作品集『フィフティ・イージー・ピーセス』収録作。第120回時空モノガタリ文学賞入賞。
作品集『フィフティ・イージー・ピーセス』収録作。第137回時空モノガタリ文学賞入賞。
※2017年12月分合評会作品。
人類=病気、というような話です。
ある朝目覚めるとそこは養鶏場だった。男は鶏になったのだ。
子供のころからいじめられていた男は、二十代のある日、世界を平和にする薬を開発することを志す。七十代になってやっとその夢はかなうのだが……
優しい彼女との同棲生活を満喫していた男だったが、新しい仕事をはじめてからその生活に異変が生じるようになる。
愛するものについて、人は常に語りそこなう。ぼくはMとの出会いについて、ゆっくりと語り始める。
とりたてて取り柄のない「ぼく」は絶世の美女と一緒に暮らしている。少し精神のおかしい彼女は、日がな一日なにもせず、いもしない蛇と戦いを始めた。
心理学用語で、全体性を持ったまとまりのある構造をゲシュタルトという。家から出たくてたまらない「俺」を襲う感覚がもたらすものは――「そうだ、アインシュタインは間違っている」