刺さって

空想さん

小説

285文字

刺さってくれることを祈って。

今日にも月が落ちてくるよと、自分は太陽だと名乗る人物から告げられても信用できるわけがないんだけども確かに月は突き刺さってきて、人間であることをやめざるを得なくなって、でも太陽は笑っていて、月は慰めてくれて、自分はどこにもいなくて、それが悲しくて悲しくて、こんなに惨めに書かざるを得なくなって、太陽はそれを笑って、月も笑うようになって二人は帰っていって、地球はそのままでだから僕もそのままで、だからそれを書かざるを得なくなって、それはやっぱり悲しくて悲しくて、やはり自分のありのままを書かざるを得なくなってしまうんだろう。
悲しくて悲しくて悲しくてここに来た
んだってこと。

2021年9月30日公開

© 2021 空想さん

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