外れた流れで、浪だよと眺めている、
頁がまた そよいだ。
まあるいぐらすときゃんどるの。とても駆け巡る血潮に少量の鈴虫を交配させる。コンパスに数奇をみる、途切れた日々の名が。瞳と瞳は合わさらない、「嘘だよ」と 白紙の日記をおよがせた、
ざわめひしめく あたりだ。
やさしい寄り道した、くらいのざくろ。
葉脈の細い路地を、日常を360ど覆うの。また会えるよ、と嘘をつく 桃源郷の温室の、空白の椅子、ひかりがむいて、がらすどにやられる。うわごとごと感染る、瑪瑙色の射光にひたたる。
あすの彼方が心地良い。傍で、
小さきものに もう有りたい。
だりあが凪いている。
ほそびた観葉植物の名を思い出しても、直ぐに消えてしまうの。
動かない壕風が、斑模様の猫に這う人差し指に聞いてみる
「おい、あの月だ、とおい、あの秋桜がぼやいている。」
脈音に合わせ歩行する――(いつからか倒錯する)――気配、なし。
性対称の堕天使、あらわる、夢にまで。
バケットハットの内側で鴎は翔ぶのだろう。
罌粟の凝視が かたほう隠して、
かたほう踏んだ。こちらを、みるなよ
恐ろしい、先に眩くは暗めき 一本の樹海のモザイクを、そしてどんな、街灯をいまから下げた、がびた あかいはな。採譜して、伸ばしていった。このじだいがある。
空腹と減退と、御伽の國へ
とゐってしまったような、もう秋の風なのね
すこしのかおりがする。光の先、白亜なの
だろうと、野良百合の、した
またかしいだ よごれた漆喰の、廊下を
グレースケールの油絵の目線でゆがいてゆったさきに。欠けた硝子窓から、きゅっとして。ほつんとした。校舎の屋上と知っています、小花と君と或る夏の羽化を憶えている。
あおいそら しろいくも あとすこしだけ乗り継いだ、のばしたの ドレッサーの隅っこで。もう見上げている、枯れ枝のくせに もう、芒しかないのに。
そして、まほうならば、宵に満ち足りる、
それで、あらわして くれました。
明日もまた明日もまた明日もまた
また照らしはじめる。カラータイルの命日は未完成の、あわくせつらく。
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