さっきまでの俺が最強だった、正確にはさっきまでの俺のちんぽが最強だったってこと。何でもそこら中にいる女は全員俺のちんぽで突き立てたと言っても過言ではない。正直言って俺の足や俺の手や俺の心臓とか脳みそとか俺自身のすべても含めても、俺のちんぽの方がよっぽど活躍していた二十五年間だったと思う。そうやって生きてきた俺のちんぽがついに死んでしまった。ちんぽが死んだってだけならまだいいやとなるかもしれないけど、より説明的に言うなら、俺のちんぽは触れると激痛が走る。ありえないほどの激痛が、信じられないほどの激痛が全身に走る。触れると、頭の先から足元まですごい痛みが、全てが、燃えるような突き刺すような痛みでつつまれる。さてそれでどうやって女に突き刺すのだろうか。それはまずい。空気に触れるだけで痛みが走るのだ。だとしたらもう俺は一生女に対してちんぽを突き刺すということはできないのではないか。そう思いながら俺は女を手まんして、目の前にあるテレビの真っ暗な画面に映る自分の姿を見ていた。空気に触れるちんぽの激痛に耐えながら、手まんをしていると女が、ねえちょっとやる気あんのいつもと全然違うじゃん、と文句言ってくる。面倒くさい。くだらない。手まんなんてそもそも興味もないので、ほんとうなら俺のちんぽがあれば突き刺せばそこでしまいだ。俺のちんぽが突き刺せばしまいよ、といったところなのだ。俺のちんぽが刺さったまんこは溢れだす快感とともに全てが破壊されたように喘ぎ、その後は記憶がない。さて手まんにも飽きたところで、俺はどうするべきかな。このちんこを挿入する以外でどのように性行為というのは存続できるのかとりあえず、キスをして舌を入れて、ということをしてみるが全くもっと盛り上がらない。俺は俺のちんぽに集中しすぎている。舌の先がちんぽであると考えながらキスをすること、キスをしながら同時にフェラされることを想像する。まったく気持ちよくなんて無い。キスなんてそもそも不可能なのだから、俺が彼女の唇にキスをする時、彼女は同時に俺の唇に触れることは不可能だ。そう思いながら俺はいつまでもキスをしているが全くもって舌はちんぽにならない。つぎに彼女のおっぱいを揉んでみる。しかしながらそのふにゃふにゃな物体に対して俺は何も興奮しない。彼女のおっぱいや彼女のまんこやその他、足首くるぶし太もも首筋それらに対して俺は興奮しない。全くもって興奮しない。俺は、いまは使い物にならないが、俺のちんぽだけに興奮する。俺のちんぽが性行為をすること、そのものに興奮している、だからこそ性行為というのは不可能になってしまったのかもしれない。
そんなときおれのいたみを、癒す唯一のものは、ちんぽがとことことあるいてまんこにはいっていくという妄想だ。夜ぐっすりと寝ている俺のベッドからちんぽがとことこと歩き出して、寝ている女の部屋に忍び込む。そしてベッドに入り込み、いつのまにか女のまんこにちんぽはすっぽり入り込む。そしてきっちりと射精し日が明ける頃にはいつのまにか俺のベッドの俺の下半身に戻っている俺のちんぽ。
そんなときおれはある女性とであう。その女性にさわられているときだけ痛みをかんじない。
だが顔がめっちゃブス。ひとを見た目の美醜で判断するのはよくないからこう言い換える。女の顔についてはなにも言わないが、おれはその女の手だけがほしい。そうおもったらおれは決断が早い。決断の鬼。女の手を切る。
切った後に血がドロドロと溢れてくるが俺はそんなもの見て見ぬふりなんてできない。でも気持ち悪悪いものを見てられるか知ったことない。そのブスの女から切り離された手が俺のちんぽに触れるとひどい激痛が走る。なんでだよ!いてーよ!どうにかしろよ!俺のちんぽ!
そんなことをしているといつのまにか、ほんとうに俺のちんこはどこかへと歩き出してしまう。 根本から小さな足が四本生えて、どこかへ行って、勝手にどっかの女のまんこの中に入っている。それは夜の間に起きる出来事で朝起きた時俺は気づかない。
だからあるとき、世界中に俺のちんこによってできた子供が大量発生していたとき、この事実に気がついた。世界中が俺の子供でいっぱいになる。そして俺の子供は、生まれた時からすでにちんこが歩き 、また他の女のまんこに入ってそこで自然と射精して帰ってくる。こんなことはいつまでも続くわけがない。でもネズミ講式に俺の子供はどんどん増えていき孫ひ孫玄孫とどんどんどんどんと俺の血の繋がった人間は増えていく。それと同時にトコトコと歩くちんぽの数をまた増えていく。夜に寝ている間、俺のちんぽは女のまんこに入ることを生態としていたが、夜寝ている女全てに俺のちんぽを入っている状態になると、次第にその夜行性の生態が変化して、昼間にとことことことこと歩き出すちんぽが出てくる。街を歩けば俺のちんこいっぱいだ。そこらじゅうに俺のちんこが目に入る。
ただ忘れていけないことがあり、俺のちんぽが空気に触れると激しい痛みが全身に走るということだ。つまりととことこと歩くちんぽ自身には何も痛みは感じないが、それの母体である俺自身には激しい痛みは常に感じてるということだ。その痛みはひどい、何度死んでも死にきれないような痛みだ。眼がひんむいて、血反吐をはき、痙攣が止まらない。だから世界中は俺の叫び声で溢れている。昼も夜も街中を歩く俺と俺の子供と孫と玄孫のちんぽ。そしてどこかの部屋のベッドで寝ている俺の叫び声、俺の子供、孫ひ孫玄孫の叫び声。それらが世界地球自由に満ちている。
俺はその痛みに耐えられなくなり勝手に歩き出すちんぽをどうしても許せなくなった。心底殺したい気持ちになったが、痛みとそのかたちの愛らしさで潰すことはできなかった。そのため朝起きたとき戻ってきていたちんぽをつかみ、根元からアロンアルファでガッチガチに接着してやった。その夜は何年ぶりか、安心して眠ることができた。だが俺のちんぽはどうしてもまんこを求めてどんどんと長大化して行った。長く長く伸びていく。そしてちんぽはついに三軒隣の女のまんこに入り込んだ。さらにその太い幹の途中から新たな枝が生えて、五軒隣の女のまんこに入り、その枝からまた枝が生えて、また別の女のまんこに入り、その枝からまた枝が、枝からまた枝が。そうやってどんどんと長い時間をかけて、世界中の女のまんこに俺だけのちんぽが入り込んできた。空きのまんこがなくなると俺の子供や孫や玄孫を含めた男のアナルにも突き刺して、世界は俺のちんぽというでっかい幹から派生した枝によって覆われた。フロンティアは消滅した。ちんぽは満たされたように成長を止め、俺には痛みはもうない。俺のちんぽに突き刺されたひとびとはみな絶頂し、それでしまいだ。世界は静寂につつまれる。日が暮れる夕方の、アパートの窓から、俺のちんぽが太陽に照らされている景色が見える。グーグルアースはどこを示しても俺のちんぽがタグ付けされている。複雑に交差する俺のちんぽ、その総距離は何千万キロメートルに及び、常に地球上のどこかで射精をし続ける。
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