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理解者山羊。

巣居けけ

回転して通り過ぎていく坂の中心地点と蝋燭を投げた囚人……。それからさらに高騰するまるで理解者のような手口と授業料の相殺……。おれはレジカウンターに居た。あいつはどこにも居ない……。鏡の中に山羊が映るのだがおれのことを知らない。やつは理解者じゃない……。

小説

9,892文字

回転して通り過ぎていく坂の中心地点と蝋燭を投げた囚人……。それからさらに高騰するまるで理解者のような手口と授業料の相殺……。おれはレジカウンターに居た。あいつはどこにも居ない……。鏡の中に山羊が映るのだがおれのことを知らない。やつは理解者じゃない……。

簡単なレシピと虚言壁の男が活動を停止している……。サモ、サモはどこだとおれを呼ぶ。サモオはゲイの末路でありいつでも女装した男児を攫っている。

まるで錠剤のような資金源に地下を想いつつ立体的なパーソナリティをひとつ想っておく……。いいかコンピュータ、おれたちは生まれ変わった。今日のラジオのテンションで占いを仕掛けた後に催促する……。

カリスマ的な嘲笑を起こす囚人。彼は立方体の中でのみ呼吸をしている。そうして中年男性の予防注射の日程を改ざんし、追い出され、また薬のために金銭を溜め込んでいる……。刑事がそのように話していた。おれは刑事の会話を盗聴し、そこから有益な情報で歌をやっている。けれど、けれどだサモ、歌うたいのサモ、なぁアンタ、いい加減、そんな値段を選んでいる暇があるのかね。博士は特別な饒舌のままで進んでいるというのに……。

そうして廊下の奥から聞こえる暗闇のような声が硝子へ変形し金銭になる……。おれは惑星から惑星へ飛び移るように汽車に乗り、地図に描かれた街に向かっておく。

自動車と車椅子とコントロールの厨房……。彼らは出版の中で性行為に至る方法をすでに知っている。

それではまずプログラムの方法を理解しろ……。そうして清掃員の補充をしておけ。あるいは、小説の開花の方法というものを見直せ……。編集者の男が煙草と共に万年筆を受け取る。おれはそれこそが取引の実態だと見抜いている……。

注射器を構えた男が居る……。リベレーターという名の銃火器を持っている……。やつが弾倉を捨てながら歩くだなんて画期的だ……。サモ、お前もそう思うだろう。

注射器の所在を調べておけ……。油分を観察しろ……。お前は視ているだけでいいのかい?
「生徒を食っているの?」街の中の山羊たちは常に自分の身分についての理解力のみを飲んでいる。カクテルの中に沈む保険証……。チョークを孕んでいる指揮者……。サラダのように地底を開拓している求人募集のチラシがある。おれは街の中からさらに街をみつけることに成功する。トランシーバを持ち、スマァトフオンを手に取る……。
「サモ、こちらサモ、適度な温度を要求する」

だが軍隊の歴史より硬い通信網など存在しない……。おれは周囲を見渡し、この街に山羊しか居ないことを知る。
「しまった、銃声だっ!」

そうして患者識別番号八九六六七二・五十嵐は死去する。また、ここで発生した精神的汚染及び注射器による薬物乱用の『足跡』は全て誤解のものとする。

報告書を読み終え、おれはタクシーを降りておく……。

けれどその背後で運転手が文句を呟く。
「カネなしかね」
「いいや……」おれはちょうど薬物常用者が看護婦の頬にキスをするかのように呟いておく。「まるで風に化粧道具を忘れたみたいだな、今日は非番かい?」

するとタクシー現場が診察室に変形する。そうだ、あのスライムが吸い取られてゆくような心地だ。そうしてあのべたべたと煩いものが拭われ、後に床の少しひんやり静まったものだけがむき出しになる。あれは注射を打つ際の心地によく似ているものよ、母さん……。

彼らは絵文字の中から消費者を自分で選んでアスファルトを食物繊維にする……。「でも、そんなことではバァー、の中で夕暮れが視えてこない」
「それでも死去するしかない」という合図と共に全ての黒い服装の工作員がその場で墓にねじ込まれてしまう。視えない……。

下着が破裂する音……。教室で椅子が蠢く音……。それに引き寄せられて文字を書く作家……。タンクトップに憧れる女児……。いよいよ登場する階段の魔術……。歴史的建造物を破壊する瞬間に射精して一度だけ回転する山羊……。まるで太陽のような月……。

獰猛は外科医。フラスコの透明度を気にする。手順が違うのだよ、手順がね、手順がさ。

溶けてゆく診察室にスライムが放置されている。山羊が群がり、それを啜って新しくまた溶けてゆく。

そして僕は会議室の中から発狂を選んで検索を開始したのだけれど、ここでプロパティというものが問題となった。いいや、僕は教室の中心でまるで教師のようにチョークを食べてみる。誰だって、メールアドレスを視認するとわくわくする。僕は保護者のような目線のままでアイドルを見続ける。「どうせみんな包帯に成って逆立ちするんだから……」
「でも、興奮する!」掃除機の音に被せて演奏している……。マイクが山羊の形に成っている……。どうして山羊なのかなんて誰も知らない。誰もカクテルの底の部分を視たことがない。物理的ではない全ての感情に名前をつける。どうして名前が必須なのなんて誰も知らない。誰もドッグフードの素材を理解していない。僕には照明証というものが存在していない。マンホールの絵を描くとする……。

ハレンチな少年のそのカスタマイズたちは自分の中の病棟にたどり着くために街に訪れる。すると火炎放射器を装備した軍隊に山羊と共に片付けられる。簡単な仕事だった、なんてアナウンサーに媚びを売る。全員が薬物常用者ではないがしっかりと陰茎が黒い。そして自らの臓物の色を教え合い、それが勲章だと誇らしげに語る。
「おえ、それって未解決みたい」

多くのアナウンサーは自らの膣の形を知らない……。
「たとえそれが男のものであっても!」
「純粋さを湯水のように駆使してはならない!」

新しい政治家の山羊が打たれ、テレビ局たちが鳥になる。軍勢の輪郭に山羊が居るという事実についに医者連中が気付いて講義を企てる。全ての数学的山羊出現条件が陸軍連中に網羅されて山羊が兵器になる。

彼らはまず自分を騙すのではなくタクシー運転手を騙す。「どうして彼らは金額を嘘だと見抜けるの?」
「いいかい……」キャスターはそれから無数の穴の冒険を続ける……。どうしてアナウンサーが居ないの、と山羊たつまらないまま質問をし、彼はリベレーターで射殺される。まるで自分が探検の亡者に成ったような心地……。そして料理をしたいという欲求のままで図書館に至る……。死後に村に到着する。「意味がないじゃないか」

嘆いている山羊が街の中心に離脱する……。軍事兵器奪還作戦が二度に渡り開始される。街並みを愛する者たちがステンを持って駆けてくる。
「軍曹、あれはどうしますか」
「殺せ」

そうして陸軍連中はこのトグルアクションとかいうもので山羊のように人を撃つ。

衛生安全局の人間たちがチラシを選んでいるふりをする。
「なあちょっと、助けてくれよ!」
「無理だね。今は急用だよ」図書室らしい雰囲気でミネストローネを食らう白衣の男……。彼は立体的な女性のみを好む。そうしてどうにも一斉に、まるで蟻のように枯れ葉のように葉巻のように獲物のように蛇らしくまた、軍事的な介入を気取って意気込み、出版社たちの葬式にいつでも顔を出したあのサモのようによく似た顔つきで集団を形成する……。透明な宝の地図を選んでいる……。
「発展した鳥居? それとも――」泣き出してしまいそうな老婆たちが二人だけのカクテルを嗜んでいる……。腰の部分でカクカクと動く古い布だらけの老婆。檻の四隅から道楽して余力を使い果たしたカップケーキの黄色い違和感……。
「いいえ」という呪文のような色紙と色素と村長と司書と図書館の初体験たち……。「はい」という診断書を求めてサモの友人たちが薬局を襲う。
「彼はいつでも集団で授業を選んでいるの?」
「君は、しょぼいな」廊下からこちらを渡って最期にメスを入れる……。人体から山羊色の血飛沫がはじめて誕生し何か泣く……。
「煩いな」
「そういうものです、伍長」
「だが、なんだ……」山羊が山羊のまま飛び出てかすめてゆく。「どうやら照明に弱いらしいな」

それからサモの友人の一人は腹の部分に照明を移植され、それをいつでもどんな陸軍軍人であっても鳴らすことができる。
「サモ、ほらサモ!」
「僕はサモじゃない……」

気に入られた陸軍中尉の個室へ急いで駆けてゆく温かい腹だけの友人……。

疾走感と風の流れに記者たちは魅了される……。感電たちと入り口と就職したはずだった山羊。「めぇ」

なあ、もう二度とその鳴き方をしないでくれ。約束というものだ。わかるかい。約束さ。ヤク即。つまりみつけた薬はさっさと使えという組長の格言さ。わかるかい、それで君たちは約束というものを生涯のうちで何度するのだろうね。はは、わからないが、まぁわからないままでいいのかもしれない。

約束というものとはそもそも束縛から派生した立派な重力的な人間の模様なのだよ……。
「山羊同士の約束事のみで山羊の力量を図れる……」
「めぇ? いいえ――」保健室の教師のような顔で楽器を選んで三種類……。擬音と松明と注射器と建築材料の洞窟の住処。「山羊山羊、だ……」

そして山羊たちはそれぞれ自分の自慰のことを立派なコラムとして提出する。夕暮れが山羊の形に成る。路線の中に山羊駆動式というものが登場する。博士が新品の蜃気楼発生装置を山羊に対して受け渡す。フラスコ型山羊、あるいは、山羊のための山羊の形の山羊色フラスコ出現……。

 

始まりと投てき物とゴリラの腕力を再現した透明な不審者……。週末に崩壊して二畳ほどの帽子に唾を垂らす数学の素手。
「僕たちは始まりとそれ以外と音楽室と精液の香りを満たしてから高級なレストラン・タイムに向かったんだ……。すると階段が向こうからやってきて、僕たちの素手や首筋や内部の血管なんかを一気に吸い尽くしこう発言する。まさか君たちの中に博士号を取得した者は居ないだろうね、僕はそんな連中がイチバン嫌いなんだ。けれどおれたちにそんな余裕はなかった。誰でもそうだと思うのだけれど、キーボードを押すだけで超人になれるのなら躊躇わずに行うはずだ。一体化してから駆け巡っていったんだ……。ヘルメット職人たちが目指した山岳地帯のような朝日に太鼓の名人を仕向けてからホワイトボードに液体を放って人間を進化させてやる……」

いいか、合図は銃火器のように素早く完結させろ。いつまでもレゴブロックの動画を観るな。

トムはいつの間にか出来上がっていた拡声器にスピード・ガムを擦り付ける。またコンビニに対し、自前の毒液を投げかけてから続ける……。「さらに? まさか……。僕はレジ係だったけれど、理解者たちのような下校途中の硝煙に素手を垂らしてから骨折の味を確かめるだけだよ」トムの影が陽炎として世界に観測されてしまう。

氷が落下して遊んでいる……。球体が声を発して告発にやってくる……。記者の歴史が崩壊してから建国のための試練が開始される……。立体的な山羊が居る……。ああ、ハンバーグ、ステージ、ブロコリーを食べておく……。山羊がおれの目の前でひたすら咀嚼だけをしている。それはなんだ……。ブロッコリー所属の職員が硝子の狭間で制服を脱ぎ捨てている……。「これ、売れるかな?」

さらに試験を過ぎ去った公園の痴態に酔っている科学者の類……。宇宙というエネルギーに山羊を投入し爆発物を生成する……。まさしくエネルギッシュな未来がやってくる。

その体毛にボリュームの濁点を付けて採用されていく……。凪と風と擬音の飛行機たちがコンクリートから生み出されて公衆の便器に人間を宿す。
「背徳的?」という山羊の群れが進んで酒の類を舐めている。「これは舌が伸びるな……」

従業員のような彩りの酒に全身を浸らせてから髪を解いて心臓を停止させる命令を下す。
「ねえ、どうして対岸に渡すの?」

書類を持ち出した女の司書が回転している。頭から血と山羊の粉末と支店の契約書の破裂した最後を流しながら注射器を舐めている……。
「それはね」
「それは理解の力と癌と発熱と夏のような光景に試すためだよ……」理解者中尉の声が全ての従業員の耳介に入り込んでその場で溶けてから粒のようになって脳まで発生する……。さらにコートの裏側で歌詞を記入した電信柱職人たちが自分の腹の中の工事現場にショベルカーのような幼児を楽しんで焼いている……。「おれは硝子の色で色彩を知る……」さらに過ぎてゆく幼少期……。件のマンハッタンカフェのような長髪が綺麗な香りの教会の中で指輪をはめてにこやかに食んでいる……。
「おい、ぶん殴るぞ? ぶんな、ぐるぞ? ぶんなをぐるぞ?」
「なんだよ――」

という呪文を解き放ってからさっさと行ってしまう商店街の男の一人……。
「ぐるぞってなんだよ……」革のシャツを着たロクデナシの男が煙草を咥えたままスマートフオンで連絡をする。
「いいか?」

我々はいつでも歴史の隅の位置で監視しなくてはならない。倫理という宇宙の法則に乗っ取った解離を性的に消費し、さらにあくなき研究への乙女に全ての唾を垂らさなくてはならない……。最後に生き残るのはいつでも道化師の真似をした文学者で、定規と定数と国技のような白色の煙を吐き出したパペットの人形たちが、どんどんと離れていく頭痛の素晴らしさに気付くのだ……!
「で、それの決行の日にちは?」
「今日だ」男ははきはきとした声色で理性を演出する。
「今日……?」インターホンのように活動してみるが、それでも五月雨は過ぎてゆく。「急すぎる……」

領収書を処理してから休日の憶測をすぐに開始……、電源を入れてから立体的な男たち……。その酒場の風景を連想して絶対的な信仰心に酔う山羊……。「ママ、もう食べられないよ……」万年筆がすぐに雨のように降り注いで二枚目の歌舞伎の太鼓を演奏する……。
「白昼夢だって?」
「ええ」
「それで色は?」
「黒です」
「また、下着を破ったのか?」
「ええ」
「じゃあ……」ガソリンを吐きつつ近づいてみる。「それ以外で……」

さらにカクテルとカフェインとバーの男たちを拒否して携帯電話を取り出す主人。「これが昔のノンアルコールなんだよ!」

小さな芸当と枯れ木とそれ以外の地球儀の全てをつぎ込んでから死んでいく魚の集団……。教科書のさ中の色たちとパレード……。
「排斥だって? 勝てるのか……?」
「心中だそうで」ショウジはいつものように情けない恰好で全裸になる。
「心中? それはつまり……」大将はそのまま語り部のような帽子と試験管と足への攻撃だけで乗り越えていく……。「――果てだな」
「いいえぇえぇえぇえぇえぇえぇえ……」時間の空間と空手の達人たちと喜ばしい研究の一遍。「僕たちは六代の仮想通貨ですぅ……」
「仮想通貨だって? 真剣なのか? それとも落下?」
「信じがたい、時間」と言い残すように立ち上がってから小さな門番を叩いて失う。
「時間ならあるだろう? いわゆる――」そうして放たれた短期間と液体になった風味の惨状が、いつかの再開と手紙の落下速度と力学的な羞恥心に酔ってからコンビニエンスストアの扉を破壊し、さらにその足で就職の定義を覆すはずだった。

さらに言えば、どうしようもない虹色の集団。魚類と昆虫的な低い声たちが合わさってからバラエティ……。君たちは連続で襲撃しろ……。伍長の死にかけた命令がまた聞こえる。おれのコンピュータを呼び覚ましてくれる。よし、まずは襲撃し、阿呆の仮面のような滑らかな飛翔を車に還して電源を挿入する……。文章と文章ではない数学と繰り返しの国家の大逆を遮る文章……。裏手に回った怪力の男たち……。「戦争だって? はは……」二階の家庭とカメラマンたちと大々的な菜園のアナウンス呼応。

剣劇と幕引きと硬質的な感覚の書道……。ターゲットと竜巻と脳の異物と多対一のためだけの死亡診断書……。底に浮き出てから判定されるテレビの電波のような繁栄する立体物……。「素手で作ったって? 嘘だぁ……」伸ばすように歯茎を押し込んでからエレベーターの隅で脱糞を繰り返す少年性愛部隊の男。「ヘルメットの中から芽生えた触手……。ぼくたちは歴史の中間地点に潜んでいるアルカリ性であり、まさしく思想と呼べる山羊組織なのです」

笑顔をモチーフにした心中部隊と眼鏡の写された透明的な感覚……。研ぎ澄ましてから羅列するコンビニエンスストアの店長……。

それからスーパーマーケットたちの自動的に就職する書類の閃光の果て。
「最後まで見てるって思っただろ? でも現実とゲイと蟻の巣の校章はそうはいかなくてね……。へぇ、へぇ、へぇええええっ。それとこの拡声器では君の内申点は上げられないよ……」眼孔と脳裡と体躯の穴たち……。濯がれてから洗い出される告白の手順……。「一回だけで灰色の緑を示せ……。そして落ちているモノを拾って口に含め……」
「始末しろ!」というピストルの声と共に橋を渡す……。あの種類はなんだ、ワルサーの何型と呼ぶか。とにかくおれはこの音と、それから硝子とプラスチック爆弾のような少年に唾を投げてトランペットを破壊する……。「もうこれは要らないね……」用済みになった真剣の達人に低音で侍を起こす……。ハンモックの中心で裸足を歌ってから栗の折り紙で気を紛らわす……。「行」

血統と教室と統治された国家……。三角形の体育館とバスケットボールたちと落下していく詩人の側転……。「手裏剣ではいけないの?」
「城だもんな」愚鈍の性格とシリアルキラーと朝食のためだけの牛乳……。「もう腐ってるよ、カアサン……」

霧雨のような人間観察が続く……。最後まで見つめていた葬式の余興でサーカスを呼ぶ……。現代の科学で全ての銃火器を飲み込む……。二度目の手順を間違えただけでカーストを知り尽くして満月を嚥下する……。迫り来る汽車の囚人が自分だけの掃除機を目指して秋刀魚を焼いている……。「そんな見た目で何ができるの?」億足だけの人間観察がさらに続いて唾液のような始末を欠損する……。大胆な――それでも雑巾よりは大雑把だったし、キーボードを変換する際の音などよりは小規模だったが――授業の中で虹色の液体と対面して御子を探す……。「ここはどこだ?」

千年の時間の経過の時点で自分の中の辞書を舐める……。出血の多量さで多様性を呼んでいる……。
「誰の背油なんだ?」
「山羊」一つだけ吐き捨てた後に「山羊山羊!」とだけ鳴く……。さらに、料理を続ける……。
(最後まで続いた全ての会計の中から、栓と鮭と昆虫の羽のような香りを落としておく。また、新しく残っていった教室の中心の人物……。再現可能な性行為のインタビュー……。なんとも劣勢だがそれだってシステムがどうにでも書き換えてくれるわ……。それより、あの同意した二人の両生類たちにシャワーヘッドを投げておいて、お願いね……。あなた、右足に搭乗させる小人の種類を決定してほしいの、夕暮れまでにできるかしら……。ええ、主と主以外の国家とその血統にこびり付いた油のような粘土にスーツを被せてから寝床を爆破して新築の動物園に駆け込む……。足の手順を困惑させてから大音量のアナウンスに殴りかかって山羊を殺す……。脅しの就職先と保健室と温まるかかりつけ医のためだけに近道を探してフードを被ると、それを合図にした単価の昆虫が口を開いて落下してくる山羊に飛びつくわ……。しかし、しかしねあなた、聞いてちょうだいあなた、どうにでもなってちょうだいあなた、山羊という不安定な存在は観察したいくつかのグラフを舐めてから学校に出向き、二階建ての保健室で鏡を発見してから悪事のプロっトを咀嚼する……)
「理由の無い不確かな暴力……?」

挙手と共に工事現場の利用価値を正す……。
「質問? それとも、刺し?」
「いいえ……」聖なる生徒はいつでも自分の制服の印を舐めてから山羊のように鳴く。「山羊山羊! 僕はチーズの鍵じゃない……」
「なら早退しな……」教師はいつの間にか彼の真後ろに向かい、溶けるような声質で囁く。その、何重にも成った魅惑の声によって導き出された神秘の発芽が、やがて少年の右腕に宿ってから恋文として再起する……。「行」
「この世が終わることがそんなに悲しいか? はは、わかりあえないな……」

ラジオ番組のパーソナリティの男がスーツを正し、おれの喫茶店としてのポジションを奪ってしまう。そうした咳払いの間に全てを吐き出し詩を記入する……。南方の躁鬱に従事した医療関係の女がロケットのように二十秒ほど浮遊してから八百屋に激突して発狂をテープのように繰り返す……。「君は詩人だね?」
「僕はポケット職人だよ」

人形のような顔つきの音楽で全てを肯定してから否定して新品のリベレーターを取り出す。

掘り尽くす最後のスコップ。「ステッキ? ああ、ショベルカー?」
「銃器ならとっくに廃れたよ……」休み時間に実験室に籠って爆発を演じる美人の科学者……。「君は女? 男? それとも山羊?」
「山羊山羊!」

すでに言葉を喪失した山羊たちだけが歩む洞窟の最果ての駅……。「電車みたいな高速山羊……」研究室と実験室を同時に攻めていくプロフェッサーじみた山羊。

おれはそうしてリベレーターを撃ち込み、この腐った司会役の男を撃ち殺した。爽快だったが何も変動しなかった。数学というものを信じることを強いられた生活だったがそこに意味はなかった。階段を上るようにゲートを開いて木製排莢棒を差し込む。薄っすらと焦げた薬莢が宙を舞っておれの頬に下る。

最後まで生存し、それでもまた戦争を企てる歴史的建造物の中のシステム。おれはそんなやつにまた一発を撃ち込まなければならない。すぐに装填しろ。準備完了後飛び出すことになる。車が車道を無視している。そうだ、山羊のための道を造っておこう。そうして後に続く革命の山羊を導いておこう。ああ、調理……。包丁と研ぎ澄まされた金銭感覚と湯舟の中の金魚……。おれはいつかの日に視た夕暮れがゆったりとおれの記憶の中で山羊に変換されてゆくことを視る。そうして額を上げ、また新しい今日だけの夕暮れを前にする。
「山羊山羊……」

また、新しい形の山羊が誕生している。おれは股間の部分でこの世界の全ての山羊の事情を把握するに至る。コンピュータのような脳漿に山羊が宿る。

吐き出されてから唾液に飲み込まれる排水管たち……。まるで百足のような二階建てのビル……。おれは見上げ、さらにリベレーターの調子を診る。

酒と鮭以外の魚類……。明日の正午に予定されている画期的な音楽のための心中の手筈を視る。ロープの用意が足りない……。あの公園は今は人が居るのだろうか……。手順の支離滅裂がおれの背を這う。おれはこの簡易的な拳銃をようやくあの構成員のように構え、また腕がばれないように撃つ……。「僕は物理的な干渉で死ぬような山羊じゃない……」

いいえ……。私たちは地底をまな板として使用する……。呪文のような高等部がおれの脳裡に在る……。だがおれは女児が成長することだけに耐えられない。いつでも小さいままがいい……。でも小さいまま知的にならないでほしい……。さらにおれはこの拡大と角度とカクテルと氷を示す数学者を発見する。リベレーターを準備し、その背を見上げてこう叫ぶ。「山羊山羊!」

ロケット、それから推進力とその後、国語力に体育の授業がみずみずしい……。おれはなんための銃弾なのかとまた理解する。泥と焦げ茶色の鼠……。彼女たちがこの街で、今でもゴキブリのような死骸を愉しげに突くことがあると知る……。にこやかに憂いつつ今日の手筈を視る。他人の母親だけで繰り広げられる死体のゲームだ、これは……。

ゲームの進行役に抜擢された新米警察官は死体を視て驚愕した。彼は、いつでも自分のその素手の影響で問題がこの街に流れ込むことをそこでようやく理解する。手元を視る。すると銀色の拳銃が落ちている。警察官は何か取調べのような態度でしゃがんでそれを掴み取る。

現場ですぐさま取調べなんておかしなことだ……。

どこからともなく声がする。それが山羊のものであることを新米警察官はすぐに理解する。いいや理解している。握り込まれた新品のリベレーターにはまだ五発が残っている。

問題を発掘することが可能であり、来客連中とスポーツ選手とバスの運転手、またあの空のような陸軍連中に新米警察官は銃口を向けておく。その手さばきに哺乳類を感じて帽子を整えておく……。
「呑気なヤツだな……」さらに書類にいくつかの痰を吐きつけて提出しようとする……。「なんとか言ってやれよ、そこの占い師」
「行」

そして、唐突に現れるジュース飲み過ぎ山羊……。

© 2025 巣居けけ ( 2025年7月19日公開

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