私の午後の15分休憩は貴重なものだ。だから一段落ついて事務所に戻る時、喫煙所に人が居ないか確認する。人がいなければ休憩。私の他に休憩がバラバラな人達は居る。
鉢合わせる事もあるけど、仕事仲間とバカな話をしてる。彼らはもちろん男だ。
今日も一段落ついたので休憩しようと喫煙所に向かった。今日も1人だー!
- ああ、落ち着く!と煙草を吸ってると
ガチャと扉が開く音がして視線を移すと、
「お疲れ様です」
大田さんが入ってきた
「お、お疲れ様です」
そして彼はまた私から離れた位置に座って煙草を吸い始めた
私は特に用もないのに話しかけられまいと携帯電話をイジっていた。
「石渡さん、彼氏とは頻繁に会うの?」
突然聞かれた。一旦思考が停止した。
ぐるぐる考えて
「時間が合えばですよ。向こうは土日休みだけど、私は不定期だし…それに…」
「それに?」
「会うとすぐSEXなんですよね。それが結構キツくて…どうしようか考え中です。」
と私は何故か笑いながら答えて。
「そうなんだ、大変だね」
「あ、大田さん彼女は?」
何故か聞いてしまった。自分だけ知られてるのも癪だし、何となく聞いてしまった。
「居るよ。大学の同級生で最近しばらく振りに会って付き合う事になった。彼女は東京だから休みの日に会ってる」
「そうなんですね」
居るか居ないか聞いただけなのに馴れ初めまで勝手に大田さんは話していた。
でもこの時点でも私にとってはただの同じ会社の人。それだけ…でも喫煙所で会う事が増えた気がする。2人だけの時間が。
話す事はもっぱらお互いの恋人の話でいい話でない。
「俺の彼女、精神病なんだよね。だから俺が傍にいてあげなくちゃ」
大田さんはポツリと呟いた。
「そうなんですね」
私はその言葉しか出てこなかった。
なんだろう?最近モヤモヤする様になってきた。
私はまだ気付いていなかった。
"この世で最愛で最低な君へ"へのコメント 0件