8月10日

あわいにたゆとう者たちは(第3話)

タカミネ

小説

138文字

                     

そうだ、人花糖の町に行ったことがある。

あそこの町民は肺に咲く花から蜜をとって菓子を作るんだ。

舌の上でとろりと広がるあの感じが堪らなくてね。

今でも近くを通る時は立ち寄るよ。

ただなあ、一度でも汚れた空気を吸うと花が上手く育たなくなるらしい。

味が落ちるとかで、処分されるんだそうだ。

2020年7月15日公開

作品集『あわいにたゆとう者たちは』第3話 (全19話)

© 2020 タカミネ

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