昔からいわゆるファンタジーというものがわからなかった。たとえば魔法がでてくればそれはおそらくリアルには存在しないのでファンタジーなのであろうな、ということはまだ何となく理解できても、このような状況になった今、これはなんだ?となる。私にとってこれらすべては現実でしかし、法が追いついていないのもリアルだ。そろそろ話を元に戻すといわゆる轢き逃げにも満たないのかもしれないがちょうどよく曇っていたもんでこの水分量のせいでどうやら一体のユニコーンを轢き殺してしまったらしい。
私は馬などとは縁がなくこのような四足歩行をする。実に筋肉質な生き物は神社などでしか見たことがない。まだそれなら電柱や森に囀ってどこにいるのかよくわからない蝉のようなカラスが得意である。触れていいのか迷ったが触ってみることにした。それらはもう円を抜けたであろうに思っていたよりは固くなく歯ごたえとは形容できないような固さがあった。つまり死んだ魚を触ったときの弾力に似ている。あれらは円を越えた。つまり目の前のコイツも越えているのであろう。
轢き殺してしまったことにあまり罪悪感は湧かなかった、なぜならば私にとって車というのは操縦士であろうとも、それを乗りこなすという点においては馬と同じだからである。そこまで考えて、はて、ユニコーンも車等であろうか??と考えた。いや、違うのかもしれない。これは乗りこなせるのかどうかはいざ知らず私にとってはただの事物でしかないので考えた末にその上から土をかけることに決めた。本来ならお墓のように地平となる線からさらに奥深く地下に到達するように掘り進めなければいけない作業であろうがそんなことは知ったことではない。そもそも私が”ここに土あれ”と叫んだわけでもあるまいし。そう考えて曇った空がチラチラと蜘蛛の張った糸をやけに眩しく見せているのを尻目に私は上から丁寧に土をかけることにしたのである。
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