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自称詩人の彼方に

ハッピー詩人 鏡ミラー文志

上りなさい、下りなさい。同じことであるの言葉に倣い、一度落ちるところまで落ちてみようと思い、書いてみました。

これが間違いなく戦後ジャパニーズが生んだ不世出の天才の書き下ろした、紛うことなき歌です。

詩

643文字

「僕には語るほどの人生は、ありませんでした。

パソコン、CD、映像、テレビ、ゲーム、勉強、読書。人生のほとんどを頭の中の遊びで過ごしてきました。人生のほとんどの欲望は、妄想で済ませられるものです。そんな私にとって、これだけは譲れないものがあります。それは晴れた昼下がりに飲む、生温い缶ビールです」

 

自称詩人、一日も働いていないのに、酒を食らうのみ。

 

「僕には守るほどのものが、ありませんでした。友達も恋人も両親も、別にいつ死んだっていいものです。自分だけが可愛いと言う本音に耳を塞ぎ目を背けながら、後ろめたさを抱いて生きてきました。そんな私にとって、人生で一度だけ自分を超えて愛してしまったものがあります。それは、猫の『ポチ』です」

 

自称詩人、誰にも愛されてないのに、愛を語るのみ。

 

「僕には才能と言えるほどのものが、ありませんでした。せいぜいカラオケでオバさんを二回泣かせた程度です。愛されもしないのに、愛されようとしました。抱きしめる勇気もないのに、抱きしめられたかった。認められもしてないのに、認められた気になっていた。そんな私にとって、一つだけ人生の希望というべき望みがあります。それは、死んだ後に、認められることです」

 

自称詩人、一人にも認めらていないのに、才を誇るのみ。

 

自称詩人、夢叶わずとも涙拭けるのに。自称詩人、永遠の物語神話に、一人耽るのみ。酒と涙と深夜の幻聴。張り裂けそうな頭で、サイレンのような言葉綴る。

© 2026 ハッピー詩人 鏡ミラー文志 ( 2026年9月13日公開 )
※初出 https://po-m.com/forum/showdoc.php?did=385674&filter=usr&from=listdoc.php%3Fstart%3D180%26hid%3D12726

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