シームレスの無人駅にすと降り立った夢らしき夢を見た。ホームの端になにかがずっとずっと手を振っていた。それは他の誰でもなくたぶん「他の誰」だった。
「世界は今何かに似ているがそれと並べ対比するものがない。サルトルbotすらにも思いつかない」 (M)
ボクは記憶のないまま旅をしていたつもりでいた。名前のない町で名前のない声が響いた。靴の底でテラにリズムを刻みながらも名前のない町の名前のない声からは次第と離れつつあった。
一夜にして静けさが砂になる。深夜未明の地図には罠ひとつしか描かれていなかった。やがて砂が砂場になった。その上には磁石。バス停の時刻表に貼り付けておく。それも裏側に。
「ダイヤグラムに折りこんだ夢は機械の祈りにしか過ぎぬ」 (M)
そのとき目の前に現れた装置はまるで皆の願いを吸い上げるような線形非線形をしていた。ボクはそれにそっと手を差し出した。もう何も期待していないそぶりをしながら。
「だが我々は装置であってだれやかれやの情感を模倣しているだけに過ぎない」 (M)
ノンバリアフリーの駅の改札口に誰もいない空間がぽっかりあった。そこを通ったときボクはとうとう忘れてしまった。なぜここに来たのか。誰を探していたのかを。乾いた回路をなぞる指先がもう一度ボクを呼ぶ。
「消えかけた炎のむこうですべての夢現がまどろみつづけ」 (M)
いまは音だけが生きている
序順の狂った現実のなかで
ボクはそれを※詩※と呼ぶ
"彼方の手、渇いた回路にて"へのコメント 0件