お風呂から出た私達は身体にバスタオルを巻いていた。
私は身体を拭いて家から持ってきた下着を着けようとした時
「どうせ裸になるんだから、そのままこっちにおいで」
と布団の上にいた彼に言われた。
一応、勝負下着なる物を持ってきたのだが…言われた通りバスタオルを巻いたまま彼の元に近づいた。
彼はバスタオルを剥ごうとしたので
「ちょっと待って!電気は消して欲しい」
と彼にお願いした。
「一緒にお風呂に入ったのに?」
「そうだけども…やはり恥ずかしい」
「わかった」
そう言うと彼は立ち上がり電気を消して布団に戻ってきた。
そして私を布団の上に寝転がせ、巻いていたバスタオルを剥ぎ取った。
好きな人とのSEXとはこんなに緊張するもんなのだろうか。今までと違う感覚に陥った。
裸になった私の身体を見て彼は
「綺麗だ」
と言ってキスをした。
そして彼自身も自分のバスタオルを取り、お互い裸になった。
照れくさいような恥ずかしいような初めての感情が沸き起こっていた。
そして彼は私の唇に何度もキスをした。
今まで軽いキスしかしてなかったが、今回は彼の舌が私の口に侵入してきた。
それだけで彼は興奮したのか耳元で囁く様に
「さくら、愛してる」
と言って愛撫が始まる。
胸から陰部へと降りていく。
彼の指が入ってくる。
充分濡れた事を確認した彼は
「入れてもいい?」
と聞いてきた。
「うん」
私は頷いた。すると彼はコンドームを着けず入れようとしたので
「ちょっと待って、ゴムして」
「途中でするから大丈夫」
と言って彼は私の中に入ってきた。
「あっ」
と思わず声が漏れてしまった。
「気持ちいい?」
彼は聞いてきた。男の人は皆聞いてくるものなのだろうか。私にとっては聞かれると現実に引き戻されるのであまり聞かれたくない言葉だけど、気持ちいいが良いと思ったので
「うん」
と答えてしまった。彼はゆっくりと私の中に侵入してきた。そして彼は動き出した。
「はぁ…はぁ…さくらの中気持ちいい」
と彼は言った。
私も気持ちいいと思った。前の子の時はとにかく苦痛でしかなく、早くSEXが終わればいいと思っていた。でも彼と肌を合わせることにとても幸せだった。
そんな幸せ感じていると
「あ、ヤバい。イきそうだからゴム着ける」
と彼は言って私の中から出てしまった。
電気が消えた部屋で彼は一生懸命ゴムを着けていた。その作業に私は何となく昂っていた気持ちが下がるのがわかった。
1回侵入されて、途中でゴム着ける様は滑稽である。
「なぜ最初からゴムしないの?」
と彼がゴムを着けている途中で聞いた。
「最初は生の方が気持ちいいじゃん?でも俺そんな長く持たないから途中からして少しでも長く出来たらいいなと思って」
なんて自分勝手な理屈…でも私はその行為を最後まで断る事が出来なかった。彼に嫌われるのが怖くて言い出せなかった。
「よし、ゴム着けたよ」
と彼はSEXを普通に再開しようとした。
ムードなんてお構い無し。今の流れで私のテンションはだいぶ下がっていたけど、言い出せず彼に従うしかなかった。
けど彼がまた私の中に侵入すると、とても気持ちが良かった。初めての好きな人とのSEX。嫌で仕方なかったSEXが私の中で変わった。
私の上で懸命に腰を振ってる彼が
「イきそう!イッていい?」
と言ってきたので
「いいよ」
と私が言うと、彼は腰振りのスピードあげ「さくら!さくら!さくらイク!」
と名前を連呼して彼は果てた。私はまだ絶頂に達する事はなかった。でも、彼とのSEXはとても心地よく。絶頂には達せなかったけど幸せを感じていた。
そして彼はゴムを外し、精液がどのくらい出てるのか確認していた。
「今日はいっぱい出たよ!今まで我慢してたから」
「そうなんだ」
「俺ちょっと洗ってくる。洗わないと臭くなるんだよ」
と彼は言った。
それは自分の精液で?それとも最初に生でしたから?
なぜだかその言葉が気になって仕方なかった。
洗い終わった彼は裸のまま布団に潜りこんだ。そして私の事も
「おいで、おいで」
と呼んだが
「せめて下着履いていい?」
「うん。俺もパンツ履こう」
そう言ってパンツを履いた彼が、私を布団に誘う。
そして彼は腕枕してくた。腕枕を初めてされた。
「幸せだな」
と彼は言った。
「うん」
私も頷いた。彼とくっついている事、それだけで幸せに包まれた。
すると彼が
「さくらって元カレとはいつから?」
と聞かれた。
「うーん、いつだったかな?でも1年も経ってない」
と言うと彼はガバッと起き出し
「え、じゃあもう少し早く出逢えてれば俺がさくらの最初の男なれたのか!悔しい」
と彼は言った。男の人って処女に拘るのだろうか?私は別段気にはしていなかった。
「悔しいけど、仕方ないか」
と彼は笑ってまた布団に横になり
「さくら」
と言って左腕を差し出した。
「腕枕疲れないの?」
と私は彼に聞いた。
「全然大丈夫。それにくっついて一緒に寝たいんだ」
「うん」
私は再び彼に腕枕をされた。
「おやすみ」
と彼は言うとおでこに優しくキスを落とした。
彼は疲れたのかすぐに眠りについた。
私はまだ眠れずにいた。初めての好きな人とのSEX。彼がゆっくりと中に入ってくる感覚。そしてこうやってくっついて一緒に寝る事。私は全てに対して色々と思いを馳せていた。これが人を好きになって幸せになる事か。ただ要所要所で彼の言動は気になっていたけど、今はただ幸せを感じていた。
そして私もいつしか眠りに落ちていた。
"この世で最愛で最低な君へ"へのコメント 0件