まぁパパとママを交えての乱交パーティーってのは心底から楽しそうなお遊戯だから参加するけどさ。その時俺はユリを抱くんだろうか、抱かないんだろうか、その疑問に対する回答はまだ無い。お日様が沈むころになればそれは分かるのかもしれねぇけど、今は疑問っていう固形物が脳に張り付いたままだ。超高速で蠢動する俺ちゃんの脳、加速する思考、鮮明に思い浮かぶ乱交パーティーの模様、模様、模様。んで俺ちゃんは眠くなってきたから自室に引き上げる。ユリの部屋のドアはわざと開け放ったままにしておくっていう茶目っ気ぶりを遺憾なく発揮しちゃう僕ちゃん。通りかかったパパとママがユリを目撃したらどんな反応をするんだろうか、それを観察してみるのも悪くねぇけど、今は睡眠の方が優先だ。人間にとって大切なのは睡眠、食事、セックス、ってな順番かね。その次に娯楽が来るのかもしれねぇ。まぁセックスなんざ娯楽の一種に違いねぇと思うし、獣の交尾じみたセックスを愛の営みだなんてバカげた表現をする偽善者には反吐が出ちまうけどさ。愛のないセックスも愛のあるセックスも結局のところ変わらねぇじゃん。貪欲に快感をむさぼって欲望を解消させてるだけじゃん。まぁそれは俺ちゃんがまだ愛ってもんを知らねぇからそういう感想を抱いちゃうだけかもしれねぇけどねん。俺が人を愛するって? 自嘲しちまうよ、マジでさ。愛なんてちんけな感情どうでもいいのさ。そういや知り合いが二次元の美少女に恋をすると現実の女に興味がなくなるって言ってたけど真実かもしれねぇ。感情ってのはさ、消費物だ。つまり恋愛感情も消費物で、現実の女より麗しい二次元の少女たちを愛するとその感情は満足して現実の雌を求めなくなるのかもしれねぇ。いかんいかん段々眠気が増してきた。これは何も考えずに寝るべきだね、って思った瞬間タオルケットの中にバロがいることに気づく。この愛猫ときたら空間と空間を一瞬で自在に行き来できるに違いねぇ。猫ってのはそのくらいの神秘性を備えた神々しい生き物なのさ、ってどうでも良いことを考えながら俺は眠りに就いた。んでもって乱交パーティーの始まり始まり拍手拍手喝采喝采。滑らかで艶やかな膜、それがこの室内を覆ってるように思えた。パパが愛の言葉を囁きながら全裸のママと絡み合っててママは獣じみた咆哮を上げてる。さっき俺ちゃんにぶちこまれたユリは今ソファーの上でうつ伏せになって呼吸を整えちゃってる。この程度の快感しか得られねぇ乱交パーティーなんざクソだね、マジでさ。あれほど抱きたいと思ってたユリとの性交は微妙だった。名器でもなんでもねぇオマンコに散々ぶちこんでたらすぐに飽きて俺は妹の中で果てちゃった。我ながら早漏かもしれねぇな、って自嘲しちまうよ。でもでもでもでもどうやらユリを満足させることは出来たらしい。あのメスガキは何度も絶頂に達してた。テクニシャンな俺ちゃん、技巧的な俺ちゃん、あらゆる女と付き合って性的な技術が研磨された俺ちゃん。ユリはそんな俺のことを見直したのか、ヤル時の習慣なのか、好きとか愛してるとか下らねぇ言葉をのたまってきた。俺は無表情で腰を振って彼女を快感へと導いてやった。何て優しい兄の中の兄なんだろう。んでユリは本当にひ弱な少女へと変貌しちまった。一体どれほどの精神的な打撃を経たあとで俺に抱かれる気になったのかね。パパが持ってきた酒で脳みそがぐわんぐわん。んで神経の先っぽで宇宙に接吻、だなんて馬鹿げた表現が似合うほど俺は今まさに自然と同化するような気分になってた。つまりめちゃくちゃ落ち着いてた、冷静だった、氷みてぇな思考だった。俺も雌が喜ぶのを知ってて、好きだとか愛してるとか結婚しようなって欺瞞に満ち溢れた言葉をユリにかけながらセックスキメた。確かに生々しいリアリティはある、それを身体で感じてる。けど同時に酒のせいか意識は夢の中にいるかのような感覚になっちゃってる。夢と現実の境目が白濁した液によって一時的にくっついてるだけで、すぐにそれは概念っていう透明なナイフによって切断されちまいそうな勢いを発揮してやがる。パパの部屋っていうこの六畳の空間に宇宙が宿ってる、ってな感じだ、ってそれってどんな感じなんだろうね、実際のとこさぁ。じゃあ俺ら四人はそれぞれが意思の宿った惑星っとこ? パパがママのどでかい尻に腰を打ちつける度に惑星同士の衝突が起こって七色の隕石が飛散してる映像を思い浮かべながらユリに口移してで酒を飲ませるとこいつは俺の首に両腕を回してきやがった。猫が甘えるみてぇなその仕草には愛情を微塵も感じない冷淡な俺ちゃんの脳に開いた穴に注入された琥珀色の液体で宇宙旅行、って俺大分酔っぱらってるね。アルコールってのは幻覚や幻聴を引き起こすんだろうか、俺はアル中じゃねぇしそれほどの飲んでもいねぇんだどさ、何せ酒を飲むのなんて初めてでね。ユリを片手で抱きかかえながらハイライトっいう水色と白のパッケージのタバコを二本取りだすと一方をユリの口に咥えて、もう一方を自分の唇のあいだにに挟んでライターで着火。んでもって煙を吸引する。最初はむせそうになったけど、これで五本目だから少しは煙にも慣れて来た。まぁ肺には入れずにふかすだけなんだけどね。んでもってユリが求めて来たから二回戦キメる。キメちゃうんだ。脳が浮遊するみてぇな感覚が津波のごとく襲って来たかと思ったら全身が柔らかで温かな感覚に包みこまれる。アルコールとニコチンとセックスの相乗効果なのか、俺が今まで味わった快感の中ではかなり上位の方に行く。んで互いの全身が溶けて俺とユリが混ざり合ったみてぇな錯覚に陥り、剥きだしの精神で交尾しちゃう。いかんいかん次第に現実感が無くなって来た。あれほど睡眠を取ったのに、十分に寝たのに、爆睡したのに現実感が希薄になってきちゃった。でもでもでもでも今目の前で繰り広げられてる光景は紛れもなく現実で、俺はその中にいる一匹のケダモノだ。パパとママもそれぞれ違う色をした液体になって混ざり合ってる。パパが緑でママがピンクでユリが赤で俺が青、ってな感じでそれぞれの人間性みてぇに色彩にも違いがある。咥えタバコしながらユリと激しい交尾キメて脳がオルガズムに達してマジで気持ちいいからもっともっともっともっとこの俺ちゃんに強烈な快感をくれよくれよくれよくれよ。そういや音楽もかかってるなって今更ながら気づく。BGMはユリの大好きなパンクロックだ。まぁパンクなんて俺にはよく分からねぇけど、何て言うかさ、反骨精神って感じの音がスピーカーか銃弾みてぇに乱射されて空気の膜を泳いで鼓膜にぶち当たる。ぶち当たっちゃうんだ。ユリが俺の上で長い髪を振り乱しながら腰を前後に動かしてる。髪っていう毛筆で宙に文字を描くみてぇ激しく頭を振ってるその様はライブハウスでヘッドバンキングしてるみてぇだ。イクイクイクッって言葉を発しながら絶頂に達するユリと同時に俺も妹の中に射精キメる。ガキを孕んだら容赦なく堕胎させようと思ってる俺ちゃんって冷酷な人間に類する機械じみた存在なのかなぁ。バロはこの異様な光景を眼球っていうレンズで録画してるみてぇだ。あれあれー俺の愛猫ってビデオカメラだったのー、いやいやそんな訳ねぇ。俺の俺だけの愛するペットだ。バロは物珍しそうにこの光景を凝視してる。そんなことお構いなしに腰を振り続けるパパ。何時までやってんだよ、この遅漏が、とっとと射精しろよ、一回のセックスで何回ママをイカせるんだよ。歳を取るとチンポコの感覚も鈍感になるのねぇ、あーヤダヤダ、ああはなりたくないもんだ。パパとは対照的に早漏な俺ちゃんだけど、射精しても射精しても不死鳥のごとくチンポコは何度も蘇る。ようやくママの中に射精ぶっこいたパパはタバコを吸いながら酒を飲んでしばらく休憩してる。ママは荒く呼吸しながら老化の始まった皺の多い手でシーツを握りしめてる。パパは醜い雌豚みてぇなママで満足してるんだろうか、本当は若い女を抱きたいからユリと寝たんじゃねぇんだろうか。いやいや、本当の本当の本当の本当は女装した男を抱きたいハズだ。何故って、奴は生粋のバイセクシャルだからね。今も俺の方を物欲しそうに眺めてる。仕方ないから後でフェラでもしてやるか。んで今度は俺がママを抱く番になったから、雌豚をバックで獣姦する。パパとは違うチンポコの形状にママは涙を流しながら歓喜の声を漏らす。パパは実の娘とセックス中だ。俺はパパとユリが愛し合ってる姿を眺めながら腰を前後に振ったり回したりして豚を喜ばせる。何度もママを抱いた俺だからこいつのオマンコの感触には飽きたと思ったけど今日は意外と楽しんでる自分がいる。そう自覚した俺ちゃんの脳に差しこまれたネジに潤滑油を塗布してくれ。パパとユリは正常位で愛し合ってる。パパのねちっこいセックスは、若々しくてハツラツとした俺のやり方とは正反対だ。ローターを使ってクリトリスを弄びながらチンポコを出し入れする、っていうAVの観過ぎの気があるパパ。奴のテクニックはAVの中から仕入れた知識と、風俗で学んだ技術で出来上がってんだろう。あのスケベオヤジのテクニックは熟練の職人を思わせる。でもでもでもでも俺ちゃんにはアイツが失った若さっていう武器、ってか凶器、ってか兵器がある。こいつでありとあらゆる雌を喜ばせて来たんだ。もちろん俺ちゃんの人格性格容姿雰囲気っていう要素も加味されてるけどねん。豚と俺が溶けあって一つの液体になって互いの境界が分からなくなりそうになる。さっきと同じ感覚だ。これは確かに強烈な快感の一種だけど、一時的に俺を満足させてくれるけど、この世にはもっと刺激的なものがあって俺は未知なるソレを貪欲に求めてるのかもしれねぇ。豚の悲鳴とユリのあえぎ声とパンクロックがこの空間で混ざり合って鼓膜になだれ込む。聴覚でも快感を摂取できちゃう人間に生まれてきたことに感謝、だなんて謙虚な人間でもねぇ俺は腰の動きを激しくした。ママは口臭がキツくてディープキスはしたくねぇからバックでやってんだ、ってここにはいない誰かに受けて脳内実況中継。んで俺はママもユリも孕ませてみてぇと思った。俺の遺伝子で産まれたガキはどんな顔をしてるんだろうか、そいつがもし雌だったら、成長して美人になると俺とパパに抱かれちまうんだろうか。抱くっていうか捕食するって表現した方がしっくりくるけどねん。パパはユリを言葉攻めして喜んでるけど、ユリの目はアルコールとニコチンの効果なのか、めちゃくちゃ虚ろだ。そういや俺とヤッてる時も視線が定まってなかったけかな、って思いだしながら雌豚を犯す、犯す、犯す。ママが心底から喜んでるのが手に取るように分かる。逞しくて若いチンポコに歓喜して昇天しそうなんだろう、って考えてたらマジで絶頂に達して潮を吹きやがった。凄まじい勢いで噴出される潮、潮、潮。豚じゃなくて鯨みてぇな女だなこいつは。んでユリの方を見るとあいつも昇天中なのか、涎を垂らしながら全身を痙攣させてた。絶頂に達したんだ、イッたんだ、潮を吹いたんだ。でもでもでもでも嫉妬の念は微塵もわき起こらなった。んでもってまた休憩した後で今度はママとユリのレズ行為をビデオカメラで撮影してる俺ちゃんのチンポコをパパがフェラしてる。アルコールとニコチンのせいで頭がぼんやりしてるから普段なら心底気持ち悪いと思うだろうけど今の状態じゃそんなの些細なことだ。ママとユリは互いのオマンコを舐め合うって滑稽な行為を記憶してくためにビデオカメラを起動、起動、起動。あらゆる男のチンポコをしゃぶった事があるんだろうパパのフェラのテクニックはママと妹を軽く超えてる。つまり超刺激的ってわけじゃん。ママとユリをオカズにしながらパパにしゃぶらせてる俺ちゃんは神にでもなった気分だ。俺が、俺こそがこの家の神なんだ、って全能感が全身に満ちる。すべてが溶けて混ざり合ってこの部屋を覆ってた膜と同化しちゃうんだよ。快感も嫌悪も愛憎も悲しみも混交して膨張する巨大な光になってこの家の壁や天井を破壊する、だなてバカげた妄想しちゃう。しちゃうんだ。この一軒家はいま暗闇に包まれた地球のなかで概念的に一つだけ発光してんのさ。んでもって俺ちゃんには溶けて液体になったパパとママとユリが琥珀色に輝いてるようにも見えるけどこれって幻覚じゃね、悪酔いしてるだけじゃね。発光した液体が室内で絡み合う速度が上がる、上がる、上がる。まるで早送りの映像みてぇに速度を上げてくんだ。身体の一部が剥がれ落ちて床や壁や天井に飛散させながら絡み合う。んで最終的には4Pキメたけど、意識が朦朧としてて何してるか分からねぇえ。ただそれぞれ泣いたり笑ったりしてるのだけが辛うじて知覚できてる。泣いてんのはユリか、どこにいるんだ我が妹よ、お兄ちゃんが遊んでやるぞ、だから泣くな、って幼少の頃の感情が液状化してる俺ちゃんに宿ってる。段々幼児退行してるみてぇな気分だ。パパもっともっともっともっと僕ちゃんを褒めてよ、ママもっともっともっともっと僕ちゃんを甘えさせてよ、ユリもっともっともっともっと僕ちゃんと遊んでよ。そこで一気に俺の意識は現実に戻った。部屋の照明は点けっぱなしでパパとママは寝てるけど、ユリが膝を抱えながら泣きじゃくってるのが可視できる。ユリ、そこにいたんだね、今お兄ちゃんがお前の悲しみを緩和させてやるぞ、ってな気分でもねぇ。何つぅかすべてがどうでも良いって感じだ。パパもママもユリも俺っていう一人の無力な人間から切り離されて宇宙ゴミになって宇宙を漂流してるみてぇだ。たった一人この家に取り残されたのが、哀れな俺ちゃん。無力感と虚脱感と虚無感が洪水みてぇに押しよせて来ちゃう。僕ちゃんは神秘的な光に包まれた赤ん坊。んでユリは五歳児の幼女に戻ちゃったって感じ。あれーユリちゃんも幼児退行しちゃったのー? 何だかんだ言っても俺の妹もそこらの少女と変わらない人間性だったんだな。可憐で乙女チックで感傷的で貧弱な何も出来ねぇ少女に戻っちまったんだな。じゃあ俺ちゃんが今のお前なんて破壊してやるよ。でもでもでもでもこの目の前の少女が本来のユリなのかもしれねぇ。あの気丈な妹はロケットにくくりつけられて宇宙の彼方にまでぶっ飛んで行っちまったのかもしれねぇ。「お兄ちゃん、私の部屋に行こ」特に断る理由も見当たらないから俺は首を縦にふって肯定の意を示しちゃう。優しい俺ちゃん、全国の兄の鏡な俺ちゃん、人の心の機微に敏感な俺ちゃん、ってんな訳ねぇか。とりあえずイビキを掻いて眠りこけてるパパとママを残して、俺達はガキの頃みてぇに手を繋ぎながらユリの部屋に向かった。こう接してると可愛らしい妹だな、って性欲抜きの感情が芽生えそうで芽生えねぇ。俺のチンポコは垂れ下がったままだけど、それは散々射精したからで寝ればまた使いもんになるだろう。これが若さってわけさ。ユリの部屋に着くと何となく二人で寝ることになった。二人で寝るには狭っ苦しい窮屈なベッドだ。ユリは涙を流しながら微笑んでたけど、俺はなかなか眠りに就けねぇ。暗闇のなかでぼんやりと天井を見つめてる俺ちゃんに妹が話しかけてきた。きちゃったんだ。「こんなのおかしいよ。普通の家族じゃないよ」「まぁそうだな」「昔に戻りたい」昔つぅとまだ俺とユリが小学生でこの一家の機能が正常に稼働してたあの頃か。俺は返す言葉が見つからねぇから何も返事をしなかった。俺自身は昔だろうが現在の状態だろうがどうでも良いと思ってる。ただユリを下らねぇ奴だと思っちゃう。乙女チックに感傷に浸って自己陶酔してんだろう。こういう女と付き合うと苦労するんだよな、って恋愛経験豊富な俺はそう考えてた。でも俺はそろそろこの家族関係には吐き気がしてきた。欺瞞だ欺瞞、外では普通に振舞いながらも家の中では乱痴気騒ぎしてストレスを解消してやがんのさ。それはパパもママもユリも俺だって変わらねぇ。じゃあこの俺ちゃんすらも凡人だってことかよ。ユリに対する執着がなくなった今、自分が天才だっていう確信が欲しかった。俺は他の人間共とは違うんだって証拠が欲しかった。今日の乱交パーティーは確かに楽しかったけど、決定的に何かが欠けてる。それは俺を俺たらしめてる自己独自性を確立するために細かな部品の一つ一つだ、って自覚はあるのよねん。じゃあどうやったらその部品を入手して組み立て自己独自性を復活させることが出来るのか、現状では名案は思い浮かばねぇ。ただ機能不全の一家の中で俺ちゃんだけが特別だって言う確信が欲しくて欲しくて堪らねぇぜ、実際のとこさ。ユリの身体も堪らなかったけど、あの刺激ですらこの俺ちゃんを満足させるには至らなかった。じゃあどうしたら良い、俺ちゃんの獣じみた貪欲な欲望はどうやったら完全に解消できる? 頭をひねってアイディアを脳から搾り出そうとしてみてもやっぱりこれと言った案は思い浮かばねぇ。もしかしたらそのうち頭んなかで突然すばらしいアイディアが閃いちゃうのかな。「ねぇ、もっと強く手ぇ握って……」俺が思案してるとまだ起きてたらしいユリが俺ちゃんの手のぬくもりを求めてくる。もちろん俺は手に力を込めるだなて偽善を発揮したりはしない。確固たる信念を持ったイカした僕ちゃんでいたいんだ。俺には凡人が持ってる弱さってもんが無いんだろか、精神が機能不全なんだろうか、機械で出来てる人間んだろうか。いやいやいやいや俺はこの一家は心底からどうでも良いけど、動植物を愛する心優しい一面を持ってる。でもそんなことすら下らねぇことの様に思える。俺はどうしたいんだ、どうありたいんだ、どんな自分でいたいんだ。俺ちゃんの独自性が前後左右に揺らいでる気分だからこのままじゃいけねぇと強く思った。強固な俺ちゃんを復活させるんだ。確かイエスキリストって死んでも復活するんだよな、ってテレビで観た記憶を思い出してる。まぁ聖書なんてどうでもいいけど、信仰なんてねぇけど、神の存在なんて信じでねぇけど。だってさ、だってこの俺こそが神だからだ。んでもってそれから数日が経過してそれぞれの生活を送ってた。まるであの乱交パーティーが無かったみてぇにみんな普通に振舞ってる。俺は根本的にメンドクセェから夜勤なんてあっさりと辞めちゃった。ユリちゃんは以前のように学校に通ってて普通に振舞ってる、ように見えるけど俺ちゃん知ってるんだよ、お前が毎日泣いてることをね。んでそれに気づいたパパとママが家族会議を再び開催した。第二回家族会議! ってなとこ。「ユリ、普通の家族に戻ろう。ママもそれを望んでるぞ」「そうよ、ユリちゃんには本当に申し訳ないことをしたわ。あんなの異常よね、普通じゃないよね」「パパ、ママ……」昼下がりの三流ドラマが眼前で展開してるから腹を抱えて爆笑しちゃいそうになるものの何とか堪える。「アキラもそれでいいよな?」「そうだな」適当な返事をして家族会議なんて吐き気がするもんを早く終わらせようとする。ユリの顔には満面の笑みが浮かんでた。んで一家で食事を取ると、各々の部屋に戻ってく、途中でユリが話しかけてくる。「兄ちゃん、今まで冷たい態度取っててごめんね」「ああ、いいのいいの全然気にしてねぇから」メンドクセェから適当に受け流す俺ちゃん。俺の真意に気づいてないのかユリは微笑みを浮かべながら自室に引き上げて行った。行っちゃったんだ。こんなクソつまらねぇ反吐の出る肥溜めみてぇな雰囲気に浸かってたら俺までダメになっちまうよ。こんな家族ごっこにこれから先も付き合うって考えただけで口からゲロが噴出しそうだよ。んでもってこの混濁した微妙な感情を解消させるすべを脳内で模索したがまったく見当たらなくて途方に暮れる。暮れちゃうんだ。どうしたらいい、このままじゃ俺ちゃんまで毒されちまう。この俺ちゃんが平凡な人間に成り下がっちまうからそれだけは阻止しなきゃいけねぇのさ。自室で俺は思索の深い海の底に沈んでた。これから先この家で暮らすのが嫌になった俺は一人暮らしするってのもありだなと思ちゃった。思っちゃったんだ。でもでもでもでも実家にいれば家賃や光熱費がかかんねぇから稼いだ金をすべて自分の趣味に費やせる。まぁ今の俺はその趣味すら楽しめてねぇ。だったら何処に行ったって一緒なんじゃねぇの。あんな奴らと同じ空気を吸ってるって考えただけで吐き気がしてくるけど、この家にいるなら顔を会わせることは避けられねぇだろう。そもそも俺はどうしいんだ、ってゲームをやりながら考えて考えて考えて考えて考え抜いた結論が保留ってことだ。最近何をしても大した快感が得られねぇのさ、この一家が変わったってことは俺ちゃんも例外じゃないのさ、俺ちゃんは変わりたくなんてなかったのさ。快感快感快感快感、それを貪欲に求めて止まない俺に戻るにはアレをやるしかねぇな、って新たな案が浮かぶ。計画を綿密に練る必要はねぇ、今回は突発的にテロみたいに行動を起こすべきだ。愛猫が俺の膝の上に乗ってきた。変わってないのはお前だけだよ、お前は本当に可愛いよ、お前は標的から外してやるよ。準備をしなくちゃならねぇと思ったけど、獲物ならこの部屋にある。俺はクローゼットの中から箱を取りだしちゃちな鍵を差しこむと蓋を開ける。出て来た出て来たこれだこれ、これですべての破壊を目論む俺ちゃんの回路の歯車が高速で回転しはじめてる、当然のようにね。次に祖父ちゃんと祖母ちゃんのことを思い浮かべる。生前の幸せそうな二人の姿だ。アイツらはもうとっくのとうに他界しちまったけど、もしこの一家の状態を知ったらどう思うんだろうか。やっぱりパパとママとユリと同じで偽善を演じることに助力するんだろうか。幼少の頃たんまりと俺とユリに小遣いをくれたっけ。その小遣いで二人して駄菓子屋で食い物や飲み物を爆買いして貸し切り状態の公園で一緒に食べた思い出が脳裏に浮かんでる俺ちゃんの目の前には光り輝く物体、物体、物体。祖父ちゃんと祖母ちゃんは死んだけど、生き物は死んだら物質に還るだけじゃん。生や死に価値はない、すべては均一だ。って悟った瞬間に俺ちゃんの内部からほとばしり出る感情、感情、感情。ガキの頃はマジで極普通の兄妹だったよな、あの頃の関係性に表面上は戻ってるが、僕ちゃん騙されないんだもん。その平凡っていう見てると反吐が出る表皮を剥いで、この一家の本質をあぶり出してやんのさ。俺ちゃんならそれが出来る、いや俺ちゃんにしか出来ねぇ、いやいや俺ちゃんこそがそれをやるべきだ、って結論に達して自分のアレが硬く勃起してんのが分かる。股のあいだでは丁度バロが身体を丸めててその温かな感触がズボン越しにチンポコに伝わってくるから俺は昇天して自分の身体から自分の命を剥離させてみてぇと一瞬だけ思っちゃった。まぁこれは気の迷いに過ぎねぇ、自殺するほど追いつめられちゃいねぇし、自分で自分の命を剥奪する連中を理解することなんて到底できねぇ俺は薄情な獣なんろうか。自殺する奴らには自殺する奴らなりの事情ってもんがあるのは分かる。まぁ生きようが死のうが変わらねぇ、って思ってる俺ちゃんはすぐにその命題に興味を失った。んでもってお気に入りのアニソンのをCDをパソコンで聴く。ギタリストの女の子が主人公のゆるい日常を描いたアニメだけど、時にシリアスな場面があってなかなか面白かった。アルバムの出来は凄く良くて神曲ばかりだから俺ちゃんヘビーローテンションしちゃってる。仕事をしてた時は仕事中に脳内でこの楽曲たちが流れてて仕事に集中できねぇけど、ちょっとのミスなんて気にしない気にしない気にしない。俺ちゃんの神経って図太いの? いやいや繊細だろ、って結論に帰結しちゃう。自分ではそう思ってるだけど、精神的に鈍感なんだろうか。一曲目も良いが二曲目が素晴らしいから一曲目を飛ばして二曲目を流しちゃう。流しちゃうんだ。鼓膜を湿らせるこのアニソンっていう神がかった代物には感謝の念が絶えない、ってのは冗談で感謝なんか微塵もしない。まぁ娯楽は素晴らしいね、って思うだけだ。そういや最近快感を貪っちゃいねぇ。でもでもでもでも良いんだ、それはすぐに爆発させて発散させちゃうから。快感が足らなくて気が狂いそうだ、って地点にまで来てる気がするから早く早く早く強烈な快楽をくれよ。いや、喜びってのはさ与えらるもんじゃなくて自らの手で創り出すもんなのさ、って悟った気分になる。けどこれは一つの真理でもあるだろう、って気づく賢い僕ちゃん。お勉強、お仕事、結婚、人間は生き続ける限りこのしがらみが全身に纏わりついたままだ。それを解放させる唯一の手段が死ってわけさ。勘違いしないで欲しい、俺は別に死を求めてるわけじゃねぇ。だったら何を求めてるかって、そりゃこの世の中で一番刺激的な快楽だよ、って脳内独り言して遊んじゃう俺ちゃんは茶目っ気たっぷりな好人物だ。人格者といっても差し支えねぇ。バロが一鳴きすると伸びをして俺の膝から優雅に降りた。流れるようなその動きは芸術的だけど、芸術なんてクソみてぇ物はどうでも良い。お芸術から一体何が得られるっていうんだろう、ユリは愚物だ。パパとママを含めこの世のなかの人間の大半は愚者の群れだ。愚者には芸術を、賢者には快楽を。そして俺ちゃんの意識が一瞬だけまどろむ。寝るべきか寝ないべきか思案する。今日は休日だから起きてようと思った。俺がこれからしようとしてる事なら何時でも出来るけど、なるべくなら早い方が良いのかもしれねぇ。体内で欲望が充満して身体が風船みてぇに膨らんで破裂しそうだぜ。そしたら俺はジ・エンド、気が狂っちゃうってこと、もしかしたら廃人になっちゃうかもしれねぇってこと。だから一刻でも早く快感を摂取しなきゃいけねぇんだけど、カフェオレもアニメもゲームも音楽もセックスですらあの快感には至らねぇだろう。まぁ待て俺ちゃん。ネットで検索して正しいやり方を下準備するんだ。用意周到な僕ちゃんを褒めてよ全国の熟女達。その豊満な身体で抱き締めて頭をなでなでして額にキスしてよ。悪魔の接吻、怪物との契約、化け物との約束、だなんて言葉が頭んなかで回転する。神や天使なんてもんは存在しねぇがもしかしたら悪魔だったらいるんじゃねぇの、って思っちゃう。だって悪魔がこの世界を創り上げたって考えた方がしっくりくるからだ。天国も地獄もすべてこの地球につまってる気がしちゃう。何て言うかさ割合的には大部分が地獄、んでスパイス程度に天国って感じの割合だが、俺が出会ったことないだけどまったく苦労せずに寿命を迎える人間だっているのかもしれねぇけどな。まぁそんな幸福な人間をこの澄んだガラス細工みてぇな綺麗なお目々で見たことは一度たりともねぇんだけどさ。やっぱり大多数の人間にとってこの世は地獄なんだそうなんだそうに違いねぇ。何だか今日は思考が冴えてるな、これから自らの手で起こす出来事を想像して興奮してるから思考が超高速で回転してんのかねぇ。実際に行動に移してみれば分かるぞ俺ちゃん。思うだけで行動に移さねぇ人間共には哀れみの感情が浮かんじゃうのさ。俺は違う、違うぞ、って誓いにも似た念が胸を占めちゃう。俺は思ったことはすべて行動に移してるし、今回も例外じゃねぇ。あの物体でこの一家を苦痛から解放させてやるのさ、って考えてる僕ちゃんは何て優しい男のなかの男なんだろう。俺の強固な意志で概念っていう柔らかな被膜を突き破りたいと願ってやまない。んでもって止まない雨はないように、淀んだ雲がどっかにぶっ飛んで行ったら青天なのさ。これをすれば凄まじい爽快感が俺を地上っていう呪縛から解き放ってくれるだろう。それくらいの快感が得られる行為を思い浮かべて薄笑いしちまうよ、マジでさ、実際のとこ、ほんとんとこ。ネットで検索すると情報がわんさかと次々と出てくる出てくる出てくる。先人の知恵に感謝、ってわけで俺ちゃんは嬉しくなっちまった。カフェオレを飲んでカフェインを脳にキメてから実行に移すか、それともアルコールとニコチンで思考をぼんやりさせてから行動に移すか、ちょっとだけ迷ってるけど、酒とタバコは頭がぼんやりして現実感が無くなるから止めておいた。だって今の俺ちゃんは生々しい現実感を欲してるのさ。俺の部屋のドアを何者かがノックする音が木霊しちゃう。いま思索にふけってるっていうか妄想して悦に浸ってるから邪魔すんな。つまり俺は返事もせずに寝てるフリをキメこもうと思っちゃった。「お兄ちゃん、お兄ちゃん……」ユリの声だ。この世に天使がいるのならそれはお前だ、って以前の俺ちゃんなら思ってたかもしれねぇけど今の俺は違う、変わったんだ、今のユリは俺にとってガラクタに等しい存在なんだ。俺が起きてんのを察知してるんだろうか妹は扉越しに話を始める。「お兄ちゃん、今までありがとうね。これからもよろしく」そんな独白じみたセリフに心を動かされる俺ちゃんじゃないのよねん。もちろん返事はしねぇ、っていう冷淡さを発揮しちゃう。もしかしたら俺が寝てると思って自分の想いを告白しただけかもしれないしね。「また一緒にご飯食べようね。私、お兄ちゃんとしたい事が一杯あるんだ。普通の兄妹みたいに……」いい加減ウザくなってきちゃった。もちろんパソコンは消音にしてあるからアニソンの音が聴こえてないだろうが、俺が起きてることに気づいてやがんのか。まぁどうでも良いか、そんな些細なことは。これからチェスの盤面を一気にひっくり返すみてぇにして、お前らが驚愕するような行動を取ってやるのさ。普通の兄妹だ? 吐き気がするね、反吐が出るね、ゲロが噴出しちゃうね。っていうかこれは笑うしかねぇな。んでもって妹が俺の部屋から離れて階段を下りてく足音がして一階に行くのを確認たあとで笑い声を上げちゃう。今からパパとママとユリは朝食を取るんだろう。もちろん平凡で幸せな家族っていう仮面を被りながらね。「はははははははははっ、はは、はははははははっ!」俺は布団の上で腹を抱えながら爆笑しちまう。過呼吸で苦しくなるくらい笑いに笑いまくる。バロが部屋から出ようとドアを引っ搔いてるけど今はそれどころじゃない。これが爆笑せずにいられるだろうか、家族だぜ家族。家族団らんっていうコント、漫才、お笑い番組。最高に面白いよ、お前ら一家は。自分たちが道化なんだって気づいてやってんのかねぇ。だとしたら本当に傑作中の傑作だよ、マジでさ。これほど面白いお笑い番組はどこのチャンネルでも放送してねぇよ。まぁお前らが演じるコントを鑑賞してんのも悪くない気分だけどさ、そろそろ番組は打ち切りだ。俺がディレクターでお前らがタレントってなとこ。この番組は視聴率が低下したので打ち切ります、って感じ。いかんいかんバロが部屋から出たがってる。優しい優しい俺ちゃんはドアを開けてやった。すると愛猫は颯爽と扉の隙間から出て行って、その代わりに一階の賑やかな声が室内に流れこんでくる。パパが大笑いしてママが何か言ってユリが微笑んでる場面が容易に想像できちゃう。でもでもでもでもそれはお前らが制作した偽物の世界観であって番組であって映画であって演劇であってコントであって人形劇なんだ。一度観たお笑い番組で笑うほど俺は愚かじゃないのさ。
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