家につくなり、ヨーコはこういった。「嵐が、来るわよ」
サカは天気予報をよく調べたうえでこの日に設定したのに。
「ヨーコ、それはないんじゃないの」
「なんでよ」
「だってわたしがたくさん考えてきたのよ?」
「危ないわ」「あの川を渡るのはあぶない。」「嵐が来るから」「嵐が来るから」
嵐は確かにやってきた。サカの散々考えたことも甲斐なく。
嵐は砂を持ってやってきた。砂は命を持っていた。
砂が命とともに舞い上がった。
ヨーコはサカに「ね、明日にしましょう」といった。
サカも「ええ、明日に」といった。
家は昨日入った時より、一段と暖かかった。
サカは安心してクッションを抱えた。
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