噴泉へまぎれゐたりし櫻地獄の正面はたれいづる君の闇
天球さかしまに降るダリア死なずは生まれざる引力の複翼花
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惡一つ爲さざる夕邊蛇連れて郵便配達夫は死を賜りぬ
木薔薇の多翼刈盡して花殻累累たる死与へたし。彼奴に
指名手配こそ承りぬ実刑禁錮百年の死ゆ孵る天使‐蛾
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自鳴琴軋める勿れ蝸牛宮の膜薄氷の襞割るるとも
忌名 花梨の靑銅の膚なす球果電氣機関の言葉殺む爲
ロゴス・セクスアリスの夕血鹽に偽名の神神を創るべし
靑き血の伽藍その命題集に紅玉髄の符丁 さる印璽は
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