蕎麦つゆの中で踊る黒い妄想。かつての知人が告げたのは恐ろしい家族の過去だった。若き俊英が送る傑作短編。
※「血は世界に満ちて」のIF的続編である。 “私”が終焉を遂げず、生き続けた数年後。未だ数々の個人的苦しみを背負いながらも“私”は社会に埋没して生きていた。ある日、学生時代の友人である吉村…
雷に打たれて死んだ男が生き返った。見たところ、特に変わった様子はない。しかし、「生から死へ」という自然の摂理を逆行した彼を待っていたのは、不思議な出来事だった。不気味さとおかしみの同居する、ユー…
「日の因子」と「影の因子」を軸に、光と影をイメージした詩を集めました。朦朧とした意識が捉える2つの因を感じてもらえたら幸いです。小説『影の影』と双子となる作品で、まずは数々の因を散りばめる大事な…
祭の日、俳優の小野寺純は、馴染みの喫茶店にいた。店内に、自殺機について話している老人と中年男がいた。会話に耳を傾けていると、小野寺の携帯電話が鳴る。電波が入りそうな場所を探しているうちに、自殺機…
800万人の命を奪い、禁固2億8千万年の判決を受けた武器開発者アルフォンソ・ベンスラ。超人的な知識人であるとともに「重力に逆らうな」という奇妙な哲学の持ち主である彼の日々を、刑務官の「私」は冷静…
落雷で死んだ男は、排泄物を尻から吸い込み、完璧な料理として吐き出す力を身に着けた。吐き出した食物を知人に分け与えると、美味い美味いとありがたがる友人たち。そんな悪ふざけが続く中、旧知の女性と食事…
※破滅派オリジナル作品。 パウロとタキは、パウロとエンリケが小さい時に良く来ていた公園を訪れていた。しかしそこへ、警邏中の石原と草薙も現れ……。
殺した「愛人」を、彼女が望んだ所へと送り届けようとする、「僕」、の「詩」
※破滅派オリジナル作品。 ※筆者や筆者の知人の体験を一部含んでいる。 北関東某県警の新米婦警草薙は、いよいよ自分が警察官としての力を行使できる喜びに震えていた。 そしてある団地の前では…
ぐるぐると同じ場所を回り続ける。それはダンスのよう。
近未来を思わせる谷底の世界で、「二番目の息子」は声高に叫ぶ。噂が蔓延しないためにも、父の身体が腐る前に葬ってやらねばならない。
きっと、あなたの時間を一分も奪いはしない掌編小説。あなたの何かが変わることを作者は願う。
詩です。ふと東武東上線寄居駅で蕎麦を食べたことを思い出し、そこからイメージして書きました。もっとグッチャグッチャにしてやりたかったのですが、なんだか色々と見失いそうでしたのでコンパクトにまとめま…
だいぶ勢いをつけて書き始めた詩でした。まとめるのにちょっと苦戦しましたが、なんとかテーマにそって支離滅裂な内容に仕上がったと思います。作中の数を足す(11は1+1、360は3+6+0、3/5は3…
ドエライコトヤナ ドエラコトヤ……奇妙な囃子が耳に残る、拒まれた者の叫びを綴った自由詩。
ちょっと暗めの詩ができました。感情的に書いてる分には面白いですが、読んでみると酷いですね。日常に有り触れたこういう言葉はいくらでも並べられるので、書くよりも削るほうが難しいです。
実にシンプルな詩です。表現もかなりストレートだと思います。ひねりはないですが、英語にしやすそうな言葉を選んで書きました。タイトルは午前3時の思い付きです。