投稿一覧破滅派 4,135件

投稿を新着順に表示しています。

  1. マウスのリズム

    • 沢 吹
    • 12年前
    • 58文字

    生温い気持ちのまま 夜は更ける   外は寒い   アスファルトは 懐かしいババロア   マウスのリズム

  2. 青い花 小説

    • eichi kawakami
    • 12年前
    • 2,071文字

    「地下鉄で、ザジを見たの」 町子がそう言ったのは、十月も終わりかけた、やけに陽射しの強い日の午後のことだった。 「ザジって、フランスの?」 「うん」と町子がうなずくと、子供じみて短く切り揃えた前…

  3. グッド・ルーザーになるための準備はできているか メタメタな時代の曖昧な私の文学 / エセー

    • 高橋文樹
    • 12年前
    • 4,265文字

    あなたのテキストは1000年前の人間が書いたテキストよりも良いだろうか。いい場合もあれば、悪い場合もあるだろう。ただし、機械はそうではない。あなたのテキストに関する能力のうち、かなり多くのものが…

  4. プンクトゥム!(2) プンクトゥム! / 小説

    • 中村子子子
    • 12年前
    • 1,335文字

        祖母は、体から煙と言葉を吐きだし、若がえりつつある。 火葬場から煙は途絶えていた。祖母は、さきほど引き出されたばかりの台車を見ている。熱をふくんだ台には祖父の骨がなら…

  5. プンクトゥム!(1) プンクトゥム! / 小説

    • 中村子子子
    • 12年前
    • 1,225文字

          音無しくしていろ、と祈る。 魚の内蔵にさぐりを入れ、浮袋にあたりをつけてからそこに木切れを突き刺す。空気が漏れだす音を確認すると、わたしはその特別な処置…

  6. 雨の教室/落伍者の死 小説

    • 延島迦十
    • 12年前
    • 6,143文字

    蛍光灯が、蠅の羽音のように鳴った。 天井を振り仰ぎ、老いた教師は眉をひそめる。雨の湿度をはらんだ薄闇で、まるで心臓の脈動のように、明滅する白光。その光の下で震える、皺の弛んだ喉は、どこか病んだ鶏…

  7. あぶく

    • nakamaru futoshi
    • 12年前
    • 115文字

    いないひとをおもって泣く、 わたしはかなしみをないしょにする。   あたまのなかでなら、 あのひとも泣いてくれる。   あぶくの恋をする。 つぎつぎとはじけていく。 &nbs…

  8. 父は殺戮の限りを尽くし、息子は本が読める メタメタな時代の曖昧な私の文学 / エセー

    • 高橋文樹
    • 12年前
    • 2,633文字

    いまWebの世界ではGoogleとFacebookによる熾烈な戦いが繰り広げられている。どちらの巨人が勝つにせよ、あなたのテキストは彼らのやり方で評価されるとうことは知っておいた方がいい。

  9. あなたのテキストは人間が読むようなものではない メタメタな時代の曖昧な私の文学 / エセー

    • 高橋文樹
    • 12年前
    • 2,372文字

    いまあなたのテキストは文学的か否かというよりもまず、「いいゴミか悪いゴミか」を問われることになっている。それを知った上でなお、あなたが紡ぐテキストの価値は残るだろうか。

  10. 生のものと紙に刷られたもの メタメタな時代の曖昧な私の文学 / エセー

    • 高橋文樹
    • 12年前
    • 1,930文字

    紙に刷られないテキストの流通量は次第に増えている。あなたのテキストは「なまのまま」でも大丈夫だろうか。紙に刷られることを前提とした「レイアウト」があなたのテキストの価値を支えているのだとしたら、…

  11. 賽は投げられる 小説

    • I-ZUNA
    • 12年前
    • 2,010文字

    賭け事、といってもカジノだとか賭博場(とばくじょう)でやるようなものではない。友人同士で、ちょっとした遊びでやるあれだ。 彼女はそういうのが特に好きな性分だった。 何かがあれば「じゃあ、賭けよう…

  12. 恋するひと

    • 桐山キリコ
    • 12年前
    • 734文字

    〈恋したひと〉 たとえば今 家まで会いに行けたなら 泣きやむまでずっと抱きしめるのに   傷ついてる君を 助けてあげられない 頼りにならない恋人でごめん   何回もきみを 不…

  13. 喪失

    • 桐山キリコ
    • 12年前
    • 596文字

    壊れてく 空もベンチも街路樹も 愛したあなたの墓標と共に   泡のよに ぱちり弾けてきえてゆく さみしい恋にさよならをする   捨ててきた 命のかけらを掻き集め きみに会うま…

  14. 明けない夜

    • 桐山キリコ
    • 12年前
    • 781文字

    明けない夜だってある 終わらない悲しみだってある   君のいない世界 君がいなくても 世界は愛に満たされてる なんて皮肉   俺たちはもう、 終わってしまったっていうのにね …

  15. あたし

    • 桐山キリコ
    • 12年前
    • 485文字

    明日死ぬと 思わなければ生きてけない 悪夢のなかであたしは笑う   絶望に 絶望と絶望×絶望で あたしのいちぶは今日もまた死ぬ   聞こえてる? あたしは孤独なんかじゃない …

  16. ありすと花

    • 桐山キリコ
    • 12年前
    • 536文字

    〈ありす〉 うさぎを追い 穴に飛び込みまっさかさま 楽しい地獄へどうぞWelcome!   短針を3に合わせて 電池を抜き お茶会のための紅茶を淹れる   にやにやと笑って消…

  17. きずあと

    • 桐山キリコ
    • 12年前
    • 487文字

    なんとなし 空に衝きだす左腕 高校時代の記録は消えず   左腕 けして誇れぬ傷跡を 悔いることは自己否定となり   死にたくはないと 確かに思いつつ 頸括る縄探しける我 &n…

  18. 焼き魚 小説

    • 久川茲郎
    • 13年前
    • 1,130文字

    焼き魚が食べたい。そう思った。