肩から湯気を立てた加賀の猫目が俺の脇へ横たわる。
「明るいってば」
すでに調査済みのスイッチを速やかに押し、スライムバストを揉みしだく。していざ、最終ミッションへと突入し……かけたそのときだった。
「うそだろ、おい……」
噂には聞いていた。が、まさか自分がそいつと懇ろになるなんて思ってもいなかった。
「なんなんだよ、これ!」
よく知った感触を手のひらに感じながら叫ぶ。
「ばれちゃった。へへへ」
「わ、笑ってんじゃねえよ、てめえ……」
Stay with me 雨が雪に 変わるわペイヴメント
人影のないカフェの窓 白く煙るの
脳裏に蘇る心臓型の耳飾り。猫の瞳にダイアモンドの輝きを宿したハルだかアキとはもちろんそれっきりだ。
「やっぱアイドルっつったら、明菜だろ」
未遂だが、Bまでしてしまった彼との記憶にきつめの封印を施す。放置してきたツレには朝一番で謝りに行ったが、本当のことはさすがにいえなかった。
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