音楽に救い求めてイヤホン手に
身体の約半分占める鞄さえ背負わんとする子の愛しさや
ホームの間落ちるやも知れぬ女児の手は隙間の明かり数えんとす
雨という壊れたピアノ耳にして大滝の声は澄んで聴こゆ
娯楽断ち何を得るかも知らぬのに代わりに心を失いけり
後の世は道の草木になりたしと苦しき我が世眺めて想ふ
家族すら想う様に言葉え交わさずならば治世も然りなり
向島タウンが街並み山に似て
新名神窓より見ゆる橋脚はドーリア式なるエンタシスかな
夏至の空迷い鴎が独りなく心ばへすら人は知らずや
医者の足テスラやポルシェ富なりや
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