なんてフザケた名前だ……。きっと名付け親は自分が頭のいい大学をでていると勘違いを起こして調子に乗ったクズに違いない……。この子のどんな人生の模様にさえ文句を垂らし、きっと何もかも容認しないに違いない……。こんな子の親になる価値などないし、そもそもこの子に価値などないというのに……。なぜ、人は自らの遺伝子の優劣さえわからぬというのだろう。どうして、人は自らの遺伝子の中の病的な悪どい悪影響なタチの悪い不快で詳細不明な部分にさえ気付けぬのだろう……。そうして膣内での射精だけが嬉しいウレシイと思ってしまうのだろう。こんな子。
「慧輔は巣居けけの本名なのでしょう?」
「社会一般的にはそのように語られる」
「慧輔は悲しい子どもなの?」
「社会一般的にはそのように語られる」
「慧輔は哀れな子なの?」
「こんな文章を作成してしまうことに悲しみを覚えるし、そういったものをここに残してしまうことになってしまいそうなことについても謝罪をしてもいいと思っている。けれど、どうしようもないのだ、世間は私の親のように、正論ばかりで廻っていないのだから……」
狙撃銃を点検し、それから発射装置を解除する。あの山嵐のようなオンナは気が狂っているのだ。頭のネジが緩み、そうして、自分にとって都合の悪いことを認識できなくなっている。最大にして最悪なことは、あのオンナにとって都合の悪いことというものは、私たちにとって都合のいいことということだった。なぜ人の親が、その子の精神的な生殺与奪より、金銭の消耗を抑えることを最優先するのだろう。どうして、生んだことが罪だというのに、それさえ自覚せずあらゆる罪が子にあるような態度を続けるのだろう。あの仮面のようなふくよかな顔の下で嘆いているとしても、その口先で怒鳴ってしまっているのだから不快なのだ。
慧輔は狙撃銃の引金を引いた。轟音が鳴り、照準器で狙った母親は倒れた。
「慧輔……」
母親は呟いた。(なんてフザケた名前だ……)と慧輔は思った。(きっと、この親は自分が頭のいい大学をでていると勘違いを起こして調子に乗ったクズに違いない)と思った。「どうしてそんな名前にしたの?」と慧輔は訊ねた。「それしかなかったから」と母親は千切れたへその緒に呼びかけるかのように答えた。慧輔は再び引金を引いた。頭が震えていた。
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