料理教室が終わり、私は大田さんに誘われ残ってしまった。夢の通りだ…
「今からコンビニ行かない?飲み物と俺ご飯食べ損ねたし」
「料理教室の物食べなかったんですか?」
「うん、俺企画者だし。だから買い出し行きたいなーと思って」
「いいですよ。行きましょう」
近くのコンビニに歩いて行くことにした。
職場じゃない場所で2人でコンビニに向かう。不思議な感覚。
コンビニで彼はパンとコーヒーを買った。
私のお茶まで買ってくれた。
「なんかすいません。買ってもらちゃって」
「全然!気にしないで」
料理教室が行われたてた施設の一室に入り、彼はパンを食べだした。
「腹減ってたんだよね。でも写真撮らないといけなかったから」
「その写真はどうなるんです?」
「社報に載るよ」
「えっ、そうなんですか!私写ってないですよね?」
「写ってる…」
「ええー!やめてください!私写真苦手なんですよー」
「なんで?」
「写真写り悪いので…」
「そんな事ないと思うけど」
「あります!なので私が載ってないのでお願いします!」
「それは難しいかも…」
「え、なんでですか?」
「石渡さんの事ばっか撮ってた」
ええー、そんな事言われても何て返していいかわからない…
沈黙が流れた。
その沈黙を破ったのは大田さんだった。
「あ、もうすぐ面接の時間だ。1時間位で終わるから、そしたら連絡するから家で待ってて」
「家の場所覚えてます?」
「もちろん!2回行ったし、わかりやすい道だから」
「じゃ、一旦帰りますね」
「うん、気をつけて。待っててね」
そうして私は家に帰った。しかし問題があった。母にどうやって説明をするかだ。
母は私の男関係の話には突っ込んでくる…自分の事は棚にあげて…何度嫌な思いをさせられたか。しかし家は独裁国家だ。母の意見が全てで服従しなくてはいけないような家庭。25歳になっても門限がある。なので大田さんの事は話してなかった。
そんな母に何て言おう…私は考えた。
よし、これでいくか!
「ただいまー」
家に帰ってきた。
「おかえり。どうだった?」
「まぁ、それなりだったかな。それでこの後皆で飲もうってなってお酒飲まない人が迎えに来てくれるから出かけて来てもいいかな?」
「いいわよ。でもあんま遅くならないようにね」
と釘を刺されたが、とりあえず外出する口実は作れた。後は大田さんの連絡が来るのを待つだけ。自分の部屋から外が見えるのでベッドに座りながら外を眺め、携帯電話見てと落ち着かなかった。
もうすぐ1時間だ
『ブルル』
と携帯のバイブがなったので携帯見ると
『今、終わったからすぐ行くね。15分くらいで着くと思う』
と大田さんからメールがきた。
『了解です』
と私は送信した。
大田さんに会える。話が出来る。私は完全に浮かれていた
"この世で最愛で最低な君へ"へのコメント 0件