何かを追い求めて逆想する、意味など持たずに、咲かぬぼるだと識る
いつまでも違うものを見て、同じ時を超えて、すれ違うばかりの道で肩を抱いて、口笛を吹き、摩擦で産み落とす、陰に陽に渇れた恵み、あれば春の号泣、降り注ぐ弑逆のよよ
影も未来の鋭利な鏃ヤジリで、鼻歌を啄ツツき出す、嘯いた腹を満たしている。いまさら窄まる血でなにを懐うか
夙ハヤくの落丁、お足元の悪い中、雨露を駕いでいる。状況は一定字の首を捻る。なおもって上の空に溺れている。歴史を翔ける天球に一点の雲もない、酷熱であり清涼の霞、夜霧の靄。宝物殿を抜けると山車がひたむきに草を喰んでいて 鮮やかな呼吸を急がせる砂地の鐘をどれかひとつ。柳の元へ。
返す旅路に胸騒ぎがあったかどうか。堕落訪花、刹那綻び、暗夜、玻璃の岨ソバ 荒れ狂い崩れ果てる、背を丸め汗をかき燐とする、幻聴だ。感覚は鈍く粗末な本音を聞き損ない頭が回らなく口が過ぎる。
あゝなんのことか。またふりだした……
可視化された幸福がそこらじゅうで、線香花火の化碑を撒き散らしていた。年輪に覗かれる心地で板の間をゆるゆると歩めば。触フれそうで狂フれない指先の熱で蕩けて、擦り抜けてしまったけれど。差し込むばかりの今がもう枯れ葉と散り、病葉一つ残して。
廻る、ああ短夜たち。
ちいさな折り鶴、紙風船のかたち。こわれもの、ひとつづつ見繕う手、鳴メイを外して、名ナを尾ヲとしてその身を寄せて、口唇コウシンするだけの軍歌を噛まして、行水するだけの景観ケイカンと黙して。
是等見境はすべて被写体にしか捉えられない その視界の全てにおいて 寝息と唾棄がよじれるところ 岩礁群にはあたらない 気体と/機体と、破裂した、泡沫の場性や怒声に対し あわれあらわれ このいまに決壊した。
〈推移と応えも衰萎スイイの心得も糸を含まず〉
その頬に体躯に(して)心臓は求めては成らない 樋トイはなく 庇ヒもなく 陽射しもなく 柔く。このいいかげんな御人形のゼンマイを限界まで、巻いてあげましょうと、まったく寄り掛かっては角を曲がった蝶よ花よ、
その光たちよ。
ほら、口を噤んでいる。
今夜は、赤い月がよく栄えると懐うか、銀盃を傾けていた私とは、筵ムシロ落丁。指し示す近いうち。このごろ、さしあたって、左側に傾いて、太陽の言うことは当てにしないで。見開いた眼差しで。まわりつづけている、世は明かりもひかりも幼ヨウとして擬態して嫋やかな象徴をひとつひとつ、掌で包み込み慮オモンバカるから。からからと萎びた壱拾弐面体の、賽の目の往前ユクサキを定めたもう荒縄の内側に。
首を外していま雨露垂れ下がる。
終いの語らいの場に持ち込み、眺めているかたち。朦朦と茂る在りし日の若葉、黴臭い一間ヒトマ、敷居をこれでもかと踏む、しめやかに――ああこれが皆々様。大切な人に与えられた便りと花の名前を、見ず知らずのキミに分け与えたいと祈っていた。
池に対して、川を湿す。ゆれたものをつかみ、開かれたものを潰していくこれが〈透明な/ただいま〉光彩が縺れ散灰する肺活量を閉じ込めた、目に見えて目覚ましい。未来は大きな欠伸、過去は小さな域を吸う。
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