ネット上の炎上を苦にした自殺、誹謗中傷した者への復讐、という点で、前回の課題図書と被るものがあった。前回は全体をコントロールする人物と操られる実行犯という構図だったが、今回も同じ構図かもしれないと見当をつけてみた。一方的な正義感と復讐心に燃える人物が犯人であろう。
三つの殺人事件
①町田 :扼殺後死体をドラム缶で焼く 匿名通報あり
②東尾久 :6/15 11:04PM 発見 刺殺 匿名通報あり
③さいたま:6/17 7:00PM 発見 扼殺 クーラーつけっぱなし、発見20時間前にネットを操作した記録。死亡推定時刻に72時間の幅がある。
三件の事件のうち、二件も匿名通報があるのが不可解だ。被害者はいずれも人付き合いが悪い人物だから、通報をしない方が発見が遅れて捜査が混乱するだろう。わざわざ通報したのは犯人のアリバイを捏造するためだ。アリバイを証明するために警察に早く発見してもらいたかった事件、町田と東尾久については匿名通報があり、そうでないさいたま市の方は通報もせず、クーラーをつけっぱなしにして死亡推定時刻を曖昧にさせた上、インターネットを操作して「生きていた」と思わせる工作をしたと思われる。
炎上を苦にして自殺した春日部ほのかの3人のファンについて整理してみる。
浜辺 戸田市
山木 目黒区
吉村 北千束
6/15(火)
9:00PM 浜辺 ジョギング
9:00PM 山木 宅配便受け取る
11:00PM 吉村 ジョギングをしていて転んで骨折
6/16(水)
11:00PM 浜辺 睡眠記録
6/17(木) 浜辺仕事 山木仕事
犯人は町田の被害者を6/14に焼却し、次に6/15の夜早いうちにさいたまで扼殺し、6/15の9:00前くらいに東尾久で刺殺した。さいたま市と東尾久なら一時間半あれば二件の殺人も可能であろう。と考えると、三人のいずれにもアリバイがないが、6/16にさいたまの殺人現場に再度出向いてネットをいじる工作をする必要があるが、11時に睡眠記録がある浜辺では無理なので、吉村と山木に絞られる。
吉村だと思う。わざわざ引っ越しをしたり、我が身を骨折させてまでアリバイ成立を謀るとは壮絶でいかにもそれらしい。
ところで山木も吉村も推し活にのめり込むタイプで、ゲームに耽溺してその見立て殺人を企画立案する人物には思えない。だいたい、吉村がゲームからヒントを得て殺人を計画したとすれば、自ら骨折をするはずがない。裏で手を引いた第三の人物がいるのだ。
それが瀧川を陥れた「速水」あるいはその「引き籠りの弟」なのではないか。あるいはほのかちゃんは速水の妹だったのかもしれない。妹も弟も理不尽な世間に抹殺されてしまい、「復讐請負人」みたいな闇のサイトを立ち上げて、警察が引き受けない悪人の処罰する手助けをしていたのではないか。彼女自身が世界に復讐するためだ。速水にはそのくらいの役割を担ってくれないと、理不尽に職場を追われた瀧川が不憫過ぎる。
ドラゴングレイブのゲーム中の殺人事件については推理を放棄するが、おそらく骨折をした商人リゴールが犯人なのだろう。見立て殺人が発覚したところで、骨折した者が真犯人とバレるようにしたのだ。つくづく速水は恐ろしい人物である。
匿名通報もアリバイのためと言いつつ、実は自己顕示欲である。最初に述べた通り、通報などしない方が発見は遅れるし、ましてやカードを置いて事件のヒントを与え、実行犯が見つかることまで計算をしている。自分は決して見つからないと踏んだ速水を、瀧川が引きずり出すことになると思う。
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